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第119回 『消費税増税』

2018.11.26
 これまで2回延期された消費税10%への引き上げが、いよいよ来年10月に行われるらしい。今年と同じ日程と仮定すれば、せりならオータムセールから、新聞なら毎日王冠や京都大賞典の開催あたりから10%になるはず。もっとも馬や新聞だけでなく、あらゆるモノやサービスに課せられるだけに、その影響は軽視できない。
 世間一般は駆け込み需要で9月の売上が一時的に上がりそうだが、競馬専門紙は「生モノ」なので買いだめするわけにもいかないから、9月はまず上がらないだろうし、10月に落ち込むかどうかも(予想屋なのに)予想出来ない。

 ちなみに前回、5%→8%への引き上げ時は、税込価格の下一桁を0に揃えたため、端数分だけちょっぴり(ほんのちょっぴり)だけ浮いた、という話を当時の会社幹部から聞いた気がする。

 新聞は消費税軽減税率が採用されるというが、それは月極め契約(宅配)であって、有吉さんの会社は適用されるが、我が社には適用されないし、されようもない。仕入れにかかる消費税分はお客さんから預かった消費税分から経費、仕入れにかかった消費税分を引くだけなので、基本的には何も変わらず、消費税分だけ新聞の税込代金が上がることになる(はず)。

 ここにきて、現金を使わないキャッシュレス決済を利用した際に2%還元することを検討している、というニュースが。

 ここで言うキャッシュレスとは、日本経済新聞の用語解説によると、
(1)あらかじめ入金する「プリペイド」(前払い)
(2)デビットカードやQRコードなどで預金口座から直接引き落とす「リアルタイムペイ」(即時払い)
(3)クレジットカードに代表される「ポストペイ」(後払い)
 以上が主に該当するものらしい。

 馬代金の決済がキャッシュレスで行われているかどうかは良く知らないが、少なくとも競馬専門紙の場合(急に単価が下がって申し訳ない)、既にコンビニや駅売店などでは行われているものばかりである。ただ、それが該当するのかどうかもまだ分かっていない。

 仮に該当するとなると、市中のコンビニ、駅売店で買うと2%還元で、競馬場、場外周辺の専門紙発売所で買うと現金のみなのでポイント無し、という現象が生ずることになる。今でもネット版は売り場によってはポイント還元が発生しているので、大騒ぎすることでもないのだが、現場は直売なので、さらに市中に流れるようになると痛い。

 今ちょうどテレビでヘリに乗った外人がカード決済出来ないか尋ねているCMが流れているが、カード決済や電子マネー決済できるEC決済サービスはこれまでも沢山(でもないけど)あって、資料を取り寄せて導入を検討したことが何度もあるのだが、いろいろ課題があって検討中のままだ。電源や通信はなんとでもなるのだが、やっぱり手数料の心理的壁(笑)は高く大きい。なかなか理解を得られない部分である。

 この分野は次々と新たな決済方法が現れ、それを追いかけるように対応する必要がある。カードは読み取って暗証番号。ICカードはリーダーでピッとやるだけだが、交通系等各種ある。さらにスマホの画面に表示した3次元バーコードの読み取り。基本的には採用したEC決済サービス側で対応してくれるのだが、さて利便性の向上によってどれだけの売上が見込めるのか、全く予想出来ない(予想屋なのに)。

 この手のものに敏感な若手には「ウチは遅れてますよね」と言われ、上層部は諸々に難色を示し、これに挟まれた中間管理職は非常に切ない。思えば未だにバーコードすら入れられてない。基本的にはバーコードが枯渇しているからだと説明はされているが、かつてのように各社鎬を削って同じ価格を維持していた時代と違い、今は価格も体裁も各社バラバラで、しかもコンビニエンスストアには外国人店員が増えている。バーコードがないから店員も覚えるしかなく、嘘か本当かわからないが、時々「日刊競馬を130円で買った」とかいう声も耳にする。

 実はこの業界、まだ手を付けていない分野が沢山ある。ネット版やコンビニプリントサービスにより全国津々浦々まで行き届くようになったのは、ここ数年のことで、まだ手に取ったこともない人が沢山存在する。

 良く言えば伸びしろがまだある、悪く言えば旧態依然としている、とも言えるのだけれど。
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