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第18回 様々なスポーツから学ぶこと

2011.09.27
 蒸し暑さで何度となく起きてしまう夜の回数も減り,季節は早くも秋へと移り始めています。
 さて「なでしこジャパン」女子サッカーが偉業を成し遂げて以来,スポーツ紙面の取り上げも多くなりましたぁ。
 優勝時からこれまで,様々なエピソードが掲載されていますが,中でも印象的だったのが,決勝に向かう際の選手の心理と,監督の姿。多くの選手が,決勝が近づくにつれて緊張が増してきた際,ふと監督を見ると,いつもと変わらない表情をしており,その姿に,平常心を保つことができたと話していました。この言葉に,馬作りに共通する部分を非常に感じました。

 というのも,ダービー馬ディープスカイを担当する堂本助手も,「僕にとって担当した馬での初重賞勝ちが,ディープスカイでした。その後,GⅠを意識するようになってからは,何だか自分自身がソワソワしちゃって...。そんな自分の姿を馬に悟られてはいけないと思い,とにかくいつも通りに行動し,振る舞おうと自分に言い聞かせていました」と。

 そして,アメリカ・オーストラリア・香港・ドバイで結果を残してきた角居調教師も,「海外という地において,いつもと違う環境下に置かれた際に馬が頼るのは,いつも一番傍にいる担当者。だからこそ,担当者が日本でいる時と同じ心理状況であってほしい」と考え,レーシングマネージャーを配置。スタッフが,言葉や環境に適応できるように,配慮されていました。

 人と馬を一緒に考えてはいけない部分もありますが,選手=馬,監督=担当者であり調教師なのかなぁ~と。
 種目・競技は違いますが,いろいろなスポーツから学ぶことって,多いような気がします。

 私も騎手時代,競輪選手の方から,自転車を用いて重心の取り方を学んだ過去があります。それは夏の滞在先での小倉でのこと。坂の上からペダルをこがずに,お尻を上げて一気に下るのですが,自分の体のポジションによって,止まる位置が微妙に違うのです。要するに,自転車と体の重心が一致し,風の抵抗が少なければ,止まる位置までの距離が長くなります。
 この理論を馬に置き換えると,自転車=馬,人=騎手となり,騎手の重心のとり方次第で,馬の負担が軽減され,走り,時計にも影響するというもの。この感覚を頭と体で感じた後,馬に乗ってみると,今までの自分の体の位置が全体的に後ろ過ぎていたことに気づかされたことを今でも覚えています。

 そして今年の夏は,前から挑戦してみたいと思っていたパワーヨガを体験。昔騎手だったとは誰も,いや自分自身も思えないほどの体の硬さで,体のあちらこちらがつりまくっていましたが,自分の体の左右のバランスの違いや,稼動範囲が分かり,乗馬の基本である身体各部の独立に繋がる気が...。
 レッスン後は汗だくとなり,しかも数日間は,筋肉痛となりましたが,自分自身の体を顕微鏡で覗けたような感覚となり,不思議と無理をすることなく,日頃から柔軟を取り入れるようにも...。今更思っても仕方のないことではあるのですが,(騎手時代に取り入れていれば,もう少し馬乗りが巧くなったかも?)と後悔。

 今回の話,全て感性によるもので実際,馬がどう思っているのか?も,そしてヨガを取り入れてたら,馬乗りが上達していたかも?分からないこと...。とは言え,一つのことに固守し過ぎるのではなく,いろいろな角度から物事を考え,そして取り入れる柔軟性は必要なことなのかなぁ~と,この歳になって,感じるようになってきましたぁ。

 余談ではありますが,しばらくパワーヨガを続けてみようと思ってます。

 それでは皆さん,また来月お逢いしましょう。
 ホソジュンでした。
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