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第3回 進化し続ける競馬の舞台裏

2010.06.14
 趣味というほどオーバーなものではないのですが,子供の頃から好きなことの一つに,住宅展示場巡りがあります。様々な家の作りを見ては,いかに効率よく動け,経済的であり,快適な毎日を送ることができるか?インテリア雑誌や建築物の本を図書館で借りてきては,将来,こんな間取りにしようと夢見たものでした。
 しかし現実は,家どころか,未だ嫁に...。あ~35歳まで独身でいるとは,夢にも思わなかった。三十路独身女の悲しい身の上話はこのあたりにしまして,なぜ建築の話かといいますと,今,栗東トレーニングセンターは,続々と新しい厩舎が誕生。これまでとは違い,引退までの自分の城を構える調教師は,新厩舎に様々な手を加えています。

 例えば,レッドディザイアが暮らす松永幹夫厩舎。通常,馬を洗う「洗い場」と呼ばれる場所は,厩舎の真ん中にあり,吹きさらし状態なのですが,その周囲に囲いを作り,一つの部屋になるようにリフォームされているのです。寒い冬は,馬の乾きも速く,働く方々にとっても,快適。またその横に洗濯場も設けており,調教時や手入れの時に使う馬装具やタオルの乾きも速いのです。これには,「ほんと助かります」とスタッフ。「特に関東圏への競馬に出向いた際は,帰厩するのが,深夜。真冬の真夜中,1~2時の真っ暗で凍える寒さの中,星を眺めながら洗濯物を干すときの寂しさといったら...。しかも,凍ってしまう時もありますから。今は,洗濯物の心配もしなくていいですし,ほんと先生に感謝です」と,厩舎スタッフ。

 確かに,自宅でも,雨が続いた日は洗濯物がたまり,それだけでストレスになることもありますよね。「ハッピーピープル・キャン・メイク・ハッピーホース(Happy people can make happy horses.)」という言葉があるように,仕事の効率もさることながら,気持ちの面でも余裕が生まれることは,細かなところで,人,馬に対する接し方にも違いがでてくるようにも感じます。

 また別の厩舎では,馬房の壁にヒノキを使用したり,冷暖房完備,ミストの装着,有線放送の導入など,実に様々。もちろん,何がいいとか悪いとかの話ではなく,より良い仕事場,より強い馬づくりを目指し,以前にもまして厩舎のカラーを建物からも感じます。

 また強い馬づくりと言えば,食に対する意識も一昔前とはあきらかに違い,馬=アスリート色に。中でも,今私が最も羨ましく思うのが,有名女優たちも飲用しているという話題の水,水素水を飲んでいる馬たちが多く存在するということ。偶然かもしれませんが,某GⅠレースの1~3着馬が水素水ホースだったのです。しかしながらその水素水,いくらするのか,ご存知ですか?

 高濃度のものですと,300mlで約500円ほど。水にお金がかかるという感覚がない世代の私にとっては,とてもとても高すぎる値・・・。それを,グイグイと飲んでいる馬たち。なんとある厩舎では,1200万円ほどする高性能な機械を購入しているところも。あ~実にウマヤラシイ~。私も,浴びるほどの水素水を,殿方から飲ませもらい,体の芯から生まれ変わりたいよ~ナンチッテ。
しかしながら,どんどん進化する競馬の舞台裏というのは,興味の尽きないことばかり。今後,さらにどう変化を成し遂げていくのか,楽しみです。

 それでは皆さん,また来月お会いしましょう~。
 ホソジュンでした。
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