ホソジュンのウマなりトーク
第103回 現場と主催者の団結力~日本人騎手の武器となるもの~
2018.10.19
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北海道胆振東部地震、甚大な被害となり、たくさんの方の命や生活が奪われる状況に。
心からお悔やみ申し上げるとともに、1日も早い復興と日常が戻ることを願っています。
地震のニュースが流れた瞬間、北海道の牧場、知人がどのような状況なのか?不安に...。
ショートメールやラインをするものの既読にならず、返事が返ってきたのは2~3日後。この夏に「手ぶらでキャンプIN門別競馬場」でお邪魔した門別では、2日半かかっての電気の復旧となり、断水はそれ以上続いたとのこと。
もちろん、そのような状況ですから調教もままならないとのことでしたが、地震によって普段通りに過ごせない状況に馬たちの精神状態が乱れそうですし、調教が難しいとなると、軽い曳き運動程度の日々が続いたことでしょう。
となると、馬たちのフラストレーションもたまり、動きもダイナミックとなり、扱う方々や乗り手の危険度も高くなることが想像され、益々、心配に...。
そういった意味でも地震による、その後の影響というのは、大きな生き物を扱うには、いろいろな意味で大変なことなのだと感じました。
そんなことを想像しながら心配になっていると、キャンプの際に初めて門別競馬場に足を踏み入れた札幌在住の参加者のご家族からのラインが入り、「我が家は停電が長く、テレビも見られないので道内の状況があまりわからなくて...。数日後に、安平や門別競馬場のあたりの被害が酷いことを知りました。人や馬が心配でしたし、早く日常を取り戻せることを祈っています」と、届き、最後には、「落ち着いたら、門別競馬場に遊びに行きます」と書かれていました。
大変な事態ではありますが、その一方で、門別競馬場が試行錯誤して、この夏に取り組んだ競馬場でのキャンプイベントに参加された競馬に縁のなかった方が、門別競馬場で働かれる人々や馬を心配され、気遣い、そして競馬を見に行こうと思っていらっしゃる気持ちに心が温かくなりました。
そして中止となっていた開催もナイターから昼間に変更をしての9月25日から再開に。その決行に至るまでの経緯はわかりませんが、大変な状況の中での決断のスピーディーさは、現場と主催者側の団結力あってこそのもの。改めて、門別競馬場の底力を感じるものでした。
さて、この記事が掲載される頃は、秋競馬も真っ只中。盛り上がりを見せていることでしょう。そのGⅠに向けての前哨戦で、心打たれたレースをあげると、神戸新聞杯でのワグネリアン鞍上の藤岡康太騎手。
コンビ福永騎手の怪我により急遽の代役となりましたが、その背景にあったのは調教の過程。ワグネリアンのみならず、普段から友道厩舎の調教に携わっていることから、陣営が発した言葉は、「厩舎の馬作りの工程を知っているから、その点も大きい」と。
今、日本競馬はルメール騎手・デムーロ騎手の活躍に加え、世界トップレベルのジョッキーが短期免許で来日。幼少の頃から裸馬に乗り、各国での騎乗経験を踏まえ勝利をものにしてきた彼らに、生粋の日本人騎手が立ち向かう際に武器となるもの、それが今回のワグネリアン&藤岡康太騎手の姿のような気がします。
特に返し馬にいった際の降ろししなの姿が、調教と重なり、鞍上の重心が一箇所に保たれた自信溢れるコンタクト。あれがレースにおいて気負いそうなワグネリアンが無理なく我慢できた状態で走れた最大の要因に映りました。
皆さんは、どうお感じになられましたか?
それではまた来月、お逢いしましょう。
ホソジュンでしたぁ。
心からお悔やみ申し上げるとともに、1日も早い復興と日常が戻ることを願っています。
地震のニュースが流れた瞬間、北海道の牧場、知人がどのような状況なのか?不安に...。
ショートメールやラインをするものの既読にならず、返事が返ってきたのは2~3日後。この夏に「手ぶらでキャンプIN門別競馬場」でお邪魔した門別では、2日半かかっての電気の復旧となり、断水はそれ以上続いたとのこと。
もちろん、そのような状況ですから調教もままならないとのことでしたが、地震によって普段通りに過ごせない状況に馬たちの精神状態が乱れそうですし、調教が難しいとなると、軽い曳き運動程度の日々が続いたことでしょう。
となると、馬たちのフラストレーションもたまり、動きもダイナミックとなり、扱う方々や乗り手の危険度も高くなることが想像され、益々、心配に...。
そういった意味でも地震による、その後の影響というのは、大きな生き物を扱うには、いろいろな意味で大変なことなのだと感じました。
そんなことを想像しながら心配になっていると、キャンプの際に初めて門別競馬場に足を踏み入れた札幌在住の参加者のご家族からのラインが入り、「我が家は停電が長く、テレビも見られないので道内の状況があまりわからなくて...。数日後に、安平や門別競馬場のあたりの被害が酷いことを知りました。人や馬が心配でしたし、早く日常を取り戻せることを祈っています」と、届き、最後には、「落ち着いたら、門別競馬場に遊びに行きます」と書かれていました。
大変な事態ではありますが、その一方で、門別競馬場が試行錯誤して、この夏に取り組んだ競馬場でのキャンプイベントに参加された競馬に縁のなかった方が、門別競馬場で働かれる人々や馬を心配され、気遣い、そして競馬を見に行こうと思っていらっしゃる気持ちに心が温かくなりました。
そして中止となっていた開催もナイターから昼間に変更をしての9月25日から再開に。その決行に至るまでの経緯はわかりませんが、大変な状況の中での決断のスピーディーさは、現場と主催者側の団結力あってこそのもの。改めて、門別競馬場の底力を感じるものでした。
さて、この記事が掲載される頃は、秋競馬も真っ只中。盛り上がりを見せていることでしょう。そのGⅠに向けての前哨戦で、心打たれたレースをあげると、神戸新聞杯でのワグネリアン鞍上の藤岡康太騎手。
コンビ福永騎手の怪我により急遽の代役となりましたが、その背景にあったのは調教の過程。ワグネリアンのみならず、普段から友道厩舎の調教に携わっていることから、陣営が発した言葉は、「厩舎の馬作りの工程を知っているから、その点も大きい」と。
今、日本競馬はルメール騎手・デムーロ騎手の活躍に加え、世界トップレベルのジョッキーが短期免許で来日。幼少の頃から裸馬に乗り、各国での騎乗経験を踏まえ勝利をものにしてきた彼らに、生粋の日本人騎手が立ち向かう際に武器となるもの、それが今回のワグネリアン&藤岡康太騎手の姿のような気がします。
特に返し馬にいった際の降ろししなの姿が、調教と重なり、鞍上の重心が一箇所に保たれた自信溢れるコンタクト。あれがレースにおいて気負いそうなワグネリアンが無理なく我慢できた状態で走れた最大の要因に映りました。
皆さんは、どうお感じになられましたか?
それではまた来月、お逢いしましょう。
ホソジュンでしたぁ。