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第57回『盆暮れ正月は稼ぎ時』

2013.09.11
 「35キロの渋滞」「乗車率200%」など毎年テレビのニュースなどで恐ろしい数字が並ぶお盆休み。そんな数字を横目に「盆暮れ正月は稼ぎ時」と、我々新聞屋はいつものように電車や車で会社や競馬場通いという変わらない1週間を過ごすのである。かといって電車や道が空いているわけでもなく、海や山に向かう家族連れで、時間帯によってはむしろ混雑している。もうそんな生活を20年送っている。
 南関東のお盆開催は、恒例の大井競馬トゥインクルレース。首都圏出身で帰省のないお客様、地方出身だが帰省しないお客様の為に今年も様々な催し物が行われた。内馬場ではビールイベントのオクトーバーフェストが行われ、白い大きなテントの中はビールを飲みながらレースも観戦でき、ステージではイベントも行われ、大勢の酔っ払い......もとい、ビールファンで盛り上がった。

 どれだけ盛り上がったかを数字で表すと、黒潮盃当日(2012年は4日目、2013年は3日目)を例にとると、2012年が入場1万3,832人、売得11億9,865万4,100円。これに対し2013年は1万7,738人、売得12億577万5,600円。入場が前年比128.2%、売得が100.6%となった。入場に比べ売得が伸びなかったのは、大雨による災害に見舞われた北日本、同じく中国、四国から九州北部の場外発売所が入場、売得ともに振るわなかった部分が大きかったと推測する。

 大井競馬場も初日の月曜日は夕暮れ時から雨に見舞われ、5日間で唯一の1万人割れとなったが、2日目以降は連日1万人以上を数え、昨年の5日間5万523人と比べ25%増の6万3,172人が来場している。また、売得も昨年比119%の51億4,252万700円となった。

 好天に恵まれた黒潮盃当日は大井町駅のバス乗り場に行列ができ、途中でバッタリ出会った営業部員から「新聞が足りません」と聞き、「こりゃヤバい」と思ったが、入場者が大幅に増えたのは本場だけで、後で聞いたところによると首都圏の各場外は至って平穏であったようだ。

 過去にも同様の事は書いたが、本場の入場、売得が増えることは悪い話ではない。競馬場にとってみれば手数料の掛からない現金系のお客さんが増えるし、我々新聞屋も売れる部数は入場者数にほぼ比例する。それがビール目当てであろうが、プレゼンターの香里奈さん目当てであろうが、実はそれ程影響はなく、ほぼ比率通りの動きをみせる。だから競馬場のイベントやゲストは歓迎である。ポニー乗馬や獣電戦隊キョウリュウジャーショーでさえ、お父さんを引っ張って来てくれる大事な役割を担っているのである(笑)。

 ただし、バーベキューガーデンは大人1,500円、小学生1,000円といいつつ、食材費は別で、しかも「食材、飲料の持ち込みは出来ません」というのは是如何にと思う。「中でコースを選択できるから」というのが表記の理由であるが、割高感は否めない。「中で料金が膨らむんだよ~」と、家族連れで行った友人が笑いながらそう言っていた。

 この開催中には他にも様々な出来事やお知らせがあった。的場文男騎手が地方競馬通算6,500勝まであと6勝で臨んだが、5日間で4勝したものの、あと2勝の6,498勝で持ち越しとなった。15日には2・3号スタンドの建替えが発表された。新聞屋的にも2号スタンドにある記者席をL-WING内へ移転するなどの作業が生じる。

 そして9月1日にソウル競馬場で行われる第21回SBS ESPN杯韓日競走馬交流競走の出走馬が小林牧場で検疫に入ったと。目下韓国馬の資料を集めて、どれくらいのレベルなのか計っているところだが、ざっと眺めたところTOUGH WINという29戦22勝2着2回3着1回のアメリカ産の6歳せん馬が有力ではないかと思われる。馬場が違うので持ちタイムの比較はあくまでも参考程度ではあるが、1400mだとTOUGH WINが1分26秒2、日本から行く3頭ではトーセンアーチャーが1分23秒2、ファイナルスコアーが1分23秒7、ビッグガリバーが1分25秒6。大井競馬場が日本のダートコースで最も砂が薄く、比較的タイムが速いことを考えると、互角の勝負になるかもしれない。もっとも11月のロイヤルカップで韓国馬の馬柱を作らなければならない事を思うと、ちょっと憂鬱だ。英語の資料はともかく、大事なことが書いてありそうなハングルの文書は全く読めない。
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