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第169回 メンタル重視の武士沢新教官~子育て・スポーツ理論~

2024.04.18

 早4月。


 世間は入学シーズンとなりますが、競馬の世界は一足先に新規騎手のデビュー&調教師の開業がなされ、新たなスタートを切るとともに、反対に長年の職種にピリオドを打ち引退をされる方、また新しい職業へと転身される方も存在します。


 騎手の世界で言えば、競馬学校時代の1つ下の期となる武士沢騎手が引退し、この4月から競馬学校の教官になるとのこと。


 教官としての今後に向け、「現役生活で安心して騎手をできた時期はなかったので、困った時にどうしたらいいのか?を考えられるような人になれるように導いてあげたい」とし、騎手生活で挙げた勝利においては、「340勝、その全てが調教から結びついた重みあるもの」と振り返っていました。


 武士沢君や私が騎手としてデビューした頃に比べると、競馬学校厩務員課程の設立によって現場の状況も大きく変化しつつありますが、それでも縁故関係のない人間にとっては、いろいろな面で厳しい世界に思えます。


 だからこそ武士沢君は、技術面以上にメンタル的な面での重要性に重きを置いたコメントをしたのでしょう。


 個人的にも素晴らしく感じるとともに、学校時代から穏やかでバランス力のとれた彼ならば、生徒にとって様々な意味で力となれる教官になる気がします。


 この数年ですが、1年に1度、競馬学校に伺う機会があるのですが、教官や学校内における様々な考え方が、生徒である学校時代ではなく、騎手になってからに焦点を当てているように思えます。


 例えば食。お菓子においても全てをNGにするのではなく、自分の采配で決められた時間ならば口にできる点や、世界に3台しかないシミュレーション木馬を2台取り入れ、実際の競馬に乗っているかのような感覚を味わえるなど、足を運ぶ度に進化。


 そして何よりも、教官と生徒との距離感がソフトで、いい意味で生徒たちは緊張をせずに馬上で過ごせている気がし、その点にも魅了されます。


 つい先日、元野球選手の里崎さんとご一緒した際、子育て論になったのですが、里崎さんも、子供時代においてのスポーツは、とにかく楽しくノビノビがモットーだそうで、体型的な面の考慮からも、求め過ぎないことが非常に重要だと説いていました。


 そして自身の中で大きなインパクトを与えられ、今の考え方の基盤となっているのが、バレンタイン監督なのだそう。


 話を伺えば伺うほど、私自身も海外に行ったり、生活をしてきたことで抱いてきた日本人と外国人の思考力の違いが生み出す相違が里崎さん理論からもよみとれ、そういった意味でも、何色にも染まりやすい子供たちにとって、親や指導者の考え方や方向性は重要なのだと改めて感じました。詳しくはまた書きたいと思いますが、皆さんは、どうお感じになられますか?


 それでは皆さん、また来月、お目にかかりましょう。ホソジュンでしたぁ。

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