南関フリーウェイ
第130回 競馬で繋がる楽しい場所へ
夏競馬といえば周辺の名所を巡ったり、地元グルメを堪能したりするのも大きな楽しみ。福島も新潟もそれぞれの魅力を満喫した夏でしたが、今年は久しぶりに北の大地へ。6年ぶりに札幌競馬場に行ってきました。
酷暑の東京から向かった札幌はやはり過ごしやすい。この気候なら歩いて行こうと、札幌駅から徒歩で競馬場へ。以前歩いた道と同じコースを辿ってみると、6年という歳月は景観を変えるには十分な時間だったよう。競馬場最寄りの桑園駅周辺は、北海道新幹線に備えた工事現場となっており「この辺り、たしか素敵な花壇とお店があったな」と思い返してみたり、懐かしい雰囲気のお店が続いているのを目にして安堵してみたり。
そうこうしながら競馬場のスタンドが見えてくると自然と足早になり、久しぶりの札幌競馬場での時間を楽しむことができました。
この日、ふと気づいたこと。それはスマートシートの空間の広さ。中山競馬場や東京競馬場と比較すると、シートの足元、前の席との間隔が広く、ファミリー層やシニア層もゆったり寛ぎながら楽しんでいるという印象。「そのグッズがあれば、より快適に競馬を楽しめるのね」と思わず感心してしまう工夫も見受けられ、競馬場が幅広い層に親しまれているのが伝わってきました。
そういえば、友人たちから「今度娘と大井競馬場に行こうと思けど、いつやってるの?」とか「家族みんなで初めて東京競馬場に行ったよ」など、競馬にちなんだ連絡が来くることが増えてきました。それはまるで、映画や温泉に行くかのような軽やかさ。競馬場が多くの人に親しまれる場所となった証でしょう。そんな連絡が来た時は嬉しくて、あの場所だと馬が走り去った後に芝生の香りがするよとか、砂煙の向こうに消える馬群がかっこいいよ、などとつい熱く語ってしまいそうに。
北の大地に話を戻しましょう。今回は札幌競馬場の他、7月に再開館したばかりの北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)と、地元の人々の憩いの場所にもなっている北海道大学にも足を運んでみました。
北海道庁旧本庁舎は1888(明治21)年竣工の、国の重要文化財に指定されている歴史的建造物で、壁や天井の造り、手摺などに施された彫刻は見ごたえ十分。北海道の歴史や文化、産業を紹介する展示物は丁寧に見学したくなる密度の濃い内容でした。訪れた時は21時まで開館。ライトアップされた外観は重厚感が増し、昼間とはまた別の美しさがありました。
札幌競馬場の2コーナーから向こう正面、3、4コーナーの方向に広大な土地を擁する北海道大学は緑がいっぱい。一般にも開放されている「北海道大学総合博物館」の展示は、恐竜の骨や植物や鉱物の標本など圧巻で、競馬観戦のついでに寄るにはもったいないほどの充実ぶり。館内のショップでは展示にちなんだ物や北大グッズの販売もあり、お土産選びにもおすすめです。また、大学構内のカフェでは、北大生産のりんごを使用したクラフトビールなど、フード&ドリンクの提供もあり、北の大地での時間を楽しく彩ってくれました。開館時間や各施設についての詳細は、それぞれの公式情報をご確認いただければと思います。

さて、11月3日(月)に15年ぶり、2回目のJBCが開催される船橋競馬場。入場門の目の前、道路を挟んだ場所に位置する「ららぽーとTOKYO-BAY」の北館がJBC目前の10月31日(金)にリニューアルオープンするとのこと。「ショッピングのお客様にも競馬場に足を運んで欲しい」という、競馬場関係者のかねてからの熱い想いが叶う日がついに来る!という気持ちです。北館からは船橋競馬場の開放的な芝生エリア、キッチンカーが並ぶ通路、そして熱戦が繰り広げられるコースが目の前ということで、新たなファンの獲得に期待大。2024年5月「第114回 船橋競馬場 新スタンドフルオープン」で触れた先人の想い。それらをしっかりと受け継いだ「街との共生」がいよいよ本格化します。