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第130回 2021年の取り組み方 ~回顧番組から学べること~

2021.01.15
あけましておめでとうございます。

 昨年は新型コロナウイルスにより、様々なことが変化をし、今もなおその影響は続いていていますね。

 当初の自粛ムードから徐々に変化をし、今はコロナとどう共存していくかが問われ、人それぞれに物の考え方や状況の違いから意見が分かれるところも...。

 そしてその違いが差別や区別を生み、人間関係が残念な方向へと向かってしまうという話も耳にします。

 私はかれこれ20年近く、競走馬を育てる方々を中心に取材をしてきたのですが、最近、強く感じることの1つが、例えば馬がとった1つの行動に対して、AさんとBさんでは解釈が違い、その解釈が違うことで馬に対してのアプローチが変わり、それが競走馬の性格や競走成績にも大きな違いとなってくるのではないかということ。

 これが何だか、得体の知れないコロナウイルスに対しての人々の在り方と、とても似ているように思え、最終的には自分自身の考え方や捉え方が日常生活において非常に大事なように感じています。

 よって2021年は、そのことを頭に置きながら、過ごしていこうと考えています。

 さて話は変わり、昨年、グリーンチャンネルにおいて、年末に行われたジャパンカップと有馬記念を、元騎手である佐藤哲三さんと共に、小堺翔太さんの司会で振り返る番組に参加しました。

 これまで数多くの予想番組はあっても、その日の夜にレースを振り返るプログラムは少なく、以前から、こういった番組があればいいのになぁ~と思っていたところ、お声がかかり出演。

 特にJCにおいては、アーモンドアイの国枝調教師がスカイプで、デアリングタクトの杉山調教師が電話出演されるという流れに。

 アーモンドアイに関しては、史上初となる9つのGⅠレースを獲得できた要因に、調教に跨ってルメール騎手が感じたメンタル面を考慮しての話し合いの中で行われた調教・調整状況などもあげられていました。

 考えてみれば、ロードカナロアの牝馬がマイルから2400mのGⅠを勝利。

 自在性なくしてはありえない背景には、単にルメール騎手の折り合い面での巧さというだけではなく、陣営としっかりと話し合いが行われた中で歩まれた過程があってこそだと感じ、改めて中身の濃い、価値あるGⅠ・9勝だと感じるものでした。

 と同時に、負けはしましたがデアリングタクトの杉山調教師も、初めてレースにおいて最後、内にもたれた理由を、「松山騎手とも話をしたのですが、道中、これまでとは違い、息が入り、たまるような流れではなかった。それがあったからなのかもしれないし、もしくは距離のことも今後のレース次第で見えてくることがあるのかもしれない。様々なことを考えながら、調教においても考えていきたい」と、冷静に分析・判断をされていました。

 1つのレースで見えてきたものを、あらゆる角度から分析される杉山調教師。このあたりが、開業してすぐに無敗の牝馬3冠を誕生させる要因に思えましたし、レース後の、悔しさや疲れもあるところ、快く電話出演される人柄、そして理路整然と話される姿に、今後益々オーナーからの人気や信頼は高まり、さらなる管理馬の活躍は間違いないと思えました。

 そしてさすがGⅠを勝たれてきた佐藤哲三元騎手。予想そのものではなく、1週毎、いや直前に変わる馬場状況の分析を、予想する上で誤ったと話されており、JCのレース後、ルメール騎手の「1週前の馬場だったら、キツカッタと思う」と話す内容と意見が重なるもので、私自身も学ばせてもらう機会となりました。

 それでは皆さん、また来月お目にかかりましょう。

 ホソジュンでしたぁ。
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