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第123回 変化を要求された時間の中で 〜コロナウイルスから人類への手紙〜

2020.06.18
「コロナウイルスから人類への手紙」をご存じですか?
 なぜ、コロナウイルスが生まれ、全世界に猛威を振る形となったのか?その内容が書かれた文。その一部分を紹介すると、「地球は叫びました。でもあなたは耳を傾けなかった。私はあなたの目を覚ますために生まれたのです。汚染した水、戦争、貪欲さ。あなたは地球の声よりiPhoneを持つことが大事だった。だから私は世界の軌道を止めました。今、ベニスの水は透明になり、空は澄みきった青空に。私はあなたを罰しているのではありません。目覚めさせるためにいるのです。地球を汚さないでください。争うことをやめてください。物質的なことに気を取られないでください。隣人を愛し、地球の生き物を大切にしてください」

 確かに私たち人間は、テクノロジーの発展に力を注ぎ、いつしか自然と共存しながら地球で生活をしていることや、人間の幸福度の物差しを複雑に考え求めすぎてしまったようにも...。

 私自身、仕事においては週中のトレセン取材を自粛する形となり、週末の東京での仕事はお休みに。また予定をしていたイベント等もキャンセルとなり、ほぼ毎日、家で掃除・洗濯・料理を繰り返す日々に。

 外に出るのは近所のスーパーだけという日々で当初は鬱々とする日もあったのですが、気づけば食のレパートリーも増え、野菜中心の健康的な食事メニューに。運動不足な割には体は軽やかで体重増もない状態。ゆえに、改めて食の大事さにも気づきました。

 また以前からやらなければいけないと思いつつ後回しとなっていたのが、新しいパソコンの購入。15年以上使い続けたパソコンは、すでにサポートが終了し、最近ではメールの受信はできても送信できず、この原稿においても先月はラインで写真を撮って送る形に。周囲にも迷惑をかけた状態に加え、今後、子供もオンライン授業となれば必要になってくることもあるので、チェンジしたことで、気持ち的にも安心、余裕がうまれました。

 少しかけ離れた話となるかもしれませんが、25歳の時に病気で車イス生活となった知人女性が以前に、「49歳となった今でも足が動かなくなったことに納得はしていないけど、失ったものを嘆くより、今、あるものを大切に生きていくことにしている」と話されており、今も様々なことに意欲的に活動。

 全国を飛び回るだけでなく、海外にも積極的に足を運び、パラリンピックの普及に尽力を注がれています。

 今年の2月上旬あたりに仲間数人でご飯を食べた際も、1人で車を運転し颯爽と現れ、数週間前に行ったバングラディッシュの話をされていました。

 今、コロナによって以前のような生活ができない状況下をどう捉えるのか?は自分の心持ち次第で変わることも多いのかもしれませんね。と同時に仮に終息したとしても、以前と同様とはいかないように思えますし、逆に、(喉元過ぎれば熱さを忘れる)となってしまえば、今回失ったものから得られた大切なことが残らず、最も残念な形となってしまうようにも思え、私自身、今回のことで省みたことは忘れないように留めておかなければいけないと感じています。

 さて話は変わり、今年に入ってからの松山弘平騎手の活躍が際立っていますが、常に馬の気持ちに寄り添いながら物事を判断する性質と、温和でオットリとした喋り口調は、デビュー当時から何一つ変わらない松山騎手。こういった心がかき乱されやすい時期だからこそ、彼のような温度差のない心の歩みが、最大の武器となるようにも。松山騎手には、いろいろな意味で、シンの強さを感じます。

 それではまた来月お目にかかりましょう。

 ホソジュンでしたぁ。
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