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南関フリーウェイ

阿部典子 南関フリーウェイ

第18回 生え抜きも、転入馬も!南関東のダートを熱くする馬たち

 厩舎取材で、この時期ひそかに楽しみにしているのが、船橋競馬場厩舎地区の自然の緑や端正込めて育てられているガーデニング風景です。厩舎地区周辺には、すぐ隣に幹線道路や鉄道が走っているとは思えない自然の息吹いっぱい!野バラやツタがいい雰囲気をかもしだしています。両脇を草木や花に囲まれた小道を歩く馬たちの姿は、古くから続いてきた美しい競馬場の風景と言えそうです。

 さて、ここ最近、ダートグレード競走で苦戦を続けている南関東競馬所属馬たちですが、5月5日に行われたかしわ記念(JpnI)では、ダッシュ良く飛び出し、果敢な走りでレースをひっぱったソルテ(大井 寺田新太厩舎 父タイムパラドックス)が2着と大健闘。直線で勝ち馬コパノリッキー(JRA)に交わされはしましたが、南関東重賞7連勝中の意地を見せる粘り強い走りで、「南関東競馬にソルテあり!」の存在感を強く焼き付けました。

 ソルテといえば、重賞5連勝で臨んだ昨年12月の浦和・ゴールドカップ(SIII)での出来事を思い出さずにはいられません。圧倒的な1番人気を背負いながら、馬場入場後に何かに驚いてしまい、鞍上の吉原寛人騎手を一瞬で振り落とすと、1コーナーに向かってカラ馬のまま走り出してしまうアクシデント。あの時、周囲の心配をよそに、まるで自分で返し馬をするかのように悠然とコースを周回し、検量前まで戻って来たソルテ。大事に至らず、5馬身差での圧勝という結果になったからこそ言えるとはいえ、あの出来事もまた"ソルテ伝説"のひとつとなりそうです。

 その後、3月のフジノウェーブ記念(SIII)を制し、今回のかしわ記念(JpnI)へと駒を進めたソルテ。2012年の2歳重賞ハイセイコー記念(SII)、2013年1月には明け3歳最初の重賞ニューイヤーカップ(SIII)を制しましたが、クラシック戦線ではアウトジェネラル(北海道→船橋→大井)やジェネラルグラント(北海道→船橋)、インサイドザパーク(船橋)といった馬たちの存在にやや押され気味だったことは否めません。

 しかし、経験を積みながら重賞を連勝。南関東を背負う存在となったことは頼もしい限りです。南関東生え抜きの古馬としてJpnⅠ・GIで連対を果たしたのは、フリオーソ(現役時 船橋 川島正行厩舎)引退後では初だっただけに、今後の走りに期待が膨らみます。
nf-201605pic.jpg そんなソルテと同世代、JRA所属時の2013年のジャパンダートダービー(JpnI)で3着(ソルテは6着)にもなったケイアイレオーネ(大井 佐宗応和厩舎)が、5月18日に行われた大井記念(SII)を制しました。過去には園田の兵庫ジュニアグランプリ(JpnII)やシリウスステークス(GII 阪神)を制していますが、昨年夏に移籍してからはこのレースが南関東重賞初制覇。また、今回の勝利は管理する佐宗応和調教師にとって、重賞初制覇のメモリアルとなりました。

 ケイアイレオーネを勝利に導いたのは、自身が持つ重賞勝利最年長記録を59歳8カ月に更新、同一重賞9勝目の偉業達成した的場文男騎手。「佐宗厩舎の重賞初勝利をプレゼントしたといわれるけど、自分がプレゼントを貰った気持ちですね。次開催は東京ダービー(SI)。1度くらいは勝ちたいですね。2着は9回もあるからね。頑張ります!」とのこと。普段から馬や関係者への感謝の言葉を忘れない真摯な人柄が、今回のインタビューでも滲み出ていました。

 別件取材で馬と一緒にいるシーンの撮影をお願いした際には「こっちの向きの方がいいでしょう」とわざわざ立ち位置を変えてポーズを取ってくれた大井の帝王。そんな優しい心配りも、ファンや関係者に愛される理由なのですね。

 さて、競馬界全体が"ダービー"の文字に沸き、1年のうちで最も華やぐ季節がやってきました。南関東リーディングジョッキーの森泰斗騎手も、先のNARグランプリの会見で「目標はダービー制覇」と語っていた通り、ホースマンなら誰もが夢見る"ダービー制覇"の称号。帝王の悲願達成なるか、それとも・・・。勝利の女神は誰に微笑むのでしょう。注目の東京ダービー(SI)は6月8日、大井競馬場で行われます。