馬ミシュラン
第48回『第12回JBC』
2012.12.14
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11月5日、川崎競馬場で第12回のJBCが行われた。JBCマイル(スプリント)を夜に、JBCクラシックを翌日の昼に行った6年前と異なり、今回は1日にレディスクラシック、スプリント、クラシックのJBC3競走(とアンダーカードの地方交流ローレル賞)を行うスケジュール。
とりあえずレースを振り返る。今年で2回目となるJBCレディスクラシックは、1番人気のミラクルレジェンドが快勝した。サクラサクラサクラがレースを引っ張り、勝負処で外からミラクルレジェンド、内からクラーベセクレタも追い上げるが、そもそも力が違った。
JBCスプリントは、ハナ切ったタイセイレジェンドが逃げ切り勝ち。1番人気に推されたセイクリムズンは中団で行きたがるそぶりを押さえて、直線猛追したが、届かず。1分26秒6のレコードタイムだったが、上級条件で行われる距離ではないから、当然といえば当然だ。
JBCクラシックは逃げたマグニフィカの直後に、トランセンド、ワンダーアキュート、テスタマッタ、ソリタリーキングと並び、離れた最後方からシビルウォー。1周目の向正面手前からシビルウォーが一気に押し上げ、勝負処で後続を突き放しにかかるトランセンドを交わすが、脚を溜めていたワンダーアキュートが38秒6の上がりで、2着に5馬身の差を付ける圧勝だった。
最終レースに行われた2歳牝馬によるローレル賞は、12番人気のデイジーギャルが逃げ切り勝ち。中団待機から直線一気の追い上げをみせた7番人気のケンブリッジナイスがクビ差で2着。3連単356万1,630円の波乱で幕を閉じた。
さて、ここからが本題。
翌日の新聞には「IPAT効果」、「川崎史上最高売上」など景気の良い活字が躍った。確かに、1日当たりの売得金26億9,225万2,800円は従来の22億6,453万3300円(1992年2月11日、第41回川崎記念当日)を4億2,771万9,500円上回り、1Rあたりの売得金8億7,208万6,200円は、従来の8億3,528万5,600円(2006年11月3日、第6回JBCクラシック)を3,680万600円上回った。しかし、第1回の1日39億3,766万1900円はおろか、前回の川崎開催36億604万3100円(2日間合算)をも下回った。
当日の目標は売得38億円、入場2万人だったが、売得で11億774万7,200円下回り、入場も1万4797人で、5203人下回っている。仮説ではあるが、2日後に行われたロジータ記念当日の1日の売得9億502万800円と入場5823人を合算しても、入場は目標を上回るが、それでも売得は2億272万6,400円届かない計算になる。
個別のレースの比較だと、JBCスプリントは5億6,971万7,800円で、6年前のJBCマイル(スプリント)よりも9,299万2,300円のマイナス。JBCクラシックは前述の通り8億7,208万6,200円で、こちらは3,680万600円上回った。しかし、これでめでたしとはいかない。
当日の在宅投票は16億5,842万2,000円で、構成比61.6%。その内、IPATのシェアは59.5%。川崎競馬の23年度の平均は39.2%(SPAT4、楽天競馬、オッズパーク)だから、単純比較はできないが、IPATのシェアがほぼ通常の在宅投票分あるような格好となっている。一方でSPAT4が5億1,133万300円で、1日の19.0%、在宅投票内では30.8%とシェアを大きく下げている。楽天競馬も若干影響を受けているが小さく、IPATがSPAT4を'食っている'形になっているのが濃厚だ。当日はA-PATでも発売されていた。恐らくネット銀行口座よりも、古くからのユーザーが多いロック式口座の方が、'重複会員'の比率が高いからではないかと推測される。
今回12回目を迎えたJBC。人間で言えばちょうど'ひと回り'。この12年、未だに第1回を超えられず、近年は南関東での開催に於いても第1回比60~70%である。そろそろJBCの開催方法について見直しても良い頃だろう。本家BCや英国のチャンピオンズデーは、一応シーズンの区切りで、JBCスプリントはシーズン最後のGⅠだが、クラシックはJCダート、東京大賞典へのローテーションの一部である。スプリントは独立させればさらに盛り上がる可能性を秘めているし、2日開催でもいい。そろそろ形態を見直す時期にきている。それに、1日に使える金は皆限られている。
とりあえずレースを振り返る。今年で2回目となるJBCレディスクラシックは、1番人気のミラクルレジェンドが快勝した。サクラサクラサクラがレースを引っ張り、勝負処で外からミラクルレジェンド、内からクラーベセクレタも追い上げるが、そもそも力が違った。
JBCスプリントは、ハナ切ったタイセイレジェンドが逃げ切り勝ち。1番人気に推されたセイクリムズンは中団で行きたがるそぶりを押さえて、直線猛追したが、届かず。1分26秒6のレコードタイムだったが、上級条件で行われる距離ではないから、当然といえば当然だ。
JBCクラシックは逃げたマグニフィカの直後に、トランセンド、ワンダーアキュート、テスタマッタ、ソリタリーキングと並び、離れた最後方からシビルウォー。1周目の向正面手前からシビルウォーが一気に押し上げ、勝負処で後続を突き放しにかかるトランセンドを交わすが、脚を溜めていたワンダーアキュートが38秒6の上がりで、2着に5馬身の差を付ける圧勝だった。
最終レースに行われた2歳牝馬によるローレル賞は、12番人気のデイジーギャルが逃げ切り勝ち。中団待機から直線一気の追い上げをみせた7番人気のケンブリッジナイスがクビ差で2着。3連単356万1,630円の波乱で幕を閉じた。
さて、ここからが本題。
翌日の新聞には「IPAT効果」、「川崎史上最高売上」など景気の良い活字が躍った。確かに、1日当たりの売得金26億9,225万2,800円は従来の22億6,453万3300円(1992年2月11日、第41回川崎記念当日)を4億2,771万9,500円上回り、1Rあたりの売得金8億7,208万6,200円は、従来の8億3,528万5,600円(2006年11月3日、第6回JBCクラシック)を3,680万600円上回った。しかし、第1回の1日39億3,766万1900円はおろか、前回の川崎開催36億604万3100円(2日間合算)をも下回った。
当日の目標は売得38億円、入場2万人だったが、売得で11億774万7,200円下回り、入場も1万4797人で、5203人下回っている。仮説ではあるが、2日後に行われたロジータ記念当日の1日の売得9億502万800円と入場5823人を合算しても、入場は目標を上回るが、それでも売得は2億272万6,400円届かない計算になる。
個別のレースの比較だと、JBCスプリントは5億6,971万7,800円で、6年前のJBCマイル(スプリント)よりも9,299万2,300円のマイナス。JBCクラシックは前述の通り8億7,208万6,200円で、こちらは3,680万600円上回った。しかし、これでめでたしとはいかない。
当日の在宅投票は16億5,842万2,000円で、構成比61.6%。その内、IPATのシェアは59.5%。川崎競馬の23年度の平均は39.2%(SPAT4、楽天競馬、オッズパーク)だから、単純比較はできないが、IPATのシェアがほぼ通常の在宅投票分あるような格好となっている。一方でSPAT4が5億1,133万300円で、1日の19.0%、在宅投票内では30.8%とシェアを大きく下げている。楽天競馬も若干影響を受けているが小さく、IPATがSPAT4を'食っている'形になっているのが濃厚だ。当日はA-PATでも発売されていた。恐らくネット銀行口座よりも、古くからのユーザーが多いロック式口座の方が、'重複会員'の比率が高いからではないかと推測される。
今回12回目を迎えたJBC。人間で言えばちょうど'ひと回り'。この12年、未だに第1回を超えられず、近年は南関東での開催に於いても第1回比60~70%である。そろそろJBCの開催方法について見直しても良い頃だろう。本家BCや英国のチャンピオンズデーは、一応シーズンの区切りで、JBCスプリントはシーズン最後のGⅠだが、クラシックはJCダート、東京大賞典へのローテーションの一部である。スプリントは独立させればさらに盛り上がる可能性を秘めているし、2日開催でもいい。そろそろ形態を見直す時期にきている。それに、1日に使える金は皆限られている。