JBIS-サーチ

国内最大級の競馬情報データベース

第151回 様々なアプローチを感じる2022年凱旋門賞 ~藤田菜七子騎手の功績により~

2022.10.18
 この原稿が掲載される頃には、2022年の凱旋門賞の結果がでていることでしょう。
 今年は日本から4頭が参戦。これまで日本馬が挑んできた凱旋門賞と大きく違う点と言えば、先行して自分たちのペースに持ち込みそうなタイトルホルダー・スティフーリッシュ、そして早めに動きにいきそうなディープボンドと日本馬3頭が前半の流れを作りそうな展開。

 そして、それら3頭とは別に、後半戦にかけるドウデュースとなり、ペースと展開の2軸でチャンスを伺うメンバー構成に思えます。その分、レースの見方次第では、大きなチャンスがあると思える一方で、ただこのレースにおいては、展開云々といった、机上の戦略だけでは通用しないところもあると感じており、どのような結果となるのか?いや、なっているのか?レースの運び&内容も含めて、結果が気になります。

 言うまでもなく、こんにちの日本馬のレベルは、生産界の尽力により世界トップレベル。

 でも、この凱旋門賞はスピード競馬を求めてきた日本競馬とは相反するものが重要となり、その差をポテンシャルだけではカヴァーできなかった部分が、近年の課題として残っているようにも...。

 その一方で、強い馬作りを目指し、血統や人、調教施設など、様々な面で改良を重ね、世界に通用する馬作りを目指していた時代に、エルコンドルパサー(USA)のような、長期スパンで挑み、世界からも賞賛される結果を残した過程も持っており、個人的には、その両者を兼ね備えた人馬での凱旋門賞参戦を見てみたい思いもあります。

 さて話は変わり、女性騎手・今村聖奈ちゃんの活躍により、藤田菜七子騎手のデビュー時ほどとはいかないものの、ニュース番組や雑誌、新聞等からの取材が入ります。

 菜七子ちゃんの時にも感じたのですが、騎手として貢献できなかった私が唯一、競馬の世界に恩返しができるとすれば、競馬と普段接点がない方々へ競馬の存在を知ってもらえる手助けをすること。

 よってそれらの依頼は、ほぼほぼ断らないようにしているのですが、6年前の菜七子ちゃんの時と明らかに違うのが、状況説明をしなくていい点。

 あの当時は、騎手の職業とは?どうやって騎乗馬が決まるのか?どのような過程を経て騎手になれるのか?調整ルームとは?といった、そもそもの質問が多く、1からの説明に1社30分~1時間の電話対応も。

 それが今回に至っては、今村騎手そのものと、女性騎手に対する今後の可能性的な目線が多く、至ってシンプル。

 この背景には、菜七子ちゃんの活躍により、競馬の知名度や認識度が上がったこともあるように思えますし、女性騎手4キロ減スタート&永遠の2キロ減など、藤田菜七子騎手の歩みと頑張りが、今の今村聖奈騎手の活躍に繋がっているように思え、改めて菜七子ちゃんの功績は大きいなぁ~と、今回の取材の背景から感じました。

 それでは皆さん、また来月、お目にかかりましょう。

 ホソジュンでしたぁ。
トップへ