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南関フリーウェイ

阿部典子 南関フリーウェイ

第73回 あのメンコでもお馴染み ヨユウノヨッチャンの仔がデビューしました!

 年が明けた頃には想像もしない忍耐の日々となった2020年。少なくともゴールデンウィークまでには収束して、無観客競馬も終わるだろうと思っていた2月。取材規制が徐々に厳しくなり、いままで身近にあった音や気配、風景さえも遠くなった春、そして夏。秋が過ぎ冬になり、ようやく少しずつ競馬場に歓声が戻ってきました。

 限られた中での取材や観戦。いつ終わりが来るのだろうかという不安。けれど、そんな中でも、馬たちにまつわる嬉しいニュースは、絶えることなく生まれていました。

 その中から、12月4日、船橋競馬場で行われたカトレアデビュー2歳歳新馬で、競走馬として大きな一歩を踏み出したセイテンタイセイ(齊藤敏厩舎 父タイセイレジェンド 牡馬)をご紹介しましょう。母は、かわいい馬名と、ユニークなメンコで親しまれたヨユウノヨッチャン。セイテンタイセイは初仔で、松下オーナーにとっても、厩舎陣営にとっても、待ちに待ったデビュー戦となりました。

 2008年生まれのヨユウノヨッチャンは、2011年1月21日に船橋の3歳ア未出走未受賞でデビュー。途中JRAに移籍し4戦を経て南関東に再転入(通算成績 67戦8勝)。出走時には松下オーナーやご家族の愛情がたっぷり込められたメンコを着用し、その可愛らしい姿とファイト溢れる走りで、多くのファンに愛される存在でした。パドックにヨッチャンが現れると「かわいい!」という声が聞こえてきたことも。赤と黄色、「よっちゃん」や「余裕」の文字入りをはじめ、ニッコリ絵文字風のメンコを覚えている方も多いことでしょう。

アップ用nf202012.jpg 惜しまれつつ迎えた2016年9月27日のラストランでは、ヨッチャン愛用のメンコを大切そうに手にする大津調教師補佐や、レース後のヨッチャンを笑顔で迎え、何度も撫でる杉山厩務員の姿も印象的でした。現役を終えた寂しさ、無事にレースを終えられた安堵・・・レース後の短い時間の中でしたが、いろいろな気持ちが伝わってくるひとときだったように思います。当時、齊藤調教師が「8歳だもんね。頑張り屋の馬だからあんな風にコツコツとやってこられたんだ。ヨッチャン、よく頑張ってきたよね」と語っていらっしゃいました。

 そして月日は流れ、2018年春に「ヨッチャンに初仔が生まれました!牡馬です!」と嬉しいお知らせが届き、「デビューが楽しみですね」と言っていたのはついこの前のことのよう。あれからあっと言う間に2年が経過。夏に能力試験に合格したセイテンタイセイはひと息入れ、12月4日に晴れのデビュー戦を迎えました。

 2歳新馬戦を見るたびに、この馬たちは生まれてからたった2年の間に親と別れ、環境を変え、いろいろな人たちと出会い、新しいことを覚えてきたのだと、しみじみしてしまうことも多々。母馬(父馬も)の現役時代を知っていればなおさらです。この2年間、自分はどんなことをしていたっけ・・・あれ?と、ちょっぴり反省することも。

 デビュー戦でのセイテンタイセイは、ダッシュ良く飛び出すと、山本聡紀騎手を背に3着という結果。パドックにはヨユウノヨッチャンの現役時代と同様に、その勇姿を見守るオーナーとご家族、齋藤調教師の姿がありました。

 セイテンタイセイについて大津調教師補佐に伺うと、「ヨユウノヨッチャンに似まくりです(笑)。跨った時の馬上からのシルエットや"き甲"のあたりの動きはそっくり!」と、とても嬉しそう。「セールスポイントは、旺盛な食欲と、スタートセンスの良さ」(大津調教師補佐)とのことで、今後への期待が高まります。

 また、松下オーナーの所有馬といえば、ヨユウノヨッチャンの他、スカーレピーコック、オレンジローズ、ゴールデンスパローも、愛らしいメンコを着用して多くのファンの目を楽しませてくれました。ヨッチャンの時は「王冠」のワッペンでしたが、勝利のたびにメンコに新たなモチーフが加わるなど、楽しい発見もありました。これからの走りを応援しながら、セイテンタイセイのメンコにも注目していきましょう。