ホソジュンのウマなりトーク
第25回 前哨戦は波乱模様...。~ジョワド、オルフェの心の内は?~
2012.04.17
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このコラムが掲載される頃には、クラシックも始まり、桜花賞馬、皐月賞馬、そして古馬のG1戦線も本格化しているのでしょう。
しかしながら、その春に向けての前哨戦となった3月は、いろいろな意味で波乱も多く、「競馬に絶対はない」という格言が、強調されたように感じます。
例えば、わずかキャリア2戦目でG1馬に輝いた天才少女・ジョワドヴィーヴルのチューリップ賞での敗戦や、阪神大賞典で馬群から逸脱した走りを見せ2着となったオルフェーヴルなど。
きっと多くの方が、日本語を用いて、会話をしてみたいと思われたことでしょう。
そもそもこの2頭、競走馬として大事な、生まれ持っての素質の高さを兼ね備えている点では、非常に共通するのですが、競走馬としての資質という意味では、面白いほど真逆なのではないでしょうか。
チューリップ賞のレース後、この一族を担当される山口厩務員さんは、「この一族は競走馬の中でも比較的大人しい方なのだけど、その中でも特にこの仔は、大人しく、レース当日も、そしてレース後も、オットリしているんだよね。キャリアが浅いのもあるけど、闘争心が...」と。
一方のオルフェーヴルは、皆さんもご存知の通り、スタートから闘争心の塊。今回、逸脱した後、再び馬群を追いかける姿には、心底負けず嫌いなのだなぁ~と再認識するものでした。考えてみれば、「馬はゴール板を知っているのか?」「馬は競走に勝ちたいと思っているのか?」そう聞かれると、その答えを知っているのは、やはり馬たちのみなのかもしれません。
ひょっとしたら、チューリップ賞のジョワドは、「1戦目と2戦目は、外目を走っていて、気づいたら周りに馬がいなくて...。でも今回は、道中からみんなと一緒だったでしょ。私、みんなと一緒にかたまって走っているのが、実は好きなのよ。普段でも、1頭になると寂しく鳴いてしまうのよ」と言っていたのかも...?
また阪神大賞典でのオルフェーヴルだって、「僕はこれまで通り、前を行く馬を捕らえた。だから、もうレースは終わりってことでしょ」と、言っていたのかも...?。
ほんとにこればかりは、ジョワドヴィーヴルとオルフェーヴルのみが知ることなのでしょうが、オルフェーヴルに関して言えば、デビュー戦の後から、陣営と池添騎手が一丸となって一つ一つ積み上げてきたことが、崩れさってしまうような形となってしまい、見ていて本当に辛いものでした。と同時に、調教再審査(Eコースの真ん中を単走で走る)を受けなければならないことが、私個人の見解としては、本当に心配。もちろんやってみなければわからないことではありますが、これまで体の面と心の面を考慮して、あえて坂路のみの調教を行ってきた池江師。繊細に、そして緻密に計画されてきたそのプランも崩れてしまうわけですし、馬は心を持った生き物。これまでとは違う調整の変化に、心身共に器用に対応できるか否かは、微妙...。
あのレース以降、これまで集団で調教をしていたオルフェーヴルが、1頭のみで逍遥馬道を歩く姿が見られるようになりました。
すぐに本題に入らず、基本的なことから慎重に立ち向かっている陣営のそんな姿に、なおのこと、これまで以上の試練を迎えている、そんな風に感じるものでした。とにかく無事に試験をクリアし、再びターフで強いオルフェーヴルに逢いたい、そう願うばかりです。
それでは皆さん、また来月お逢いしましょう。
ホソジュンでしたぁ。
しかしながら、その春に向けての前哨戦となった3月は、いろいろな意味で波乱も多く、「競馬に絶対はない」という格言が、強調されたように感じます。
例えば、わずかキャリア2戦目でG1馬に輝いた天才少女・ジョワドヴィーヴルのチューリップ賞での敗戦や、阪神大賞典で馬群から逸脱した走りを見せ2着となったオルフェーヴルなど。
きっと多くの方が、日本語を用いて、会話をしてみたいと思われたことでしょう。
そもそもこの2頭、競走馬として大事な、生まれ持っての素質の高さを兼ね備えている点では、非常に共通するのですが、競走馬としての資質という意味では、面白いほど真逆なのではないでしょうか。
チューリップ賞のレース後、この一族を担当される山口厩務員さんは、「この一族は競走馬の中でも比較的大人しい方なのだけど、その中でも特にこの仔は、大人しく、レース当日も、そしてレース後も、オットリしているんだよね。キャリアが浅いのもあるけど、闘争心が...」と。
一方のオルフェーヴルは、皆さんもご存知の通り、スタートから闘争心の塊。今回、逸脱した後、再び馬群を追いかける姿には、心底負けず嫌いなのだなぁ~と再認識するものでした。考えてみれば、「馬はゴール板を知っているのか?」「馬は競走に勝ちたいと思っているのか?」そう聞かれると、その答えを知っているのは、やはり馬たちのみなのかもしれません。
ひょっとしたら、チューリップ賞のジョワドは、「1戦目と2戦目は、外目を走っていて、気づいたら周りに馬がいなくて...。でも今回は、道中からみんなと一緒だったでしょ。私、みんなと一緒にかたまって走っているのが、実は好きなのよ。普段でも、1頭になると寂しく鳴いてしまうのよ」と言っていたのかも...?
また阪神大賞典でのオルフェーヴルだって、「僕はこれまで通り、前を行く馬を捕らえた。だから、もうレースは終わりってことでしょ」と、言っていたのかも...?。
ほんとにこればかりは、ジョワドヴィーヴルとオルフェーヴルのみが知ることなのでしょうが、オルフェーヴルに関して言えば、デビュー戦の後から、陣営と池添騎手が一丸となって一つ一つ積み上げてきたことが、崩れさってしまうような形となってしまい、見ていて本当に辛いものでした。と同時に、調教再審査(Eコースの真ん中を単走で走る)を受けなければならないことが、私個人の見解としては、本当に心配。もちろんやってみなければわからないことではありますが、これまで体の面と心の面を考慮して、あえて坂路のみの調教を行ってきた池江師。繊細に、そして緻密に計画されてきたそのプランも崩れてしまうわけですし、馬は心を持った生き物。これまでとは違う調整の変化に、心身共に器用に対応できるか否かは、微妙...。
あのレース以降、これまで集団で調教をしていたオルフェーヴルが、1頭のみで逍遥馬道を歩く姿が見られるようになりました。
すぐに本題に入らず、基本的なことから慎重に立ち向かっている陣営のそんな姿に、なおのこと、これまで以上の試練を迎えている、そんな風に感じるものでした。とにかく無事に試験をクリアし、再びターフで強いオルフェーヴルに逢いたい、そう願うばかりです。
それでは皆さん、また来月お逢いしましょう。
ホソジュンでしたぁ。