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第107回 女性騎手に関する取材~これまで、そしてこれから~

2019.02.21
 先日、女性騎手の物語を書きたいので、当時のことなど、取材に応じて頂けませんか?との問い合わせを受けました。
 もちろん、このような内容は今までも少なからずあり、引退直後の数年間においては自分自身の気持ちの整理がつかないまま受け、正直、取材に応じながらも、その後の1~2日は過去の辛い出来事を思いだし、気持ちが落ち込むことも...。

 よってこの手の話は断りたい気持ちもあるのですが、今、自分自身も取材する側となっており、記者の方々の心境を少しは察することができるようになったことと、引退直後に母が放った、「あなたはJRAによって騎手にさせてもらえのだから、別の形であれ恩返しをすべき」との言葉もあり、引き受けてきました。

 確かに私の中でも、女性騎手としてデビューさせてもらえたにもかかわらず、わずか数年での引退は申し訳ないの一言。

 当時は学校での訓練費や生活にかかる全てを競馬会が負担しており、騎手1人を育てるのに1億円はかかると言われていた時代。

 その1億円や育ててもらった方々の思いに応えられなかったと同時に、女性騎手の門戸を閉ざしてしまう形にもなってしまい、心のどこかで負い目を感じながら過ごしてきたところもありました。

 よって、藤田菜七子ちゃんがデビューをする際には、できるだけマスコミ協力をしようと、朝から深夜に至るまで電話対応をし、当時抗がん剤治療をしている父にまで2歳の息子の子守を頼み負担をかけてしまったことも...。

 その時の後悔が今もなお胸にあることや、こういった形で協力してきた時間もはや15年。もうそろそろ女性騎手に関する取材においては、その内容次第では断る選択をしてもいいのかな?と思っていた矢先、女性騎手の減量制度の変更が発表され、「ホソエさん、この点についてどうお考えですか?」「コメントをお願いします」との問い合わせが数件入りました。

 実はこの話においては、ウエイトコントロールの点も含めた様々な視点から、競馬を行う女性というだけではおさまらない問題も含んでおり、世論も含めて両極端な意見が伺えるところも。

 と同時に、地方・海外からの移籍に加え、世界各国のトップジョッキーたちが短期免許で来日。生粋のJRA騎手を取り巻く環境は、年々厳しさを増し、ジェンダー的な側面だけで判断できない状況もあり、その旨を伝え、コメントできないと初めて断りました。

 今でも、これでよかったのか?どうなのか?自分でもわからない所はありますが、何事においても、意見を述べるという時点で賛否両論はあり、誰かを傷つけたり不快に思わせることなくコメントすることは、とても難しいものなのでしょう。

 しかも今の時代は、顔の見えない人々の声が溢れ、それによって左右され、また新たに生まれる声も...。

 よって言葉の選択という点においても今は、慎重にならざるをえないのかもしれませんね。

 さて話は変わり、昨年末から英語を見直し、朝はラジオでのリスニングに始まり、昔の英語本を見直しているのですが、be動詞が必要な時とそうでない時の違いや、時間軸の捉え方の根本的な違いが、どこからうまれたのか?などの説明を中学時代に受けていたら?もう少し違っていた気も...。

 教師のせいにしている時点でアウトとの声も聞こえそうですが、外国の方々に比べ第2言語の習得が苦手すぎるのには、何かあるのでしょうね...。

 今年は海外での仕事も入ってきており、少しでも上達できるようにしたいと思っています。

 それでは皆さん、また来月お目にかかりましょう。
 ホソジュンでしたぁ。
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