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第141回 2021年を振り返って ~道を究めた方々が指摘される時代の相違~

2021.12.20
 今年も残すところ、あとわずかとなりましたね。2021年もコロナ禍の影響で、何かと我慢や規制のかかる中での日常ではありましたが、12月ともなると不思議なもので、例年通り、1年があっという間だったようにも...。
 特にこの1年私は、仕事を通して様々な分野の方との出会いがありました。

 俳優・女優・芸人・元競輪選手・オリンピック選手・AV男優など、あらゆるジャンルの方々との対談が行われ、その都度、刺激を頂いたことも時の流れの早さを感じる要因だったように感じます。

 騎手引退後、競馬番組のゲストに始まり、コラム、ナビゲーターに解説、小説、ナレーション、司会、声優に至るまで、様々なお話を頂き、その都度、自分なりに向き合ってきましたが、今でも1番苦手というか、仕事終わりに落ち込む度合いが高いのが、インタビュア―的な要素が大事となる対談や司会者。

 何度チャレンジしても、(もっと聞くべきことがあったのではないか?場は盛り上がったのだろうか?相手に失礼はなかったのか?)など、相手ありきの水物ゆえ、未だに凹み、私にとって非常に怖いものとなっています。

 しかしその一方で、その道を究められた方々の話は実に興味深く、物事に対する見方が広がることや、競馬との共通点、生きる上での人として大切なことを学ばせてもらう機会となっています。

 しかも不思議なことに、職種は違うのですが、なぜか一昔前と今における物事への取り組み方の相違を指摘する意見が聞かれ、これは一般的に、どの時代でも言われてきた、(最近の若者は~云々)といったフレーズに近いものなのか?とも一瞬思うのですが、実は、この背景には文明の発達と共に、様々な面で科学的な技術が向上していることが大きな要因と思えるのです。

 例えば競輪で言えば、元選手の鈴木誠さんは、「とにかく自転車に乗る。それが基礎なのに、今の子は体幹トレーニングが主体となり、あまり多くの時間を自転車に乗りたがらない。でも地道なトレーニングがあってこそ、大きな基盤がうまれると思う」と話されていましたし、クライミングにおいては、今年のオリンピックで銅メダルを獲得した野口啓代さんが、「私が子供の頃はとにかくガムシャラに登っていた。それが今は、登る前に、体幹のトレーニングを行い、その点を身につけてからスタートとなることも...。もちろん科学的なことも大事なのだけれど、基本は登ること。自分自身の感性や感覚の積み重ねこそが、いざという時に大きな力となると思う」と。

 今、競馬の世界においても、バランスボールの上でモンキー姿勢をとるなど、生徒たちの体幹は素晴らしく、腕立てやマラソンといった原始的なことをしていた私たちの時代とは違い、理にかなったものに。羨ましく感じる一方で、大ベテランの方々から聞こえるのは、「それも良いけど、やはり1番は、調教に数乗ること。1頭でも多く馬に乗ること。それが大事」と。

 何だかこれは、日常生活においても、また子育てをする上でもとても大事な話だと個人的には思っているのですが、皆さまは、どうお感じになられますか?

 さて、今年も1年間、ご愛読ありがとうございましたぁ。ステキな年末・年始をお過ごしください。また来年も、引き続きお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

 ホソジュンでしたぁ。
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