ホソジュンのウマなりトーク
第34回 みんなで喜び合えたら~顔が見える馬たち、だからこそ~
2013.01.11
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新年、明けましておめでとうございます。皆さんは年末・年始をいかがお過ごしでしたでしょうか?
このシーズンは、忘年会にクリスマス、有馬記念におおみそか、そして新年会と、何かにつけて呑む機会が多いですよね~。お酒は、人との垣根を取り除いてくれる魔法の飲み物。
それゆえ知らず知らずのうちに無礼の数々を周囲に働いてしまい、翌日、反省の波が押し寄せることも多々あるのですが、でも逆にお酒の力を借りてこそ、腹を割ってできる本音トークも...。
何においても限度とバランスが大事であるとは思うのですが、やっぱり私はお酒が好きであり、年末・年始は大歓迎。
さてそんな中、このコラムがきっかけとなり、大井競馬場のある厩舎のクリスマスパーティーにお呼ばれしました。というのも、以前取り上げたアニマルコミュニケーターの話に共感して下さった北海道の牧場経営者の方が、共通の知人を通して是非ともお逢いしたいと、お声をかけて下さり、せっかくならば馬好きの集まる場所にと、呼んで頂けたのです。
会場には、厩舎スタッフの方々はもちろんのこと、厩舎に馬を預けているオーナーの方々、これから馬主になりたいと興味を抱いている方、獣医師、元馬術選手、騎手など、40名近い方が参加。それぞれに立場は違うのですが、馬を通して出逢い、同じ時を過ごすにあたり、乾杯の音頭をとられたオーナーの方が、「馬主にとって自分の馬の走りは何よりも楽しみです。オーナーそれぞれに愛馬の活躍を期待し、個々に我が子を応援をされることでしょう。しかしよくよく考えてみると、馬たちは一つ同じ屋根の下で暮らしています。ですから僕たちもお互いを知り、厩舎みんなの馬を一緒に応援する気持ちになれたらいいですね」と、心温まるご挨拶をされ、その言葉に包まれてか、実にアットホームなパーティーとなりました。
確かに考えてみれば、オーナー同士の面識がなくとも、馬は毎日顔を見合わせ、共にトレーニングを行う仲間たち。そしてそれは、馬を扱う人間同士にも言えることで、担当制であったとしても、毎日同じ空間で過ごす者同士。
10年以上にわたり、様々な厩舎を取材していますが、不思議なことに活躍馬を多く輩出する厩舎ほど、厩舎内の人と人との雰囲気が良く、私もついつい長居をしてしまうほど居心地が良いのです。
たえず笑いがあり、人の会話があり、互いの担当馬の活躍を喜びあったり、自慢したり。そしてそんな担当者同士の賑やかで楽しげな会話が聞こえる時ほど、馬たちは実にリラックスした表情を見せています。
よく昔から、ハッピーな人間がハッピーな馬を作ることができると言われますが、人間の心の余裕やユトリがあってこそ気遣える優しさがあると同時に、日々、人間自身の置かれた環境に偏った気兼ねや緊張、ストレスといったものがないことに、馬は最も安心できるのではないでしょうか。
馬は人間以上に過敏な生き物。人が馬を見るように、馬も人を観察し、一番傍にいる人を理解します。担当者だけに見せる表情があったり、人が変わると食事の量が一時的に落ちるというのも、その点からでしょう。
だとすると、仮に出張等で担当者が数日いない場合においても、普段から耳にする仲間の声であれば過敏に神経を研ぎ澄ませなくてもいいわけですし、逆に人間の方も大切な仲間の馬として温かい心で接するでしょう。
また調教の併せ馬などでは、お互いを補い合う最善の方法を見つけることにも繋がり、互いにプラスへと導かれるようにも...。
人は1人で生きることができないのであれば、馬作りこそ、決して1人でも、1頭でも成しえないこと。
今回のオーナーの言葉に、野球やサッカーの監督が、チーム全体の在り方を模索するように、厩舎こそ厩舎全体の在り方が非常に重要なのではないかな?と感じた年末でしたぁ。
それでは皆さん、今年も?今年こそは?ハッピーな気持ちで1年を過ごせますように...。
2013年も、どうぞよろしくお願い致します。
ホソジュンでしたぁ。
このシーズンは、忘年会にクリスマス、有馬記念におおみそか、そして新年会と、何かにつけて呑む機会が多いですよね~。お酒は、人との垣根を取り除いてくれる魔法の飲み物。
それゆえ知らず知らずのうちに無礼の数々を周囲に働いてしまい、翌日、反省の波が押し寄せることも多々あるのですが、でも逆にお酒の力を借りてこそ、腹を割ってできる本音トークも...。
何においても限度とバランスが大事であるとは思うのですが、やっぱり私はお酒が好きであり、年末・年始は大歓迎。
さてそんな中、このコラムがきっかけとなり、大井競馬場のある厩舎のクリスマスパーティーにお呼ばれしました。というのも、以前取り上げたアニマルコミュニケーターの話に共感して下さった北海道の牧場経営者の方が、共通の知人を通して是非ともお逢いしたいと、お声をかけて下さり、せっかくならば馬好きの集まる場所にと、呼んで頂けたのです。
会場には、厩舎スタッフの方々はもちろんのこと、厩舎に馬を預けているオーナーの方々、これから馬主になりたいと興味を抱いている方、獣医師、元馬術選手、騎手など、40名近い方が参加。それぞれに立場は違うのですが、馬を通して出逢い、同じ時を過ごすにあたり、乾杯の音頭をとられたオーナーの方が、「馬主にとって自分の馬の走りは何よりも楽しみです。オーナーそれぞれに愛馬の活躍を期待し、個々に我が子を応援をされることでしょう。しかしよくよく考えてみると、馬たちは一つ同じ屋根の下で暮らしています。ですから僕たちもお互いを知り、厩舎みんなの馬を一緒に応援する気持ちになれたらいいですね」と、心温まるご挨拶をされ、その言葉に包まれてか、実にアットホームなパーティーとなりました。
確かに考えてみれば、オーナー同士の面識がなくとも、馬は毎日顔を見合わせ、共にトレーニングを行う仲間たち。そしてそれは、馬を扱う人間同士にも言えることで、担当制であったとしても、毎日同じ空間で過ごす者同士。
10年以上にわたり、様々な厩舎を取材していますが、不思議なことに活躍馬を多く輩出する厩舎ほど、厩舎内の人と人との雰囲気が良く、私もついつい長居をしてしまうほど居心地が良いのです。
たえず笑いがあり、人の会話があり、互いの担当馬の活躍を喜びあったり、自慢したり。そしてそんな担当者同士の賑やかで楽しげな会話が聞こえる時ほど、馬たちは実にリラックスした表情を見せています。
よく昔から、ハッピーな人間がハッピーな馬を作ることができると言われますが、人間の心の余裕やユトリがあってこそ気遣える優しさがあると同時に、日々、人間自身の置かれた環境に偏った気兼ねや緊張、ストレスといったものがないことに、馬は最も安心できるのではないでしょうか。
馬は人間以上に過敏な生き物。人が馬を見るように、馬も人を観察し、一番傍にいる人を理解します。担当者だけに見せる表情があったり、人が変わると食事の量が一時的に落ちるというのも、その点からでしょう。
だとすると、仮に出張等で担当者が数日いない場合においても、普段から耳にする仲間の声であれば過敏に神経を研ぎ澄ませなくてもいいわけですし、逆に人間の方も大切な仲間の馬として温かい心で接するでしょう。
また調教の併せ馬などでは、お互いを補い合う最善の方法を見つけることにも繋がり、互いにプラスへと導かれるようにも...。
人は1人で生きることができないのであれば、馬作りこそ、決して1人でも、1頭でも成しえないこと。
今回のオーナーの言葉に、野球やサッカーの監督が、チーム全体の在り方を模索するように、厩舎こそ厩舎全体の在り方が非常に重要なのではないかな?と感じた年末でしたぁ。
それでは皆さん、今年も?今年こそは?ハッピーな気持ちで1年を過ごせますように...。
2013年も、どうぞよろしくお願い致します。
ホソジュンでしたぁ。