ホソジュンのウマなりトーク
第86回 皐月賞のアルアインで初GⅠ制覇~松山弘平騎手が見せる優しさと強さ~
2017.05.17
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早5月。
今年4歳になる息子が、「託児所ばかりはいや」とゴネだし、4月から近くのスクールに通うことに。基本、水曜日以外の朝の9時から14時までお願いしているのですが、昼食がでないということで、お弁当作りもスタート。
よってこの4月からは、競馬予想に加えお弁当のメニューにも悩む日々です...。
しかしながら、全部残さず食べた時に、「見て、全部食べているか?食べてないか?」と、誇らしげにお弁当箱を渡す息子の姿に成長を感じ、(全部食べてるねー凄いなー)と、喜ぶ私に、今度は嬉しそうな表情となる姿に胸がキュンキュン。5月からは、もう少しレパートリーを増やさなければなーと思っています。
さて先月行われた牡馬のクラシック第1弾となる皐月賞は混戦の中、アルアインの手綱をとった松山弘平騎手が初GⅠ制覇となりましたね。
松山騎手といえば、とにかくデビュー当初から、穏やかな口調で話す喋り方が実に可愛らしく、一見すると、激しい勝負の世界で大丈夫かしら?と心配になってしまいますが、あのマロヤカサと優しさが、騎乗においても、いい意味で馬の邪魔をせず、一般的に掛かるとされる馬においても、見事なまでにカロヤカになだめる姿が印象的です。
また今でも印象に残っているのが、小柄な牝馬の追い切りを終えた松山騎手が、厩舎へ戻ってくる際に、馬の背中から降りて曳いて歩いており、「え?故障でもしたの?大丈夫」と声をかけると、「そうじゃないんです。追い切ったら、疲れ果てちゃって...。僕が乗っているのも辛そうだから、少しでも負担を軽くしてあげたくて」と。
こういった発想は、愛馬心を基本とする馬乗りとして当然と言えば当然のことなのかもしれませんが、勝負の世界に身を置くと、騎手=勝利数を挙げたいということだけに気持ちが集中してしまい、1番大切な馬との対話を忘れがちになってしまうようにも...。特に若い頃は、なおさら。
それをデビューして数年あたりだったにもかかわらず、馬を思いやる気持ちを大事にしながら、調教に携わっていました。やはり馬は生き物であり、人間と同じように心を持った動物。
目の前の馬と対話をしてこそ、見えてくるもの、クリアできる問題があり、松山騎手のソフトな手綱捌きは、ここからきていると感じとれるものでした。
そして今回の皐月賞では、その松山騎手の元来の良さに加え、4コーナー手前から見せた気迫ある騎乗振りは、優しさと激しさも混在してのもので、実に見応えのあるものでした。
GⅠという大きな勲章を手にしたことで、本人の気持ちはもちろんですが、周囲の捉え方も変わるだけに、ここからのさらなる飛躍が楽しみです。
さて少し話は変わり、先日、競馬学校時代の校長・副校長・教育課長のお三方と4人で食事をしたのですが、学校時代の20数年前では想像もできないこと。時の流れの不思議さを感じると同時に、現場であるトレセンの空気や雰囲気がガラリと変わってきた背景には、厩務員・騎手の人材を養成する競馬学校が設立され、そこを卒業した人々の数の方が多くなったことによるものだと、改めて気づかされるものでした。
もちろん、昔が良いとか今の方が良いといった話ではなく、教育機関が与える影響や、人数の割合によって形成される環境など、当事者だった頃には分からないことを学ぶ時間ともなり、今も昔も、私にとっての先生でした。
それでは皆さん、また来月お逢いしましょう。
ホソジュンでしたぁ。
今年4歳になる息子が、「託児所ばかりはいや」とゴネだし、4月から近くのスクールに通うことに。基本、水曜日以外の朝の9時から14時までお願いしているのですが、昼食がでないということで、お弁当作りもスタート。
よってこの4月からは、競馬予想に加えお弁当のメニューにも悩む日々です...。
しかしながら、全部残さず食べた時に、「見て、全部食べているか?食べてないか?」と、誇らしげにお弁当箱を渡す息子の姿に成長を感じ、(全部食べてるねー凄いなー)と、喜ぶ私に、今度は嬉しそうな表情となる姿に胸がキュンキュン。5月からは、もう少しレパートリーを増やさなければなーと思っています。
さて先月行われた牡馬のクラシック第1弾となる皐月賞は混戦の中、アルアインの手綱をとった松山弘平騎手が初GⅠ制覇となりましたね。
松山騎手といえば、とにかくデビュー当初から、穏やかな口調で話す喋り方が実に可愛らしく、一見すると、激しい勝負の世界で大丈夫かしら?と心配になってしまいますが、あのマロヤカサと優しさが、騎乗においても、いい意味で馬の邪魔をせず、一般的に掛かるとされる馬においても、見事なまでにカロヤカになだめる姿が印象的です。
また今でも印象に残っているのが、小柄な牝馬の追い切りを終えた松山騎手が、厩舎へ戻ってくる際に、馬の背中から降りて曳いて歩いており、「え?故障でもしたの?大丈夫」と声をかけると、「そうじゃないんです。追い切ったら、疲れ果てちゃって...。僕が乗っているのも辛そうだから、少しでも負担を軽くしてあげたくて」と。
こういった発想は、愛馬心を基本とする馬乗りとして当然と言えば当然のことなのかもしれませんが、勝負の世界に身を置くと、騎手=勝利数を挙げたいということだけに気持ちが集中してしまい、1番大切な馬との対話を忘れがちになってしまうようにも...。特に若い頃は、なおさら。
それをデビューして数年あたりだったにもかかわらず、馬を思いやる気持ちを大事にしながら、調教に携わっていました。やはり馬は生き物であり、人間と同じように心を持った動物。
目の前の馬と対話をしてこそ、見えてくるもの、クリアできる問題があり、松山騎手のソフトな手綱捌きは、ここからきていると感じとれるものでした。
そして今回の皐月賞では、その松山騎手の元来の良さに加え、4コーナー手前から見せた気迫ある騎乗振りは、優しさと激しさも混在してのもので、実に見応えのあるものでした。
GⅠという大きな勲章を手にしたことで、本人の気持ちはもちろんですが、周囲の捉え方も変わるだけに、ここからのさらなる飛躍が楽しみです。
さて少し話は変わり、先日、競馬学校時代の校長・副校長・教育課長のお三方と4人で食事をしたのですが、学校時代の20数年前では想像もできないこと。時の流れの不思議さを感じると同時に、現場であるトレセンの空気や雰囲気がガラリと変わってきた背景には、厩務員・騎手の人材を養成する競馬学校が設立され、そこを卒業した人々の数の方が多くなったことによるものだと、改めて気づかされるものでした。
もちろん、昔が良いとか今の方が良いといった話ではなく、教育機関が与える影響や、人数の割合によって形成される環境など、当事者だった頃には分からないことを学ぶ時間ともなり、今も昔も、私にとっての先生でした。
それでは皆さん、また来月お逢いしましょう。
ホソジュンでしたぁ。