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第118回 ホソジュンのウマなりトーク今年も続きます ~仕事と子育てそして家庭も築きながら~

2020.01.21
 2019年、皆様にとってはどのような年となられましたか?

 我が家は、持ち乗り助手をしている夫が、函館開催前に北海道入りをし、札幌の最終まで滞在。戻ってきた直後には調教師試験もあり、フードコートで勉強後の夜に帰宅となるため、ほぼ家族の時間はない状況。

 しかも19年は異例で、試験を終えると同時に担当馬であるスズカデヴィアスと共にオーストラリア遠征へと旅立ち、12月になっても戻らない状態。

 当初は2戦を予定しており、11月の帰国予定だったのですが、なぜか大幅にプランが変わり、年を越えることになりました。

 よって振り返れば、19年は7ヵ月以上の別居生活。1人息子も6歳となり、以前ほど手はかからないものの、「託児所は嫌だ」「ママが仕事の間、友達のところでもいいけど、泊まりはダメ」と、意思もはっきりとし、結果、月2回程度は72歳の母親を頼り助けてもらうものの、離れて暮らしている為、毎週というわけにはいかず、競馬場や現場に同行させることもあり、仕事を持ちながら小さな子を1人で育てることの大変さを身にしみて感じた1年となりました。

 と同時に、元厩務員で競馬学校時代も共に過ごした知人女性の旦那さんが調教師試験に8回目で合格。

 お祝いの言葉をかけると、「この8年、家の中は旦那さんの勉強を中心に動いていたから、物音をたてないようにとか、邪魔にならないようにと、とにかく気を遣っての日々だった。育児もほぼ1人。解放されて本当に嬉しい」と、実は我が家も8度目の調教師試験とあって、小さな子を抱えながら受験生を持つ身の苦労は痛いほど理解でき、うらやましさも。調教師試験を受けている旦那さんを持つ多くの奥さんは、皆、本当に大変。

 我が家においては、年明けの1月から9月に至る間の子育ては、ほぼ私1人で向き合ってきた過程もあり、私自身、息子を身ごもってからの7年は、仕事と子育てに突っ走ってきた状況...。

 それでいて試験直後のオーストラリア出張も重なったこともあり、調教師試験の合格に対して祝福の言葉をかけるものの、自分自身への虚しさや今後への不安も募り、暗い気持ちになっていると、「私は結婚と同時に馬の仕事を辞めて専業主婦となった。そんな私とは違い、週末、テレビで見るホソエさんは、今日は東京、この前は新潟と、全国を飛び回っている。1人での移動時間を持てていることや、その土地土地で美味しいものも食べ、仕事仲間と過ごす時間が持てている状況が羨ましく、時には妬みながら見ていた。自由になる時間とお金が、こちらにはないのだから。ホソエさんは恵まれすぎている。しかもうちの旦那の試験勉強中のイライラは度を越していたから」と。

 まさに、ー他人の芝生は青く見える-である。

 そんな風に見られていたとは微塵も思わないどころか、(なぜ私は1人で全てを抱え込まなければならないのか?)と、特に仕事終わりの日曜夜の帰りの新幹線は、寂しく孤独な気持ちにさいなまれてばかりでした。

 しかも彼女は、3年前、ママ友の旦那さんが調教師試験に合格するやいなや、その方の勉強ノートを欲しいと頭を下げ頼んで手にいれており、まさに内助の功もあっての突破。

 彼女の姿を素晴らしく感じるとともに、改めて、この約20年、取材を通して感じてきたことは、旦那さんも含め、馬の心身のバランスに長い時間を費やしてきた方々が厩舎を開業した姿をみたいという思い。今年、もう1年だけ今のまま、踏ん張ってみようと思います。

 よってこのコラムにつきましても、今年も続けさせていただきます。どうぞ引き続き、よろしくお願いいたします。それでは皆さま、ステキな一年を。

 ホソジュンでしたぁ。
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