馬ミシュラン
第125回 『3日前投票始まる』
2019.05.27
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今年度から大井競馬の3日前投票が始まった。これまでも2場開催(ダブル開催)で3日前投票は行われていたが、今年度から、大井競馬は全日3日前に出馬が発表されることになる。
3日前に出馬確定することのメリットは数多くあるが、一番は時間的余裕だ。出馬投票時間の締め切りは概ね10時だが、そこから抽選もれや騎乗調整、読み合わせなどがある。毎週大体同じ時間に発表されるJRAと異なり、南関東の場合は大井、川崎で12時から遅くても12時30分頃、最も遅い船橋だと14時頃になる日もある。出馬投票は3日前だが、新聞の印刷、発送は2日前の正午なので、その時間的余裕は大きい。
南関版は、北は名寄から南は鹿児島まで配送しており、三陸沿岸や宿毛など物理的に時間を要する地域にも場外がある。そのため営業部が印刷のリミットを概ね14時に設定しているだが、大幅に遅れることが常態化している。夏場は台風でも来ない限り前日に到着してハネ売り(帰りのお客さんに翌日の新聞を売る事)できるのだが、冬は当日のレース発走直前に到着することも多々ある。一定の時間に発送出来れば、お客さんに予想検討する時間を十分与えることが出来る。
トラブルの対処も可能だ。制作システムや各所サーバーのトラブル。出馬に関するトラブルがあったとしても、それに対処する時間的余裕が出来るから、これまで土壇場で見切り発車していたものが、紙面に間に合うケースもあるだろう。新聞社も主催者も、早めに出馬が出てそれを見ることで、しばらくして気付く間違いもある。その修正も可能になるだろう。
紙面の内容についても、これまでは空いたスペースなどは瞬発力で埋めていたが、これからは考える余裕が生まれるから、より紙面を充実させることが可能になる。
競馬場の番組班にとっても、早めに出馬投票をすることで、抽選もれの決定や、騎乗の調整、確認の時間的余裕が生まれる。馬を番組移動させる余裕も出来るし、登録段階から3分割などの番組を組んでフルゲートで埋めやすくなるだろう。
実際、大井の番組は3分割の区分に、最初の開催は80頭以上、2開催目は104頭を編成して、隙のない出馬を組んでいる。番組区分を大枠で使えることは、番組編成上の大きなメリットで、開催日を越えて複雑な移動をして確認に時間を取られるよりは、より効率的に出来るだろう。
最初の開催が終わったところで競馬場に実際どうだったか意見を交換しに行ったところ、取消する際の連絡場所など、競馬場側ではいくつか課題があったようだ。馬を出走させる厩舎側も、追って即投票になるから、リスクはないわけではない。実際のところ、放馬も含む除外5頭、疾病などによる取消6頭だった。2日前出馬で行われたひと開催前は除外7頭、取消3頭だったから、ゲートに入れなかった馬は1頭増えたことになる。売上好調なだけに、この1頭をどう見るかが、今後他場に普及するかどうかのカギになりそうだ。
当初厩舎側からの反対が多いのではないかと予想していたが、意外に大きな反対はされなかった。一方で、競馬場側から難色を示されることが多い。実際、トラックマンを通じて各競馬場に働きかけているのだが、取消を懸念する主催者は多い。取消は売上に直結するので、その点は理解できる。また、番組専任担当者が少ない点を挙げるところもある。これも、出馬作業はマンパワーを必要とするだけに、無理強いは出来ない。今後も働きかけていくつもりだが、時間はかかるだろう。
肝心のファンからの感想はあまり聞こえてこない。JRAがいわゆる木曜出馬を既に行っているので、出走馬の早期確定は、それほど違和感はないはずで、現行の2日前確定は既に定着している。この辺は、売上にどれだけ影響を与えたか、現時点では計れないので何とも言えない。
重ね重ねではあるが、我々にとっては大きな変化た。予想が当たるようになった(あくまでも個人の感想です)。特に枠順が決まっていることが大きい。これまで本紙、解説者、自場のトラックマンはじっくり予想する時間が与えられるが、我々予想欄の下々の者は枠を見て瞬発力で予想するか、前予想が基本だった。
なによりも、昼に昼食を取れることが大きい。これまで昼食は早くて14時、遅いときは16時という時もあったが、13時に昼食に出て、いつもの店が混んでいることに感動した。昼に昼食が取れる喜び。まさに「働き方改革」である。
他場の方も是非ご検討をお願いしたい。
3日前に出馬確定することのメリットは数多くあるが、一番は時間的余裕だ。出馬投票時間の締め切りは概ね10時だが、そこから抽選もれや騎乗調整、読み合わせなどがある。毎週大体同じ時間に発表されるJRAと異なり、南関東の場合は大井、川崎で12時から遅くても12時30分頃、最も遅い船橋だと14時頃になる日もある。出馬投票は3日前だが、新聞の印刷、発送は2日前の正午なので、その時間的余裕は大きい。
南関版は、北は名寄から南は鹿児島まで配送しており、三陸沿岸や宿毛など物理的に時間を要する地域にも場外がある。そのため営業部が印刷のリミットを概ね14時に設定しているだが、大幅に遅れることが常態化している。夏場は台風でも来ない限り前日に到着してハネ売り(帰りのお客さんに翌日の新聞を売る事)できるのだが、冬は当日のレース発走直前に到着することも多々ある。一定の時間に発送出来れば、お客さんに予想検討する時間を十分与えることが出来る。
トラブルの対処も可能だ。制作システムや各所サーバーのトラブル。出馬に関するトラブルがあったとしても、それに対処する時間的余裕が出来るから、これまで土壇場で見切り発車していたものが、紙面に間に合うケースもあるだろう。新聞社も主催者も、早めに出馬が出てそれを見ることで、しばらくして気付く間違いもある。その修正も可能になるだろう。
紙面の内容についても、これまでは空いたスペースなどは瞬発力で埋めていたが、これからは考える余裕が生まれるから、より紙面を充実させることが可能になる。
競馬場の番組班にとっても、早めに出馬投票をすることで、抽選もれの決定や、騎乗の調整、確認の時間的余裕が生まれる。馬を番組移動させる余裕も出来るし、登録段階から3分割などの番組を組んでフルゲートで埋めやすくなるだろう。
実際、大井の番組は3分割の区分に、最初の開催は80頭以上、2開催目は104頭を編成して、隙のない出馬を組んでいる。番組区分を大枠で使えることは、番組編成上の大きなメリットで、開催日を越えて複雑な移動をして確認に時間を取られるよりは、より効率的に出来るだろう。
最初の開催が終わったところで競馬場に実際どうだったか意見を交換しに行ったところ、取消する際の連絡場所など、競馬場側ではいくつか課題があったようだ。馬を出走させる厩舎側も、追って即投票になるから、リスクはないわけではない。実際のところ、放馬も含む除外5頭、疾病などによる取消6頭だった。2日前出馬で行われたひと開催前は除外7頭、取消3頭だったから、ゲートに入れなかった馬は1頭増えたことになる。売上好調なだけに、この1頭をどう見るかが、今後他場に普及するかどうかのカギになりそうだ。
当初厩舎側からの反対が多いのではないかと予想していたが、意外に大きな反対はされなかった。一方で、競馬場側から難色を示されることが多い。実際、トラックマンを通じて各競馬場に働きかけているのだが、取消を懸念する主催者は多い。取消は売上に直結するので、その点は理解できる。また、番組専任担当者が少ない点を挙げるところもある。これも、出馬作業はマンパワーを必要とするだけに、無理強いは出来ない。今後も働きかけていくつもりだが、時間はかかるだろう。
肝心のファンからの感想はあまり聞こえてこない。JRAがいわゆる木曜出馬を既に行っているので、出走馬の早期確定は、それほど違和感はないはずで、現行の2日前確定は既に定着している。この辺は、売上にどれだけ影響を与えたか、現時点では計れないので何とも言えない。
重ね重ねではあるが、我々にとっては大きな変化た。予想が当たるようになった(あくまでも個人の感想です)。特に枠順が決まっていることが大きい。これまで本紙、解説者、自場のトラックマンはじっくり予想する時間が与えられるが、我々予想欄の下々の者は枠を見て瞬発力で予想するか、前予想が基本だった。
なによりも、昼に昼食を取れることが大きい。これまで昼食は早くて14時、遅いときは16時という時もあったが、13時に昼食に出て、いつもの店が混んでいることに感動した。昼に昼食が取れる喜び。まさに「働き方改革」である。
他場の方も是非ご検討をお願いしたい。