馬ミシュラン
第95回 『海外馬券発売』
2016.11.21
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10月2日の夜、競馬ファンが待ちに待った海外馬券発売がスタートした。その初回となる第95回凱旋門賞(フランスGⅠ、シャンティイ競馬場、芝2400m)が23時5分に発走した。
日本から出走した日本ダービー馬マカヒキは16頭中14着の大敗を喫したが、その一方で注目された海外馬券発売は41億8,599万5,100円の'圧勝'となった。
競馬場、WINSでの発売はなく、JRAインターネット投票(PAT)でのみ発売、さらに日本時間23時5分の深夜帯にもかかわらず、GⅡ、GⅢに匹敵する売上げを上げたことは、記念すべき第1回の'ご祝儀'であったにしても、恐らく競馬史に残る出来事と言っても過言ではない。
実際、海外馬券発売のために提出された「競馬法の一部を改正する法律案」の質疑の段階で、地方競馬のGⅠレースである東京大賞典の売上げ約20億円が目標の目安と答弁されていることからも、当初の目論見を大きく上回ったと言える。
また、フランスのPMUでの売上げが約18億円ということだから、日本国内では現地の約2倍売り上げたことになる。フランス側に払う手数料は、約3%とのことだから、約1億2,500万円。これが高いか安いかは相場が分からないので何とも言えないが、海外でも注目されている。
レイ・ポーリック氏も自身のコラムで「Arc Proves Japan A Rich New Frontier For International Simulcasting」(日本がサイマル発売の豊かなニューフロンティアであることを凱旋門賞が証明した)と題して、その購買力に大きな期待を寄せている。
おりしも、日本馬を対象としたケンタッキーダービーへの出走馬選定ポイントシリーズ「ジャパン・ロード・トゥ・ザ・ケンタッキー・ダービー」を創設すると9月13日に発表された。「Road to the Kentucky Derby」自体は2012年からスタートしているが、ラニ(USA)のチャレンジがあったにしてもこのタイミングはドンピシャすぎる。
さて、41億8,599万5,100円を売り上げた海外馬券発売の'デビュー戦'だったが、我々マスコミの対応はどうだったか。
レース当日はGⅠスプリンターズステークスの開催日でもあり、パッと見専門紙、日刊紙各紙いずれもそれほど紙面に余裕がある、というわけではなかったようだ。
馬柱自体はJRAからデータ配信されることもあり、流し込みの仕組みさえ作ってしまえばどうにでもなるのだが、マカヒキ以外の談話や調教は予想通り難しかった。「Paris Turf」などからコメントの提供を受けた日刊紙もあったが、これから毎回となると、継続は難しいのではないかと思う。あくまで'お祭り対応'ではないだろうか。
関東の専門紙各紙の対応を見ると、馬柱を掲載したのが5紙、メンバーのみ2紙。前述の通りスプリンターズステークス当日版の厳しい紙面で、なんとか2段2走の馬柱を作って'ブチ込んだ'。
その気になれば社内にも筆者を含め凱旋門賞を現地で観戦した経験があるものはゴロゴロいるし、最新の情勢が必要であれば海外競馬通の知り合いはなんぼでもいるから、現地の専門紙から提供を受ける手も含めどうにでもなるのだが、如何せん紙幅に余裕がなかった。余裕がなさすぎて、柱を掲載するか、メンバーだけにするかの判断はかなりギリギリだった。
海外馬券発売第2号は、11月1日のメルボルンカップと発表された。火曜日の日本時間13時発走であるから、中央版での掲載は不可能だ。幸い我が社には南関東版があるので、当日の地方競馬ネット投票と絡めることが出来そうだ。ただし、南関東版は2日前確定で、JRAから発表されたスケジュールでは、メルボルンカップの出走馬最終データは10月30日の午前9時頃だから、やはりギリギリの対応を迫られることになりそうだ。さらに、北海道2歳優駿の掲載もあるので、またも厳しい紙面構成が予想される。
海外馬券発売自体も、このメルボルンカップで真価を問われることになるかもしれない。当初より、凱旋門賞、香港国際カップ、ドバイワールドカップは売上げも堅いと言われているが、ここでどれだけ売れるかで、我々も今後の対応を考えなければならなくなるかもしれない。
基本的には馬券を売るレースは全て掲載するのが、当然だとは思っているが、落ち着くまではしばらく掛かりそうな気がする。
日本から出走した日本ダービー馬マカヒキは16頭中14着の大敗を喫したが、その一方で注目された海外馬券発売は41億8,599万5,100円の'圧勝'となった。
競馬場、WINSでの発売はなく、JRAインターネット投票(PAT)でのみ発売、さらに日本時間23時5分の深夜帯にもかかわらず、GⅡ、GⅢに匹敵する売上げを上げたことは、記念すべき第1回の'ご祝儀'であったにしても、恐らく競馬史に残る出来事と言っても過言ではない。
実際、海外馬券発売のために提出された「競馬法の一部を改正する法律案」の質疑の段階で、地方競馬のGⅠレースである東京大賞典の売上げ約20億円が目標の目安と答弁されていることからも、当初の目論見を大きく上回ったと言える。
また、フランスのPMUでの売上げが約18億円ということだから、日本国内では現地の約2倍売り上げたことになる。フランス側に払う手数料は、約3%とのことだから、約1億2,500万円。これが高いか安いかは相場が分からないので何とも言えないが、海外でも注目されている。
レイ・ポーリック氏も自身のコラムで「Arc Proves Japan A Rich New Frontier For International Simulcasting」(日本がサイマル発売の豊かなニューフロンティアであることを凱旋門賞が証明した)と題して、その購買力に大きな期待を寄せている。
おりしも、日本馬を対象としたケンタッキーダービーへの出走馬選定ポイントシリーズ「ジャパン・ロード・トゥ・ザ・ケンタッキー・ダービー」を創設すると9月13日に発表された。「Road to the Kentucky Derby」自体は2012年からスタートしているが、ラニ(USA)のチャレンジがあったにしてもこのタイミングはドンピシャすぎる。
さて、41億8,599万5,100円を売り上げた海外馬券発売の'デビュー戦'だったが、我々マスコミの対応はどうだったか。
レース当日はGⅠスプリンターズステークスの開催日でもあり、パッと見専門紙、日刊紙各紙いずれもそれほど紙面に余裕がある、というわけではなかったようだ。
馬柱自体はJRAからデータ配信されることもあり、流し込みの仕組みさえ作ってしまえばどうにでもなるのだが、マカヒキ以外の談話や調教は予想通り難しかった。「Paris Turf」などからコメントの提供を受けた日刊紙もあったが、これから毎回となると、継続は難しいのではないかと思う。あくまで'お祭り対応'ではないだろうか。
関東の専門紙各紙の対応を見ると、馬柱を掲載したのが5紙、メンバーのみ2紙。前述の通りスプリンターズステークス当日版の厳しい紙面で、なんとか2段2走の馬柱を作って'ブチ込んだ'。
その気になれば社内にも筆者を含め凱旋門賞を現地で観戦した経験があるものはゴロゴロいるし、最新の情勢が必要であれば海外競馬通の知り合いはなんぼでもいるから、現地の専門紙から提供を受ける手も含めどうにでもなるのだが、如何せん紙幅に余裕がなかった。余裕がなさすぎて、柱を掲載するか、メンバーだけにするかの判断はかなりギリギリだった。
海外馬券発売第2号は、11月1日のメルボルンカップと発表された。火曜日の日本時間13時発走であるから、中央版での掲載は不可能だ。幸い我が社には南関東版があるので、当日の地方競馬ネット投票と絡めることが出来そうだ。ただし、南関東版は2日前確定で、JRAから発表されたスケジュールでは、メルボルンカップの出走馬最終データは10月30日の午前9時頃だから、やはりギリギリの対応を迫られることになりそうだ。さらに、北海道2歳優駿の掲載もあるので、またも厳しい紙面構成が予想される。
海外馬券発売自体も、このメルボルンカップで真価を問われることになるかもしれない。当初より、凱旋門賞、香港国際カップ、ドバイワールドカップは売上げも堅いと言われているが、ここでどれだけ売れるかで、我々も今後の対応を考えなければならなくなるかもしれない。
基本的には馬券を売るレースは全て掲載するのが、当然だとは思っているが、落ち着くまではしばらく掛かりそうな気がする。