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南関フリーウェイ

阿部典子 南関フリーウェイ

第72回 ファンの姿がある競馬場で。JBC2020

 11月3日、大井と門別でJBC2020が開催されました。第20回の今年は、史上初の2場開催!新型コロナウイルス感染拡大防止措置のため、入場できる観客の数は通常よりぐっと少ないものでしたが、競馬場に到着した瞬間に目にした風景や、ワクワクした気持ちが伝わって来る空気に「やっぱり競馬場にはファンがいないと」と実感。失くしたものが少しずつ戻って来たと思える安堵もありました。

 この日はJBC競走の他に、もうひとつのビッグイベントが。ファンの熱い視線が注がれる章典台で、地方競馬、いえ、競馬界のレジェンド・的場文男騎手の黄綬褒章受章の報告会が行われました。黄綬褒章は「農業、商業、工業等の業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を有する方」を対象にした章とのこと。この受章は、地方競馬中央競馬を問わず騎手として初の快挙であり、最多勝利記録を更新し続けているレジェンドの存在を、さらに大きくするものとなりました。

 ファンを前にした的場文男騎手は、「このような褒章をいただくことになり、大変嬉しく思っています。長年頑張ってきたご褒美をいただけたのかなと思います。これもファンの皆さまや関係者の皆さまのお陰です。大井競馬場は不滅です。ずっと続いていきます。体力の限界も感じていますが、(以前のように)ファンの皆さまが競馬場に戻って来るまで、もうひと踏ん張りしますので、また競馬場でお会いしましょう」と語っていました。

 体力の限界とおっしゃっていましたが、激しい騎乗をした直後も足取り軽やかに移動していく姿を目にすることも多々。「的場さんとかけっこで競走したら絶対負ける・・・」と若い世代の報道関係者がつぶやいているのを聞いて、そばにいた皆が「うんうん」と納得したというエピソードもありました。

 さて、JBC2020。大井ではプレスがパドック撮影を行う場合、観客に支障が及ばないようにと、馬主席エリアのフェンスの外側で撮影するよう指定されています。請け負っている媒体によって違いがあるので、全プレスが集うというわけではないのですが、なぜか今回は指定場所が混んでいる・・・。ふと見渡してみると、馬たちに熱い視線を向けるファンの皆さんの姿が。どうやら「パドックの内側に設けられた白い柵が馬に被るのを避けて撮影したい。それが馬主席の後ろ側」という理由だそう。大好きな馬の勇姿をきれいに撮りたい気持ち、すごく良くわかります。その後、密を避けるためにプレスの撮影も「ファンの皆さんに支障を与えない場所で」と変更されました。

 JBCレディスクラシック(JpnI)はファッショニスタ(JRA 安田隆行厩舎)が優勝。口取り撮影前の北村友一騎手の笑顔も印象的でした。JBCスプリント(JpnI)では、大井所属のサブノジュニア(堀千亜樹厩舎)が矢野貴之騎手を背に優勝。ゴールの瞬間に沸き起こった歓声にはぐっと来るものがありました。そして、口取り撮影時に集まった牧場関係者の喜びの声、笑顔。どの勝利も素晴らしいものですが、大舞台、特別な舞台でのああいったシーンは、何度見ても見飽きないもの。競馬場には来られなくても、サブノジュニアに携わった人全て、応援していた人全ての想いが伝わって来るような、素晴らしいシーンでした。

nf-202011.jpg JBCクラシック(JpnI)はクリソベリル(JRA 音無秀孝厩舎)が人気に応えて優勝。その圧倒的な強さに魅せられて、つい忘れそうになっていましたが、表彰式に向かう川田将雅騎手の勝負服にたくさんの砂が付いているのを見て、レースの激しさ、厳しさを感じました。馬場入りするミューチャリー(船橋)に「かわいい!」と黄色い声援が飛んでいるのもいいな、華やかだな、と思ったり。今は人数が少なくても、ファンが作り出す楽しい空気が、競馬場を元気にしていると思えた瞬間でもありました。

 記念すべき第1回JBC2歳優駿(サンダースノー賞)(JpnIII)は、道営・林和弘厩舎のラッキードリームが石川倭騎手で優勝。馬産地に新たな歴史を刻みました。

 来年のJBCは金沢と門別で開催予定。2021年の秋、大歓声が戻った競馬場で馬たちが駆ける。その姿を心待ちにしていましょう。