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第154回 ジャパンカップのムーア騎手の騎乗 ~直感に従い、心がワクワクすることに~

2023.01.18
 新年、明けましておめでとうございます。皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
 今年こそはコロナの終息となる年となればいいのですが...。とは言え、街を歩くと外国人観光客の姿も多く目にし、また新幹線移動の際には満席となっていることも。

 やはり長きにわたる状況の中で、今後しばらくは、コロナと共存という選択になっていくのでしょうか‥‥。

 さて少し2022年を振り返りたいと思うのですが、昨年、1番印象深かったレースと言えば、ジャパンカップでのムーア騎手の騎乗振りでしょう。多くの方が、「あの狭い内から抜け出てくるなんて凄い」と口にされていましたが、そこも、もちろんですが、そこのみならず、スローの中、前半あのポジションで、あのタイトな状況の中で折り合いをつけ、しかもどちらかというと持久力タイプで、スパッとゴーサインに反応する馬には思えなかったヴェラアズールを動かしてしまったこと、それら全てが凄かったと言えるのではないでしょうか。

 言い換えれば、ムーア騎手でなかったら、勝利は不可能だったと思わせる内容。しかもレース前、ヴェラアズールの癖や難しさを説いていた陣営に対し、「イージー・イージー」と言って上がってきたとのこと。

 世界TOPレベルの手腕を再び目の当たりにした1戦でしたが、そのムーア騎手の後輩にあたるマーカンド騎手もまた、初来日の今回、日本の競馬界に、追える騎手として、多大なインパクトを残したのではないでしょうか。

 個人的には、JCにおけるデアリングタクトの前半部分の折り合い面にも魅了されましたが、今年、再び来日となれば、昨年の経験値に加え、去年以上の有力馬のオファーが予測されるだけに、かなりの活躍が期待できる気がし、楽しみです。

 さて楽しみと言えば、最近、競馬関係者以外の方々との交流が多くなりました。

 その背景には、芸能事務所であるワタナベエージェンシーに所属をしたことや、週中のトレセン取材がコロナ禍でNGとなり時間の使い方に変化がうまれたこと、息子の年齢など、様々な要因が絡まってなのですが、外の世界を見れば見るほど、またかかわりを持てば持つほど、今まで身を置いていた世界の特殊さや閉鎖的な面を感じ、苦しくなってしまうこともあります。

 特に、この数年における競馬社会の変わり身に心がついていけないことも。振り返ると、30年近くにわたり、情熱と時間を注いできた競馬の世界。

 至らない騎手として女性の門戸を閉ざした背景にずっと申し訳なさを感じてきましたが、16年振りに誕生した藤田菜七子騎手の頑張りにより、今では女性騎手の数も増え、順調ならば今年また新たに二人加わる可能性もでてきており、私自身、元女性騎手という立場におけるアナウンス的な面においても、自分がやれることはやり尽くした気もしています。

 よって今年からJRA競馬においては、卒業する部分は卒業し、ゼロからのスタートとなることでも、心がワクワクするような物事に対して取り組む時間を大切にしていくことを決意して新年を迎えています。

 皆さんは、どのようなことを考え、新たな年をスタートさせていらっしゃいますか?

 それではまた来月、お目にかかりましょう。

 ホソジュンでしたぁ。
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