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馬ミシュラン

小山内完友 馬ミシュラン

第72回 『シューカツ』

 この号がお手元に届いている頃には、もう最終面接も、内定も出ているだろうから、ここに記す。今年も採用の季節がやってきた。今年は2回に分け、春季と秋季に行った。個人的には秋季だけで十分だと思っていたが、T所チーフが「どうしても春季もやりたい」と言うので、仕方なく「やりたければどうぞ」と投げた。

 案の定、結果は惨憺たるものだった。予算を使い情報誌に掲載した挙句、応募は0。しかも募集方法が近隣だけという、意図が不明な要件。さすがに社内からも「おかしい」という声が上がる。あせったT所チーフは、掟破りの自社媒体への掲載。しかも、地方版を統括する筆者に断りもなくこっそりと告知文のデータを突っ込もうとする悪行を働いたのである。もちろん未然に防いだわけだが、実に小賢しい(笑)

 通常、こういった内部事情は表には出さないが、採用担当のひとりとして、これだけはどこかに残して「総括」せねばなるまい、と思ったわけである。でも言うほどは怒ってはいない(笑)

 世間一般の採用は毎年異なるが、2014年の場合は12月1日から説明会、4月1日から選考というのが表向きの流れ。実際は3年生、早いところだと2年生からインターンという形で採用活動が始まっている。それに比べれば弊社の場合はのんびりムード。業界的にもターゲットとして絞られやすく、同業他社も相次ぐ専門紙の休刊により即戦力が得られやすい状況で、新卒採用には向かわなかったようだ。比較的人員の充足率が高いのだろう。弊社の場合もダービーニュースから2名補充したが、それとは別に2013年も新卒の採用活動を行った。震災による大ダメージを受けた2011年を除き、これは毎年行っていて、どの世代にもチャンスを与えるように心がけている。

 筆者が春採用にさほどこだわらなかったのは、時季的に就職活動のハイシーズンと真っ向勝負しても意味がないと考えたし、就職情報会社からも同様のアドバイスがあった。競馬新聞の記者になりたければ、その気があれば内定があろうがなかろうが門を叩くだろうし。あるいは、就職活動の荒波に揉まれて、敗れて、疲れ果てた時にひょっこり見つけたおもしろそうでおかしな会社の募集があったので、試しに受けてみるか。それでいいのではないかと思っている。ま、実際偉い人自らインフルエンザに罹患して、「来るな」って言っているのに(責任感からか)来ちゃって、挙句社員にうつして自分はスッキリという乱暴な会社である。おかげでインフルエンザの予防接種は会社が全額負担するようになり、福利厚生が少し充実した。万事においてそんな感じなので、上記の自己評価は間違いではないと思う。

 今年の採用状況は「売り手市場」で、夏には内定率ベースで6割の学生が内定を持っていると言われ、夏から本格化する中小企業には人材が回らないのでは、と言われていた。実際のところは例年同様、ひとりが複数の内定を持っているという状況には変わりがないようである。そんな中でスタートした秋季採用であるが、やはり売り手市場だけに、思っていた通り応募数自体は少なかった。大方手仕舞いしたのだろう。しかし、例年よりも学生さんの粒が揃っていた。

 筆者の場合は面接と作文重視だ。最初に彼らと会う時は、経歴も何も一切知らない。全くの白紙の状態で彼らと向き合うようにしている。面白い話もするし、脱線もする。そういった流れの中で反応を見る。面白い話をした後は「ネットに書いちゃダメだよ」と付け加える。もちろん、この業界が置かれている厳しい現状も話す。ちなみに、T所チーフは徹底した経歴重視だ。恐らく、それでバランスが取れているのだろう。

 前述の通り、今年は粒が揃っている。恐らく既に内定を持っている学生さんも多いと思われる。内定辞退は少ない方だが、これまでも無かった訳ではない。出来れば仲間として一緒に働いてもらいたいが、内定を出してからの選択権は彼らにある。募集、応募、選考、入社決定まで、攻守がコロコロ変わる。この辺も採用担当の面白いところである。決まったら保険や年金などの手続きがあり、そこでようやく打ち上げだ。

 最後に今年の作文のお題。「シューカツ」。
 果たして自分はどうだったか?人生の大きなターニングポイントであるにもかかわらず、先月号同様、思い出せないのだった。やばい。