馬ミシュラン
第76回 『春はお別れの季節です。』
2015.04.20
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3月17日、平成26年度第4回、第5回の調教師・騎手免許試験の新規合格者が発表された。3月31日付けの第4回は、有名どころでは岩手の小林俊彦騎手や兵庫の松浦聡志騎手が調教師試験に合格、福山競馬廃止後に大井へ移籍し、2013年の12月13日付けで引退し、佐賀で厩務員として1年過ごした三村展久厩務員が、騎手試験に合格している。
岩手の小林俊彦騎手といえばモリユウプリンスだろう。ライバル菅原勲騎手が乗るトウケイニセイを破ったみちのく大賞典は、個人的ベストレースである。岩手競馬リーディングジョッキー5回、通算3700勝以上(本稿執筆時点でまだ更新可能)を挙げた、文句なしに「岩手の名手」である。今後は調教師として活躍馬を送り出してくれることだろう。
三村騎手は2010年に船橋所属として南関東地区で期間限定騎乗し、前半は乗り馬に恵まれなかったが、最後は好騎乗を見せていた。その後まさか大井に移籍するとはその時は思いもしなかったが。大井の水は合わなかったかもしれないが、まだ30歳。新天地で更なる活躍を期待したい。
4月1日付けで発表された第5回からは、9人の騎手と7人の調教師が新規に合格した。
新規調教師試験に合格した船橋の山下貴之騎手の29歳はさすがに驚いたし、川崎の佐藤博紀騎手もかなりのベテランだと思っていたら、実はまだ35歳と若かった。南関東の場合、的場文男騎手、石崎隆之騎手、森下博騎手など50代の超ベテランジョッキーがまだまだ健在だけに錯覚してしまう。
同じく新規調教師試験に合格した船橋の山田信大騎手もそうだ。新潟県競馬でデビューし、スターライフなどで活躍していた頃はまだ若手だったのかと、改めて自分が歳をとったことを実感する。2002年に新潟県競馬が廃止となり、船橋競馬へ移籍。思い出深いのはトキノコジローで制した羽田盃だろうか。本稿執筆時点で通算1613勝。南関東に来てからは、重賞など大舞台での活躍は少なくはなったが、追い込みが決まった時の鮮やかな勝ちっぷりは印象に残っている。
そして張田京騎手も新規調教師試験に合格、騎手を引退することとなった。
張田京騎手といえば端正なマスクで女性を中心にファンが多く、50歳となった今でも、その人気は衰えない。取材よりもむしろ雑談だとか、喫煙所での立ち話で話すことの方が多かったように思うが、飄々とした感じで結構面白い事を話す。
2013年に長男の張田昴騎手が、紆余曲折を経て25歳でデビューし、近年は体調不良で数ヵ月ほど休むことも度々あり、もうボチボチかなという空気ではあったが、まだなんとなく「張田京調教師」というイメージは沸かない。
騎手としては本稿執筆時点で通算2597勝、重賞勝ちはインテリパワーで制したGI川崎記念や、アトミックサンダーで制した東京ダービーなど65勝。最近でも金盃を連覇し、長丁場の大井記念を勝ったトーセンルーチェでベテランらしい味のある競馬をみせてくれたり、急遽乗り替りとなった報知オールスターカップのオオエライジンをそつなく乗って勝利に導いたり、はたから見ればまだまだやれそうに思えるが。
今後は「張田先生」として活躍されることを願っている。
去るひとがいれば、来るひともいるのが春である。前述の通り9人の若者が騎手としてデビューする。南関東では船橋に臼井健太郎騎手(凾館一昭厩舎)と林謙佑騎手(伊藤滋規厩舎)、大井に藤本現暉騎手(蛯名雄太厩舎)の3名。
臼井騎手は競馬ファンだったお父さんの影響で競馬が好きになり、騎手を目指したとのこと。大井の藤本騎手もどうやらお父さんが競馬ファンのようだ。林騎手はあの桑島孝春元騎手(現参与)の勝負服を継承するという。相当のプレッシャーだと思うが、いつの日か「桑島騎手の勝負服」ではなく「林謙佑騎手の勝負服」と言われるような活躍を期待したい。
また、厩務員から調教師補佐に、調教師補佐から調教師へとなられた方々の中にも、著名馬を担当されていた方も多く、今後のますますのご活躍を期待したい。皆様、おめでとうございます。
そういえばもうひとり、この春でお別れとなる騎手がいるが、今は触れないことにする。
岩手の小林俊彦騎手といえばモリユウプリンスだろう。ライバル菅原勲騎手が乗るトウケイニセイを破ったみちのく大賞典は、個人的ベストレースである。岩手競馬リーディングジョッキー5回、通算3700勝以上(本稿執筆時点でまだ更新可能)を挙げた、文句なしに「岩手の名手」である。今後は調教師として活躍馬を送り出してくれることだろう。
三村騎手は2010年に船橋所属として南関東地区で期間限定騎乗し、前半は乗り馬に恵まれなかったが、最後は好騎乗を見せていた。その後まさか大井に移籍するとはその時は思いもしなかったが。大井の水は合わなかったかもしれないが、まだ30歳。新天地で更なる活躍を期待したい。
4月1日付けで発表された第5回からは、9人の騎手と7人の調教師が新規に合格した。
新規調教師試験に合格した船橋の山下貴之騎手の29歳はさすがに驚いたし、川崎の佐藤博紀騎手もかなりのベテランだと思っていたら、実はまだ35歳と若かった。南関東の場合、的場文男騎手、石崎隆之騎手、森下博騎手など50代の超ベテランジョッキーがまだまだ健在だけに錯覚してしまう。
同じく新規調教師試験に合格した船橋の山田信大騎手もそうだ。新潟県競馬でデビューし、スターライフなどで活躍していた頃はまだ若手だったのかと、改めて自分が歳をとったことを実感する。2002年に新潟県競馬が廃止となり、船橋競馬へ移籍。思い出深いのはトキノコジローで制した羽田盃だろうか。本稿執筆時点で通算1613勝。南関東に来てからは、重賞など大舞台での活躍は少なくはなったが、追い込みが決まった時の鮮やかな勝ちっぷりは印象に残っている。
そして張田京騎手も新規調教師試験に合格、騎手を引退することとなった。
張田京騎手といえば端正なマスクで女性を中心にファンが多く、50歳となった今でも、その人気は衰えない。取材よりもむしろ雑談だとか、喫煙所での立ち話で話すことの方が多かったように思うが、飄々とした感じで結構面白い事を話す。
2013年に長男の張田昴騎手が、紆余曲折を経て25歳でデビューし、近年は体調不良で数ヵ月ほど休むことも度々あり、もうボチボチかなという空気ではあったが、まだなんとなく「張田京調教師」というイメージは沸かない。
騎手としては本稿執筆時点で通算2597勝、重賞勝ちはインテリパワーで制したGI川崎記念や、アトミックサンダーで制した東京ダービーなど65勝。最近でも金盃を連覇し、長丁場の大井記念を勝ったトーセンルーチェでベテランらしい味のある競馬をみせてくれたり、急遽乗り替りとなった報知オールスターカップのオオエライジンをそつなく乗って勝利に導いたり、はたから見ればまだまだやれそうに思えるが。
今後は「張田先生」として活躍されることを願っている。
去るひとがいれば、来るひともいるのが春である。前述の通り9人の若者が騎手としてデビューする。南関東では船橋に臼井健太郎騎手(凾館一昭厩舎)と林謙佑騎手(伊藤滋規厩舎)、大井に藤本現暉騎手(蛯名雄太厩舎)の3名。
臼井騎手は競馬ファンだったお父さんの影響で競馬が好きになり、騎手を目指したとのこと。大井の藤本騎手もどうやらお父さんが競馬ファンのようだ。林騎手はあの桑島孝春元騎手(現参与)の勝負服を継承するという。相当のプレッシャーだと思うが、いつの日か「桑島騎手の勝負服」ではなく「林謙佑騎手の勝負服」と言われるような活躍を期待したい。
また、厩務員から調教師補佐に、調教師補佐から調教師へとなられた方々の中にも、著名馬を担当されていた方も多く、今後のますますのご活躍を期待したい。皆様、おめでとうございます。
そういえばもうひとり、この春でお別れとなる騎手がいるが、今は触れないことにする。