馬ミシュラン
第170回 『NAR GRANDPRIX2022』
2023.02.24
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1月12日、地方競馬全国協会会議室に於いて、「NAR GRANDPRIX 2022優秀馬選定委員会」が開催された。今年も選定委員の末席に加えさせていただいたので、印象に残った部門を中心に選定委員会の模様をお伝えさせていただく。
2022年の地方所属馬はGⅠ(JpnⅠ)勝ち馬こそ現れなかったが、GⅡ(JpnⅡ)勝ち馬3頭、GⅢ(JpnⅢ)勝ち馬1頭(2勝)の活躍馬が現れた。出来れば全てに賞をあげたいところだが、そういう訳にもいかないから難しい。
2歳最優秀牡馬部門にダートグレード競走勝ち馬はいなかったが、地方全国交流競走の勝ち馬が4頭。浦和のヒーローコール、北海道のベルピット、スペシャルエックス、オーマイグッネス。サッポロクラシックカップ、サンライズカップ、鎌倉記念の各レースで勝ったり負けたりの関係だったが、決め手を欠き、最終的には全日本2歳優駿に出走し、かつその成績上位を取るという流れになった。結果、全日本2歳優駿(JpnⅠ)4着のヒーローコールが選ばれた。
2歳最優秀牝馬部門もエントリーされた馬の多くが出走した東京2歳優駿牝馬の勝負になり、メイドイットマムが選ばれた。スティールグレイスは選ばれてしかるべき馬だが、故障で出るべきレースに出られなかったのは残念だ。
同じく3歳最優秀牡馬部門も、ダービーグランプリでの直接対決勝負になり、シルトプレが選出。各地区重賞、地方全国交流競走、ダートグレード競走という三段構えの中で、それぞれの実質的なチャンピオン決定戦がうまく機能した。
3歳最優秀牝馬はスピーディキック。関東オークス(JpnⅡ)に勝っていれば年度代表馬もあった。
そして4歳以上最優秀牡馬部門。黒船賞(JpnⅢ)、かきつばた記念(JpnⅢ)に勝ち、南部杯(JpnⅠ)4着、JBCスプリント(JpnⅠ)5着のイグナイター。ダイオライト記念(JpnⅡ)に勝ったノーヴァレンダ。日本テレビ盃(JpnⅡ)に勝ったフィールドセンスの3頭に絞られた。
通常ならば格でノーヴァレンダかフィールドセンスか、という流れになったとは思うが、ノーヴァレンダは減点こそないが惜しくもマーキュリーカップのレース後に亡くなり、活躍と比較の機会が失われたのは惜しまれる。せめて帝王賞に出走していれば結果は違ったかもしれない。
フィールドセンスも日本テレビ盃で下した相手は良かったが、JBCクラシック(JpnⅠ)で11着では難しい。せめてクラウンプライドから僅差であれば評価は落ちなかっただろう。
JpnⅢではあるがダートグレード競走2勝で、秋はJpnⅠに出走し、南部杯(JpnⅠ)では一瞬夢を見た4着と勝ち負けの争いに絡み、JBCスプリント(JpnⅠ)でも5着と好走したイグナイターが満場一致で選ばれた。
4歳以上最優秀牝馬は文句なしでサルサディオーネ。軽種馬協会的には余談になるが、ばんえい部門は、昨年活躍し、現在最も強い馬はメムロボブサップだが、やはりばんえい記念を評価してメジロゴーリキに。これはチャンピオン決定戦が年度末にあるためで、9か月遅れの評価になるのは仕方ないところだ。
最優秀短距離馬部門も、馬を変えてJpnⅢ2勝のイグナイターとJpnⅡ勝ちサルサディオーネの比較になったが、2勝の評価は揺るがなかった。
最優秀ターフは比較的すんなり「該当馬なし」に決まった。1着賞金3,000万円のOROカップを評価する声もあったが、過去の受賞馬を見ても、その年のレーティング最高値が、コスモバルク117、ハッピーグリン114で、アトミックフォースの100は物足りない。
年度代表馬は4歳以上最優秀牡馬のイグナイターが選ばれた。ダートグレード競走発足後、JpnⅠまたはⅡの勝利がない馬の選出は初めてで、同じく兵庫のケイエスヨシゼン(アングロアラブ)以来である。個人的にはなんとなく破ってはいけない壁を破ってしまった感じはするが、特に南部杯でのレースは昨年のJpnⅠに出走した地方馬の中で最も期待を抱かせる内容であったから、やはり年度代表馬に相応しい結果だったと思う。
ダートグレード特別表彰馬はJpnⅠ2勝馬がおらず悩んだ。前日の夜まではJBCクラシックのテーオーケインズだったが、色々調べているうちに、地方のダートグレード競走最多4勝のショウナンナデシコも候補に加えた。当日もレベルか、貢献度か、ギリギリまで迷ってショウナンナデシコに手を挙げた。これは一番難しい選択だった。
受賞馬の関係者の皆様、受賞おめでとうございます。今年さらなる活躍を期待しております。
2022年の地方所属馬はGⅠ(JpnⅠ)勝ち馬こそ現れなかったが、GⅡ(JpnⅡ)勝ち馬3頭、GⅢ(JpnⅢ)勝ち馬1頭(2勝)の活躍馬が現れた。出来れば全てに賞をあげたいところだが、そういう訳にもいかないから難しい。
2歳最優秀牡馬部門にダートグレード競走勝ち馬はいなかったが、地方全国交流競走の勝ち馬が4頭。浦和のヒーローコール、北海道のベルピット、スペシャルエックス、オーマイグッネス。サッポロクラシックカップ、サンライズカップ、鎌倉記念の各レースで勝ったり負けたりの関係だったが、決め手を欠き、最終的には全日本2歳優駿に出走し、かつその成績上位を取るという流れになった。結果、全日本2歳優駿(JpnⅠ)4着のヒーローコールが選ばれた。
2歳最優秀牝馬部門もエントリーされた馬の多くが出走した東京2歳優駿牝馬の勝負になり、メイドイットマムが選ばれた。スティールグレイスは選ばれてしかるべき馬だが、故障で出るべきレースに出られなかったのは残念だ。
同じく3歳最優秀牡馬部門も、ダービーグランプリでの直接対決勝負になり、シルトプレが選出。各地区重賞、地方全国交流競走、ダートグレード競走という三段構えの中で、それぞれの実質的なチャンピオン決定戦がうまく機能した。
3歳最優秀牝馬はスピーディキック。関東オークス(JpnⅡ)に勝っていれば年度代表馬もあった。
そして4歳以上最優秀牡馬部門。黒船賞(JpnⅢ)、かきつばた記念(JpnⅢ)に勝ち、南部杯(JpnⅠ)4着、JBCスプリント(JpnⅠ)5着のイグナイター。ダイオライト記念(JpnⅡ)に勝ったノーヴァレンダ。日本テレビ盃(JpnⅡ)に勝ったフィールドセンスの3頭に絞られた。
通常ならば格でノーヴァレンダかフィールドセンスか、という流れになったとは思うが、ノーヴァレンダは減点こそないが惜しくもマーキュリーカップのレース後に亡くなり、活躍と比較の機会が失われたのは惜しまれる。せめて帝王賞に出走していれば結果は違ったかもしれない。
フィールドセンスも日本テレビ盃で下した相手は良かったが、JBCクラシック(JpnⅠ)で11着では難しい。せめてクラウンプライドから僅差であれば評価は落ちなかっただろう。
JpnⅢではあるがダートグレード競走2勝で、秋はJpnⅠに出走し、南部杯(JpnⅠ)では一瞬夢を見た4着と勝ち負けの争いに絡み、JBCスプリント(JpnⅠ)でも5着と好走したイグナイターが満場一致で選ばれた。
4歳以上最優秀牝馬は文句なしでサルサディオーネ。軽種馬協会的には余談になるが、ばんえい部門は、昨年活躍し、現在最も強い馬はメムロボブサップだが、やはりばんえい記念を評価してメジロゴーリキに。これはチャンピオン決定戦が年度末にあるためで、9か月遅れの評価になるのは仕方ないところだ。
最優秀短距離馬部門も、馬を変えてJpnⅢ2勝のイグナイターとJpnⅡ勝ちサルサディオーネの比較になったが、2勝の評価は揺るがなかった。
最優秀ターフは比較的すんなり「該当馬なし」に決まった。1着賞金3,000万円のOROカップを評価する声もあったが、過去の受賞馬を見ても、その年のレーティング最高値が、コスモバルク117、ハッピーグリン114で、アトミックフォースの100は物足りない。
年度代表馬は4歳以上最優秀牡馬のイグナイターが選ばれた。ダートグレード競走発足後、JpnⅠまたはⅡの勝利がない馬の選出は初めてで、同じく兵庫のケイエスヨシゼン(アングロアラブ)以来である。個人的にはなんとなく破ってはいけない壁を破ってしまった感じはするが、特に南部杯でのレースは昨年のJpnⅠに出走した地方馬の中で最も期待を抱かせる内容であったから、やはり年度代表馬に相応しい結果だったと思う。
ダートグレード特別表彰馬はJpnⅠ2勝馬がおらず悩んだ。前日の夜まではJBCクラシックのテーオーケインズだったが、色々調べているうちに、地方のダートグレード競走最多4勝のショウナンナデシコも候補に加えた。当日もレベルか、貢献度か、ギリギリまで迷ってショウナンナデシコに手を挙げた。これは一番難しい選択だった。
受賞馬の関係者の皆様、受賞おめでとうございます。今年さらなる活躍を期待しております。