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南関フリーウェイ

阿部典子 南関フリーウェイ

第88回 益田競馬場の誇り 「チーム益田」 で掴んだ南関クラシック優勝!

 今年も待望のクラシックシーズンが到来。3月17日に浦和競馬場で行われた桜花賞(SI)を制したのは、藤原智行厩舎のスピーディキックでした。道営・石本孝博厩舎でデビューし、浦和の藤原智行厩舎へと活躍の場を移したスピーディキック。NARグランプリ2021で2歳最優秀牝馬に選出された実績通り、堂々の桜の女王の座に輝きました。

 「本橋孝太騎手からバトンを受け継いで、しっかり結果を出せてほっとしています。返し馬で跨ってからレースプランを考えようと思っていたのですが、大外で不利な状態だったので苦労しました。スタッフがしっかり仕上げてくれたこと、そして、この馬の能力の高さを感じました」。そう語ったのは勝利へとエスコートした御神本訓史騎手。

 御神本騎手といえば益田競馬場出身として知られていますが、藤原調教師も益田競馬場出身。そして、担当の末田厩務員も益田競馬場の出身。そう、今回の勝利は「チーム益田」で掴んだ、念願の「クラシックの肩掛け」でした。

 「前回の東京2歳優駿牝馬の時よりも馬の状態も良かったです。大外の8枠11番に入って周囲からは心配の声もありましたが、僕はどの枠でも気になりませんでした。欲しかったのは桜花賞の肩掛けだけ。もし内枠で勝ったら、枠のお陰で勝てたと思われたくもなかったので、内枠も外枠も関係ないと思っていました。『チーム益田』で勝てたことが嬉しい。廃止になった競馬場が、技術がなくて廃止になったんじゃないと、これで見せられたことが嬉しいです」と藤原調教師。その口調からも、このレースに賭けて来た熱い思いが伝わってきました。

 「前回騎乗して優勝した本橋騎手も上手いジョッキーだと思っています。あの時は100点の競馬をしてくれました。ただ、今回はオーナーにお願いして、益田にいた御神本騎手でレースに臨ませていただきました。僕はここに立つために調教師になりましたから。益田にいたメンバーで勝ちたいという気持ちでした。それがこうして実現できて、南関東のクラシックで勝てた。嬉しいですね。レースから戻って来た御神本騎手は『やったね』と言ってくれました」(藤原調教師)。

 その時の御神本騎手は、カメラのファインダー越しからでも喜びがはっきりと伝わってくるほどの、キラキラとした笑顔。口取り撮影のために並んで歩く藤原調教師と御神本騎手は本当に嬉しそう。百聞は一見にしかず。ここに掲載しておきましょう。
 nf202203pic.jpg 「スピーディキックの強味は馬群で我慢できることと、突破能力。これは牝馬ではなかなかつかない能力です。どこからでも騎手の指示を聞いてくれるのも、あの馬の素晴らしいところだと感じています」(藤原調教師)。そういえば、4コーナーで弾かれ、一瞬「!!!」となるシーンがありましたが、それさえも闘志に変えたかのような、圧倒的な勝利でした。

 以前は小分けにした飼い葉も残していたというスピーディキック。「もう、手で食べさせないと、という状態でした」とのことでしたが、飼い葉も食べるようになったそう。左回りの乗り込みも重ね、万全の体制で、そして、自信と益田競馬場出身の誇りを持って臨み掴んだ勝利には、1勝以上の重さがあったのではと思います。

 藤原調教師が自ら開設していらっしゃるSNSでは、益田競馬場出身の皆さんが手掛けた数々の名馬たちの名前が紹介されていて、そのラインナップは眩しいばかり。今回のスピーディキックの他、ジャパンダートダービー(JpnI)の優勝馬・ヒガシウィルウィン、勝島王冠(SII)や大井記念(SI)の覇者・モジアナフレイバー、全日本2歳優駿(JpnI)、東京ダービー(SI)優勝馬・アランバローズ、ロジータ記念(SI)を勝ったグランモナハート、羽田盃(SI)を制したナイキハイグレード・・・。どの馬も、多くのファンの期待を背負い、大歓声の中、先頭でゴール板を駆け抜けました。あの数々の熱い場面には、益田競馬場という存在がずっと息づいてきたのだと、そしてこの先もずっと繋がっていくのだと、今回の桜花賞を通じてひしひしと感じました。

 スピーディキックの次走は2冠目、5月11日の東京プリンセス賞(SI)を予定しているとのこと。その走りが見せてくれる景色を楽しみにしていましょう。