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第148回 3歳ダート3冠競走創設 ~中央と地方の垣根について~

2022.07.15
 最近の競馬界における大きな出来事と言えば、2024年から羽田盃・東京ダービーがJpnⅠとなり、賞金額も東京ダービーは5,000万円から1億円にアップとのこと。
 そしてJDDにおいてはレース名と日程を変更し、3歳馬ダート路線の3冠が設立される形に。これまでダートの歴史の中での大きなことと言えば、JBCの設立によって、中央馬におけるダートの選択肢がうまれ、中央・地方合わせてのダート界全体におけるレベル向上や、地域発展の役割も担われ、大きな成果を挙げてきた印象ですが、今回、さらに垣根をなくしてのダートにおけるクラシック路線は実に画期的。

 しかも昨年のJDDにおいては、船橋所属のキャッスルトップが勝利し、近年の交流重賞における地方馬の活躍は古馬戦線も含め、目覚ましいものがある状況。

 よって個人的には、この2年後のスタートが今から非常に楽しみとなりました。

 実は最近、南関競馬や園田競馬にお邪魔をする機会も多く、時間のある時には地方競馬のレースや成績もチェック。

 また今年は、船橋競馬のホームページ内での企画として、船橋所属の騎手全員と対談をする運びとなり、現在まさに進行中。現時点で既に8名の騎手の方々とお逢いし、現在の騎手としての状況や騎手を目指すきっかけなど、お聞きしています。

 その8名の中に、先ほど挙げたJDDの勝ち馬・キャッスルトップの仲野光馬騎手もいらっしゃったのですが、あの当時、BS11で中継に参加していた私。

 仲野騎手との面識はなく、彼がどういった過程を経て騎手となったかも知り得ませんでした。それもあってか、騎手としての初重賞勝利でもありJDD制覇という偉業だったにもかかわらず、勝利騎手インタビューの際の冷静な話し方や、レース回顧における客観的見解とのギャップに驚かされたのです。

 よって対談では、その点をお聞きすると、競馬とは無縁の世界から騎手を目指し、学校へ入学。しかし実習中のトレセンサークルになじめないこともあり、学校に戻ったタイミングで退学届けを提出。

 その後は、派遣のアルバイトで生活をしていたそうなのですが、派遣先の1つであったゴミ処理の仕事場で出会った年配男性の方の話に、もう一度騎手を目指すことを決意。

 その後、競馬場で4年、裏方として調教に携わりながら騎手免許取得という、常に自問自答しながらストレートでない生き方をしてきたからこそ、話の内容にも騎手目線だけでない、ファン目線や記者心理の見解も加わっていたのでしょう。

 そして今もなお、時間帯はその時々のようですが早朝2時過ぎあたりから20頭近くの攻め馬を消化。もちろん地方競馬においては、ほんの一握りのベテラン騎手以外は皆、20頭から25頭近い攻め馬をこなしてから各開催の競馬場へ。もちろん人によっては、開催週騎乗馬ゼロという中、わずかなチャンスを得ようと、ひたすら調教に励んでいらっしゃるジョッキーも存在しています。

 そういった姿に、今後、レースの交流だけでなく、騎手免許にも何かしらの垣根や制度の変化がもたらされる状況となれば、互いにとっての刺激となり、日本人騎手のレベルの向上へと繋がる可能性もあるように感じました。
 皆さんは、どうお感じになられますか?

 それでは、また来月、お目にかかりましょう。

 ホソジュンでしたぁ。
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