文字サイズ

文字サイズとは?



HOME > お楽しみ > JBISコラム > ホソジュンのウマなりトーク > 2014年 > 第49回 新人騎手、初勝利の一方で~過酷な勝負の世界、親の思いとは~

ホソジュンのウマなりトーク

細江純子 ホソジュンのウマなりトーク

第49回 新人騎手、初勝利の一方で~過酷な勝負の世界、親の思いとは~

 早いもので4月。今年3月にデビューをした新人騎手の中には、早々とデビュー月に初勝利を挙げ、2勝目をマークしたジョッキーも存在。

 ホッとする一方で、競馬学校を卒業し免許を取得した6名たちは、スタートラインは同じでも、チャンスの度合いはそれぞれ。それゆえ、とにかく皆にチャンスが巡ってきてほしいなぁ...と陰ながら祈ることも。

 しかしながら年々厳しくなりつつある騎手の世界とあって、初々しい新人騎手の初勝利の笑顔の一方で、実はデビュー4年目にしてまだ初勝利を挙げることができていないジョッキーもいます。

 現在ケガで療養中の高嶋騎手。しかも所属調教師は引退となり、現在フリーの状態。減量もとれ、ゼロ勝、所属厩舎もなしというのは、外の世界から足を踏み入れた若者にとっては過酷すぎる状況下...。
 戻れる場所や頼れる人がいない中では、復帰を目指すにしても、不安感が募り、心がなえてしまいそうな気がします。

 私もデビュー間もない頃に所属厩舎を離れた経緯があり、調教に乗る馬がいない状況下でトレセン内に足を踏み入れることは、孤独そのものであり、レースでの騎乗はおろか、何とかして1頭の馬の背中に跨り、調教ができるようにとたどり着くまでもが長き道のりで、何度も心が折れそうになりました。

 もちろんそれが大人の社会であり、勝負の世界と言われればそれまでなのですが、競馬学校を卒業したての頃はだれもが志は同じであり、経験がなによりの成長。現在の高嶋騎手の心境を考えると、胸が締め付けられる思いになりますし、まだ若い年齢ゆえ、親御さんも心配でならないのでは?と察してしまいます。やはり親はいつまでたっても親であり、我が子の行く末を案じるもの。

 関東でいち早く初勝利を挙げた木幡初也騎手の父・木幡初広騎手も、最終レースまで検量室に残り、勝利騎手インタビューの際には我が子の後ろでプラカードを持っての登場。
 その表情は喜びと安堵感に満ち溢れ、自分のこと以上にホッとされた雰囲気でした。しかしその一方で、「やはりこれからまだまだ不安はあります」と、我が子を見守る親の顔に...。

 やはり自分自身も体験してきた怪我との戦いや騎乗馬の確保など、厳しい状況を幾度となく体験してきているだけに、同じ道を歩む息子に対して嬉しさと共に、今後、次から次へと伸し掛かるであろう困難や試練を案じているようでもありました。

 それにしても横山典弘騎手に続き木幡初広騎手も親子デビューと、関東での2世ジョッキー誕生の話題が続いていますが、なんとこの4月、その横山騎手の3男と木幡騎手の次男が、共に競馬学校騎手過程に入学を予定しているとのこと。

 順調に進めば3年後、2組のファミリージョッキーがターフに名を刻むことに...。稀に新馬戦などで6頭立てのレースもあるゆえ、ひょっとしたら、親子・兄弟対決ならぬ横山家VS木幡家の家族対抗対決がみられるかも?!

 まぁそれはちょっと現実味をおびていない気もしますが、我が子が自分と同じ道を歩むというのは、自分の日々の姿を子供たちが見てきたことの証であり憧れでもあるのですから、やはり特別な思いが親として、また1人の男としてあるのでしょうね。
 もちろん危険な職種であるだけに心配も尽きないと思いますが、3年後、共に3人揃っての勝負服姿が見たいものです。

 さぁいよいよクラシックシーズンも開幕となります。ハープスター1強と思われるオンナ馬に対し、混戦ムード漂うオトコ馬たち。
 個人的には、ワンアンドオンリーが日本ダービーあたりにどんな成長を見せて登場するのか?そのあたりが最も気になっています。

 それでは皆さん、また来月お逢いしましょう。
 ホソジュンでしたぁ。