馬ミシュラン
第167回 『悲願達成ならず』
2022.11.25
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「やっぱり勝てんかったかぁ」。馬群にのみ込まれるタイトルホルダーをテレビで観ながら思わずため息。
今年凱旋門賞に参戦した4頭は、タイトルホルダー11着、ステイフーリッシュ14着、ディープボンド18着、ドウデュース19着。
直前に強い雨が降り、馬場はさらに悪化、というか日本勢には不利な馬場状態に。ただそれを嘆いたところでどうしようもない。横山和生騎手は「慣れが必要」と言い、矢作調教師は「四輪駆動を連れてくる」と。
様々な立場の方のレース回顧も読ませてもらった。ペース、展開、入り口はそれぞれだが、今年の結論は馬場状態に集約されたように思った。
日頃あまり日本馬を買わない筆者だが、珍しくタイトルホルダーから買っていた。やはりSadler's Wells(USA)の血が入っているのは魅力だった。ほぼそこだけに賭けたと言ってもいい。
結果は1着-11着、2着-11着、3着-11着(以下続く)だったのだが、大雨が降ってきた時点である程度覚悟していたのか、特に心のダメージはなかった。むしろスプリンターズステークスをウインマーベルのアタマで買って、クビ差ジャンダルム(USA)を交わせなかった方がダメージ大だった。九州ジュニアチャンピオンとダービーグランプリはキッチリ取って、めでたく凱旋門賞に参戦出来たのだが、結局取ったり取られたりの繰り返しで、馬事、畜産振興に貢献した。
毎年のように言われているし、先月号でも触れた臨戦過程。ドーヴィル大賞を叩いたステイフーリッシュやニエル賞を叩いたドゥデュースの結果や、昨年フォア賞に勝ち、本番14着となり、今年はぶっつけで臨んだディープボンドの結果から、今年も、ベストの臨戦過程は相変わらずではあるが見えてこない。
高低差の大きいコース、振れ幅の大きい天気と馬場状態、読みづらいペース。競馬では当たり前の事だが、あらゆる事態を想定して、様々なタイプの馬を連れて行って、出走出来うる限り束で挑むしか今のところないような気がする。
話はそれるが、フランスギャロは出走各馬のトラッキングデータを成績に掲載している。各馬のラップタイム等が分かってひじょうに良い。これは日本の主催者にも導入して欲しい。
重賞レベルのレースは別として、かつては11着以下の馬は「完走」とだけ発表されていた。フランスからの遠征馬(たしか中山グランドジャンプだったと記憶している。違ったらごめんなさい。)の平場の着順やタイムが分からず、成績通り「完走」とだけ掲載したらお客さんから「日刊競馬はフランスの成績が分からないのか!」などと読者様より苦情が来たりしたものだ。
今ではネットでレースも観られるし、トラッキングデータが発表されていれば、動画でストップウォッチを回して、果たして合っているのか微妙な前半タイムを計測することもなく、海外の馬柱を作る環境はかなり良くなった。
もちろんオーストラリアのように、中2日で出走されたりすると、新聞の制作スケジュール的に間に合わないので、メルボルンカップの馬柱は新聞に載せられなかったりと、日本との違いに翻弄されることも多々あるのだが。
話は戻る。グリーンチャンネルの中継で、時々映るパリの街を観て、先月号でネタにしたうちの奥さんが、「パリまた行きたいなあ、ドゥマゴ美味しかったよねえ」とか言う。
筆者的にはそんないい舌を持っていないので、その奥にあるブラッスリーのオムレ(オムレツ)好きで毎日行っていた。超有名(らしい)なパン屋さんのパンを食べても「おいしい」以外の返事が出来ない味覚と語彙力の無さは、今でも大変申し訳なく思っている。
一緒に中継を観ていた美術館、博物館大好きな娘に、ルーブルやオルセーに行ったか聞かれて、父は毎日競馬場、母は毎日食事とショッピングで行ってない、凱旋門とエッフェル塔と、名前は忘れたけど割と有名なレストランには行ったと言ったら「馬鹿じゃねぇの」くらいの勢いで詰られた。毎日前は通ってたんだけどねえ。
久しぶりにパリに行きたくなったが、コロナウイルスの状況もあるが、年間を通してほぼ毎日入稿しなければならない仕事があったりするので、おそらく当分は行けそうもない。仮に行けたとしても、多分また毎日競馬場に行ってしまうような気がする。そしてその年に悲願達成となれば、一番いいんだけど。
今年凱旋門賞に参戦した4頭は、タイトルホルダー11着、ステイフーリッシュ14着、ディープボンド18着、ドウデュース19着。
直前に強い雨が降り、馬場はさらに悪化、というか日本勢には不利な馬場状態に。ただそれを嘆いたところでどうしようもない。横山和生騎手は「慣れが必要」と言い、矢作調教師は「四輪駆動を連れてくる」と。
様々な立場の方のレース回顧も読ませてもらった。ペース、展開、入り口はそれぞれだが、今年の結論は馬場状態に集約されたように思った。
日頃あまり日本馬を買わない筆者だが、珍しくタイトルホルダーから買っていた。やはりSadler's Wells(USA)の血が入っているのは魅力だった。ほぼそこだけに賭けたと言ってもいい。
結果は1着-11着、2着-11着、3着-11着(以下続く)だったのだが、大雨が降ってきた時点である程度覚悟していたのか、特に心のダメージはなかった。むしろスプリンターズステークスをウインマーベルのアタマで買って、クビ差ジャンダルム(USA)を交わせなかった方がダメージ大だった。九州ジュニアチャンピオンとダービーグランプリはキッチリ取って、めでたく凱旋門賞に参戦出来たのだが、結局取ったり取られたりの繰り返しで、馬事、畜産振興に貢献した。
毎年のように言われているし、先月号でも触れた臨戦過程。ドーヴィル大賞を叩いたステイフーリッシュやニエル賞を叩いたドゥデュースの結果や、昨年フォア賞に勝ち、本番14着となり、今年はぶっつけで臨んだディープボンドの結果から、今年も、ベストの臨戦過程は相変わらずではあるが見えてこない。
高低差の大きいコース、振れ幅の大きい天気と馬場状態、読みづらいペース。競馬では当たり前の事だが、あらゆる事態を想定して、様々なタイプの馬を連れて行って、出走出来うる限り束で挑むしか今のところないような気がする。
話はそれるが、フランスギャロは出走各馬のトラッキングデータを成績に掲載している。各馬のラップタイム等が分かってひじょうに良い。これは日本の主催者にも導入して欲しい。
重賞レベルのレースは別として、かつては11着以下の馬は「完走」とだけ発表されていた。フランスからの遠征馬(たしか中山グランドジャンプだったと記憶している。違ったらごめんなさい。)の平場の着順やタイムが分からず、成績通り「完走」とだけ掲載したらお客さんから「日刊競馬はフランスの成績が分からないのか!」などと読者様より苦情が来たりしたものだ。
今ではネットでレースも観られるし、トラッキングデータが発表されていれば、動画でストップウォッチを回して、果たして合っているのか微妙な前半タイムを計測することもなく、海外の馬柱を作る環境はかなり良くなった。
もちろんオーストラリアのように、中2日で出走されたりすると、新聞の制作スケジュール的に間に合わないので、メルボルンカップの馬柱は新聞に載せられなかったりと、日本との違いに翻弄されることも多々あるのだが。
話は戻る。グリーンチャンネルの中継で、時々映るパリの街を観て、先月号でネタにしたうちの奥さんが、「パリまた行きたいなあ、ドゥマゴ美味しかったよねえ」とか言う。
筆者的にはそんないい舌を持っていないので、その奥にあるブラッスリーのオムレ(オムレツ)好きで毎日行っていた。超有名(らしい)なパン屋さんのパンを食べても「おいしい」以外の返事が出来ない味覚と語彙力の無さは、今でも大変申し訳なく思っている。
一緒に中継を観ていた美術館、博物館大好きな娘に、ルーブルやオルセーに行ったか聞かれて、父は毎日競馬場、母は毎日食事とショッピングで行ってない、凱旋門とエッフェル塔と、名前は忘れたけど割と有名なレストランには行ったと言ったら「馬鹿じゃねぇの」くらいの勢いで詰られた。毎日前は通ってたんだけどねえ。
久しぶりにパリに行きたくなったが、コロナウイルスの状況もあるが、年間を通してほぼ毎日入稿しなければならない仕事があったりするので、おそらく当分は行けそうもない。仮に行けたとしても、多分また毎日競馬場に行ってしまうような気がする。そしてその年に悲願達成となれば、一番いいんだけど。