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第143回 飛躍的な活躍を見せたGⅠ5勝の横山武史騎手 ~新人騎手の勝利インタビューに感じること~

2022.02.17
 昨年、飛躍的な活躍を見せた騎手と言えば、GⅠ・5勝を挙げた横山武史騎手でしょう。有馬記念で見せた冷静なレース振りもさることながら、レース後の勝利騎手インタビューでは、まず最初に前日の油断騎乗を謝罪し、最後も、「すみませんでした」という言葉でしめた彼。
 そして2日後に行われたホープフルSでは、レースにおける回顧のみに徹し、きちんと線を引いての内容にとどめていました。その姿に、弱冠23歳にして、既に自分の置かれた状況と立ち位置、また物事の仕組みを理解しているように感じ、心底、感心をしてしまいました。

 騎乗技術もさることながら、人格という意味でも、大きな器を感じ、魅了されてしまいましたが、小さな頃から競馬に触れ、父・横山典弘騎手を見てきた彼にとって、競馬の世界がどのように映ってきたのか?

 またデビュー後、経験や実績を積み重ねていく中で、周囲の見方や親子関係にも変化が生まれてくることも想像されるだけに、今後、横山武史騎手がどのように歩んでいくのか?

 そして日本競馬においてどのような存在となっていくのか?楽しみで仕方がない一方で、良い意味で期待し過ぎないような形で、個人的には見ていきたい思いです。

 というのも、今回の横山武史騎手との件は別として、最近、デビューした新人騎手の初勝利時や、ヤングジョッキーでの勝利騎手インタビューにおいて、多くの新人が、まず開口一番、「乗せてくださった馬主さん、具合の良い状態に仕上げてくださった調教師さん、調教助手さん、厩務員さんに感謝...」との声から始まります。

 もちろん、その経緯あっての騎乗機会と勝利ゆえ正しい言葉なのですが、その背景から透けるのは、関係者の方々に対して、良い子でいなければならないという風潮が見え隠れしているような気もするのです。

 もちろん、彼ら彼女らが悪いというわけではなく、そういった環境が見えてしまうことが残念であり、子を持つ母の視点からしても、気の使いどころに、新人騎手たちの気苦労を感じてしまうところも...。

 またインタビューを心待ちにしていたファンの方々にとって1番聞きたいのは、そこではない気もするのです。

 最近、男性社会で生きてきた経験もあってか、ジェンダー論における取材を受ける機会も増えているのですが、朝起きて、「今日の空気は美味しい」と口にしないように、議題に上がる状況や、お決まりの文言が存在する時点で、何かしらの偏りがあり、自然ではないように思えてしまうのです。皆さんは、どうお感じになられますか?

 さて年も明け、2022年も動き出していますが、私の今年の目標は2つ。

 ①長いスパンで物事を考えられるような人になること。
 ②怒りの感情をおもてに出さないようにすること。

 どちらも自分自身との向き合い方なのですが、この2つを毎日、自分に言い聞かせながら、現在、過ごしています。

 それでは皆さま、また来月、お逢いしましょう。ホソジュンでしたぁ。
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