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馬ミシュラン

小山内完友 馬ミシュラン

第161回 『スムーズな進行』

 「新型コロナウイルス下での生活」もまる2年が過ぎ、1日の新規感染者数や死亡者の数も、以前なら挨拶のように「昨日○○人だってね、だんだん増えているね」というようにほぼ毎日の話題となっていたが、最近では日常的な会話にもあまり上がることはなくなってきた。

 主催者は相変わらず売上絶好調で、先日行われた船橋のマリーンカップは、1,038,347,200円の売得金額を記録。これまでの同レースの最高売得金額が736,080,300円だから、前年比1.41倍!「売り上げの伸び」と言えるのはだいたい3〜10%ぐらいで、40%の伸びは、いまだバブルに近い状態の中にいるのではないかと推測する。

 レースはショウナンナデシコが圧勝した。おそらくこの馬が今年の牝馬ダート路線を牽引していくものと思われるが、当日競馬場で写真を撮っていて気づいたのは、1着から最下位までの着差が大きかったこと。

 カメラマンは基本的に最下位の馬が入線するまでは、立ち上がったり、移動したりしてはならないことになっているが、今回は長く感じられた。1着ショウナンナデシコが入線してから、最下位のアウティミアーが入線するまで9秒。着差にすると約45馬身である。

 待ち切れなくて、腰を上げかけたカメラマンが何人もいて「まだまだ!」と声を掛けられていた。試しに過去20回を調べてみたら、9秒は同レースの最高着差記録であった。2位は2008年の8.7秒、3位が2017年の7.2秒。平均で約4秒といったところだ。

 この春から宮城県産の山砂にかわり、砂厚も10センチから12センチに増した。入れ替わり当初から約2〜3秒時計が掛かるようになり、これまでよりパワーを要求される馬場に変わったが、ショウナンナデシコは良馬場1分41秒3と、これまでの勝ちタイムとほぼ変わらない時計をマーク。8馬身差2着のサルサディオーネが1分43秒0で、これが馬場を考えると標準的な勝ちタイムと予想されていたことからも、この勝ち時計が驚異的なものであることがわかる。

 この開催、新スタンドA棟のオープン2開催目ということもあり、場内は盛況だった。

 現在南関東の各競馬場は概ね5,000人を上限に、当日申し込みで入場できるようになっている。(川崎競馬場は事前予約制で約1,400人だが、5月からは拡大する予定)。

 5,000人というと少なく聞こえるかもしれないが、コロナ前、近年の南関東で5,000人を上回る日は少ない。超えるのは重賞開催日やイベント開催日ぐらいだから、概ね普通に戻ったと言えるが、無料バスの運行が一部再開されていなかったり、感染リスクを懸念する心理だったり、在宅投票が当たり前になったりで、おそらく以前のようにお客さんが戻ってくることはないのではないか、と悲観的な予測をしている。

 主催者側もオンラインに力を入れていて、場内施策は感染のリスクを減らす等々の理由で、口取り写真撮影や、表彰式など現場の進行をコンパクトにする傾向がみられるようになった。

 例えば船橋競馬場はスムーズな進行を行うために、口取り写真の撮影を5分に限定するようになった。個人的には大賛成であるが、「はいどうぞ」と係員に言われて撮影位置の馬場内に入っても、馬主さんや調教師がなかなか現れず、計ってみたところトータル7〜8分程度だった。そのうち撮影時間はいつも通りに撮って3分。おそらくこれまでも、始まるまでの時間が長かったのではないかと思われる。その部分の短縮がカギかも。

 馬主席から撮影場所までの導線確保は全面完成すれば解決するとして、参加人数が多い場合はなかなか並びが決まらないし、馬主さんの誘導など、仕切りは我々に権限はなく、やはり競馬場側が段取りしてくれないと難しい。

 大井や浦和は、格好よく撮ってもらおうと競馬場の職員がきっちり仕切っている。ただし、きっちり仕切っているからと言って時間が短いかというとそうでもなくて、むしろ船橋よりも長い。そこは導線だとか、参加人数だとか、様々な個別の要因が考えられるのだが、決まりとして時間を定めても、現場はなかなかその通りに進行するとは限らないのが現実だ。

 競馬中継に出演していると、表彰式で行われるジョッキーインタビューの映像が間に合うかどうかとかで番組進行が違ってくることを何度も経験しているので、周辺への影響も含め、個人的にはスムーズな進行には協力したいとは思っている。