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第31回 やっぱりサンデー!?

2011.07.14
 競馬の祭典日本ダービー。毎年のように胸躍らせながら,金曜日に刷り上がった前日版の柱を眺めていると,ふとあることに気付いた。
 「全部サンデーじゃん」
 第78回東京優駿(日本ダービー)。
1 1 ウインバリアシオン(父ハーツクライ)
  2 サダムパテック(父フジキセキ)
2 3 オールアズワン(父ネオユニヴァース)
  4 リベルタス(父ディープインパクト)
3 5 オルフェーヴル(父ステイゴールド)
  6 クレスコグランド(母マンハッタンフィズ)
4 7 ベルシャザール(母マルカキャンディ)
  8 フェイトフルウォー(父ステイゴールド)
5 9 コティリオン(父ディープインパクト)
  10 ナカヤマナイト(父ステイゴールド)
6 11 デボネア(父アグネスタキオン)
  12 エーシンジャッカル(父フジキセキ)
7 13 ロッカヴェラーノ(父マンハッタンカフェ)
  14 ショウナンパルフェ(父アグネスタキオン)
  15 トーセンラー(父ディープインパクト)
8 16 トーセンレーヴ(父ディープインパクト)
  17 ユニバーサルバンク(父ネオユニヴァース)
  18 ノーザンリバー(父アグネスタキオン)

 以上18頭の父または母がサンデーサイレンス(USA)産駒という,恐ろしいレースとなった。惜しくもクレスコグランドの父タニノギムレットはブライアンズタイム(USA)産駒,ベルシャザールの父キングカメハメハはKingmambo(USA)で父系完全制覇とならなかったところが惜しい?といえば惜しいが,上記の通り,編集部内でも「なんかおっかない」とか,「これはちょっと......」という感想が聞かれるぐらい,なんとなく不気味なメンバーであった。

 結果はご存知の通り,皐月賞馬オルフェーヴルが1番人気に応え快勝。2着は10番人気のウインバリアシオンがインコースをすくって,そこから7馬身離された3着に8番人気のベルシャザールという結果だった。

 全18頭,父系に限っても16頭というのは聞いたことがない。この手の原稿を得意としている弊社柏木集保に聞いても,「ここまでのは記憶にない」と言う。

 試しに調べてみたら,例えばメリーナイスが勝った1987年のダービーは,出走24頭中,父がNorthern Dancer(CAN)直仔という出走馬は7頭であった。その春にNorthern Dancerが種牡馬を引退した年でもある。

 翌1988年には,Northern Dancerのひ孫も登場し,24頭中11頭がいわゆるノーザンダンサー系であった。85年のシリウスシンボリから88年のサクラチヨノオーまで,4年連続ノーザンダンサー系種牡馬産駒の日本ダービー制覇。ちなみに,サンデーサイレンス産駒は日本ダービーを6勝しているが,連覇は3が最高であった。もちろん,サンデーサイレンス自体が日本に居たのと,Northern Dancerの仔を買ってきたという違いがあるから,純粋に比較は出来ないのだけれど,その血の広がりと強さには正直驚いている。

 参考までに,6月6日から1週間,地方競馬でダービーWeekが行われた。佐賀の九州ダービー栄城賞は,ノーリーズン産駒のコスモノーズアート。7日の北海優駿は,カコイーシーズ(USA)産駒のピエールタイガー。8日の東京ダービーは,ワイルドラッシュ(USA)産駒の牝馬クラーベセクレタ。9日園田の兵庫ダービーは,キングヘイロー産駒のオオエライジン。ここまでサンデーなし。そして,10日名古屋の東海ダービーは,サンデー産駒ブラックタキシード産駒のアムロ。13日盛岡の岩手ダービーダイヤモンドカップも,サンデー産駒サクラプレジデント産駒のベストマイヒーローがそれぞれ制している。ダービーWeekではないが,18日高知の高知優駿は,キングカメハメハ産駒のシャイニーフェイトが制している。

 地方競馬のサンデー種牡馬と言えば,エイシンサンディやスリリングサンデー,ブラックタキシード,ニューイングランド,ゴールドヘイロー,最近ではスパイキュール産駒をよく見かけるが,JRAほどではないにしろ,確実に'オールサンデー'化の波は来ている。

 折しもPOGドラフトシーズン。この結果を見れば「やっぱりサンデー」は仕方のないところか。
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