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第58回『韓日競走馬交流競走』

2013.10.16
 先月号の後半からの続きです。
 去る9月1日、韓国のソウル競馬場において、「SBS ESPN杯 韓日競走馬交流競走」が行われた。日本からは大井競馬所属のファイナルスコアー(牡8歳・荒山勝徳厩舎)、ビッグガリバー(牡5歳・藤田輝信厩舎)、トーセンアーチャー(牡9歳・橋本和馬厩舎)の3頭が出走。迎え撃つ地元は全てソウル競馬場の所属で、アメリカ産馬10頭、オーストラリア産馬1頭の計14頭によって争われた。
 レースは皆さんご覧になった通り、逃げた1番のPREUN MISO(USA)が前半35秒4のハイペースで飛ばし、道中2番手にいた7番のWATTS VILLADE(USA)が直線でバテたPREUN MISOを交わして抜け出しをはかるところ、スタートひと息で後方からの競馬となったトーセンアーチャーが最速36秒9の上がりで差し切り、2着に1馬身の差を付け見事勝利した。

 鞍上の的場文男騎手は海外初勝利。管理する橋本和馬調教師ももちろん海外初勝利。日本産馬はせりで買われて韓国でデビューした馬だけでなく、ダイワアラジのように中央7戦未勝利の後、海を渡って韓国で14勝を挙げた例もあるので、さほど珍しい事ではないが、一応現役馬が遠征して勝ったのは初めてである(と思う)。

 何せ資料がないし、あっても読めないのは致命的である。ホームページの情報にしても、日本語のページはPDFのみ。英語のページはsummary(概略)のみ。必要なことはハングルのページから探すしかない。

 なぜこんなにボヤくかというと、今回の出走馬は検疫が終わればいずれ普通に出走してくる。我々は競馬専門紙。柱を作らなければならない。「不明」で済ましても、もしかしたら心優しい読者の方々は許してくれるかもしれないが、やはりそういうわけにもいかないだろう、というのが我々の見解。

 しかし、これまでもバーナスコーニ(USA)やレッドアラートデイなど、数々の馬柱を組んで来た専門紙業界屈指の日刊競馬馬柱班も、さすがに今回はお手上げのポーズ。かくいう筆者も「鍋」を表す文字だけは知っている程度。なぜ「鍋」かというと、以前韓国に旅行した際、この文字だけ知っていれば、メニューを見てそれが鍋料理だとわかるから、という実にしょうもない理由。(役には立った)

 どうせそうなるだろうと思い、今回の交流競走の概要が発表されるにあたり、今や韓国競馬通で有名な旧知の岩手ケイシュウニュース・牛山基康記者にすぐ電話して、アドバイスをお願いしていた。韓日だけでなく、日韓の方もお願いした。

 一応、我々も頑張ってみた。若手の精鋭・佐藤匠記者を現地に放ち、日本では映像を見ながら必死にラップを取ろうとした。しかし、画面下のタイムはどうもズレている感じがするし、途中どの棒なんだかさっぱりわからない。前述の通り英語版ホームページの成績は概略のみで、やはりというべきか、最初からそうするべきか、アドバイザーにアドバイスのお願いを。するとさすがアドバイザー。ハングルのページにあるという。

 どれだかさっぱり読めないボタンを片っ端からクリックしていくと、あったあった競走成績。ありがとう心の友よ、これで11月の日韓交流はきっちり柱が組めそうです。

 ただ、今回の反省点としては、佐藤記者に「ラップを取れ」と言い忘れたこと。レースラップさえあればあとは映像でどうにでもなる。一応カメラは持って行かせたのでそれなりには頑張ってくれた。恐らく11月の日韓戦では紙面に掲載されるとは思うが、もしかしたら地全協から借りた写真にするかもしれないけど。

 他にもいろいろと11月に向け決めなければならない事がある。馬名は登録通り、レース名や条件は翻訳するだけで良いとして、騎手名は漢字か読みか。JRAや新潟に来た時は漢字だったが、お隣韓国でも最近は漢字がない騎手も多いようだ(ゴルフの選手でも居た)。過去5戦キム騎手で、乗り替わってキム騎手とか、今回のようにチョン騎手とチャン騎手とチョイン騎手(新聞表記的にはチョイ)とか。さらには各馬の評価も、一応ビデオは観られるにしても、ハードルが高い。

 諸々鑑みるに、やはりアドバイザーにアドバイスをお願いするのがベスト、というのが結論。
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