文字サイズ

文字サイズとは?



HOME > お楽しみ > JBISコラム > 馬ミシュラン > 2012年 > 第46回『ゆとり世代?』

馬ミシュラン

小山内完友 馬ミシュラン

第46回『ゆとり世代?』

 昨年は震災の影響で取り止めた採用試験を、2年振りに行った。今年の新卒世代は1990年生まれ、学習指導要領に「ゆとり教育」が盛り込まれた、いわゆる「ゆとり世代」である。

 小学校~中学校の途中から「ゆとり教育」を受けた世代は既に世に出ていて、弊社にも在籍しているが、実際のところよく「ゆとり社員」などと言われているような事はない。怒っても大丈夫だし、会社に来なくなるようなこともない。競馬専門紙は極めて趣味性の高い仕事ではあるが、テレビや雑誌が面白おかしく報じているだけではないか。少なくとも我々の実感としてはそんなところではないかと思っている。

 最近の学生さん達はよく勉強していて、大方の子が何かしらの資格を取得している。バブル末期に採用された我々の世代とは比較にならないぐらい、しっかりとした学生生活を送っている。反面、アルバイトなど学校外での労働や、お金にまつわる経験に乏しい印象を受けた。遊ぶのに金がいくらあっても足りなかった我々バブル末期世代とは大違いで、必要な分以外はあまり執着しない印象を受けた。

 ところで2年ぶりの採用となったわけだが、今年は応募者数が思っていたよりも少なかった。秋採用を控えた某全国紙に勤める友人も同様のことを言っていた。恐らくはマスコミ業自体が、今の学生さん達には不人気業種なのではないだろうか、という結論に落ち着く。実際、学生さんに聞けば、就職活動の厳しさはテレビ等で報じられているよりも、もっと厳しい印象を受ける。就職情報会社からもたらされる資料と、実際の受験者へのアンケート(弊社では就職活動について、毎年アンケートを取っている)を併せて見ると、夢よりも安定志向であることは間違いなさそうだ。もちろん、弊社の受験者は概ねその逆であるから、夢を追う学生さんが少ないのかもしれない。

 余談ではあるが、一昨年、そして今年の受験者の傾向として、旧帝大や首都圏近郊の学校など国立難関校の学生さんが次第に増えてきた。私大は日刊競馬定番のW、M、H等から、K、J、R等綺麗なイメージ(個人的感想)へとシフト。理工系の学生さんも年々増えてきている。そのあたりは就職難とも関係がありそうだ。

 そして今年最大の驚きは、なんとW大学の学生さんが1人も居なかったこと。これはディープインパクトであった。これまでは束で居たのに。学校で何か悪い噂でも流れているのではないかと、そう疑ってしまう。半分冗談だけど、半分は「こりゃ調べる必要があるな」と思っている。

 話を戻す。筆記試験に関しては今年もオール記述式で、しかもほとんどが論述である。問題作成には関わっていないが、年々量も増え、難易度も上がっている。とはいえ普通に一般紙やスポーツ紙を読んだり、競馬週刊誌を読んだり、馬券を買っていれば、それほど難しくはない(はずだ)。会社説明会の際に、こちらからも質問して受験者の動向を探るのだが、近年は競馬新聞の記者希望者でも、競馬新聞もスポーツ紙も読んでないという方が多く見られる。専門紙はまだしも、スポーツ紙はほぼネットで十分という方が多い。記者になろうとしているのにこれ如何に、と思う。

 そして最も大事な種目である作文だ。知識は豊富だし、理論もしっかりしているが、実体験から来るものが薄い。よく言う「そこから得たものは何か?」という部分が、欠けている子が多い。何かを体験すれば何か感じてくるはずなのに。もう少し厳密に言うと、聞けば答えは出てくるが、自ら語ったり、書き記したりはしない傾向が強い。ひけらかさない姿勢は謙虚でいいのだが、作文や面接はそれを出す場だし、聞きたいのは常識的な一般論ではなく、あなた個人の考えなのに。

 もちろん、こちらもそのまま放置して落としてもしょうがないので、なるべく引き出してあげようと努力する。面接や試験というよりも採用活動全体の雰囲気が以前とは少し異なってきたし、変えなければならないような気がする。

 前述のアンケートにおいて、社内で一番話題になった受験生からのご意見を紹介する。
「出題範囲が『一般知識、競馬知識』だけでは、試験対策のしようがありません。」
 えーと、次年度に向け前向きにカイゼンを検討させて頂きたいと思います(笑)。