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第58回 平(たいら)な心は馬に安心感を伝える~腕利きに共通するのはいつもと同じ雰囲気~

2015.01.07
 皆様、明けましておめでとうございます。とは書きつつも、現在はまだ2014年。暮れの有馬記念まで競馬もラスト3週というところなのですが、その3週もあっという間に過ぎてしまいそうな雰囲気です。
 特に2014年の締めくくりとなる有馬記念は、史上初となる枠順選択制を導入。これについてはいろいろな意見があるように感じますが、その話題は置いときまして当日、私はBSフジの中で栗東におけるレポーターを担当することになりました。

 初の試みだからこそのハプニングや、陣営の意図する気持ちをどこまで聞くことができるかなど、皆がはじめてだからこそ想像できないところも...。

 さぁどういう形となり、この選択制が今後も続くのか?それとも枠順は神のみぞ知る人間が立ち入ることのできない元の領域へと戻るのか?その点も含めて動向が気になります。

 それにしても私にとっての2014年は、今までにないほどの忙しさでした。
 言葉ではなく泣いて自分の意志を訴える息子に戸惑いながら日中を過ごし、夜は夜で数時間おきの授乳。

 寝不足もあってか?1歳にも満たない子にキレテしまう39歳...。ふと我に返ったとき、我慢・辛抱の足りない自分を情けなく思うと同時に、いかに今まで自由な時間が与えられていたかに気づかされ、自由に使える時間の有り難みをつくづく感じた年でもありました。

 さて話は変わり、先日、東京大学で行われた日本ウマ科学会の学術集会に参加。以前からお聞きしたかった持田裕之氏の「ウマの心理とコミュニケーション」を受講してきたのですが、その中で馬は一定であることに安心感を得る生き物であるからこそ普段扱う人は、ブラッシングの1つをとっても、同じ方向・同じスピード・同じリズムで毎日接することが馬の精神面で大事なことと話されていました。

 確かに取材をしていて感じることの1つに、活躍馬を何頭も作り上げる厩務員・持ち乗り助手の方々、いわゆるトレセン内における腕利きと言われる方達は、いつお逢いしても不思議と同じ温度、同じ態度なのです。

 人間だから前日にイライラする出来事や、心配事、はたまた二日酔い、もしくは用事で急がなければならないなど様々なシチュエーションや感情があると思うのですが、そんな個人の事情を全くもって感じさせない雰囲気。

 ということはイコール、馬自身も担当者の行動に対して疑問を抱くことが少なく、安心した精神状態の中で毎日を過ごせるということなのでしょう。

 その安心が安定した心を作り、考える力であったり、競走馬としてのONとOFFの切り替えが作りあげられる要因ともなるのかもしれません。

 そう考えると、言葉でコミュニケーションが取れない赤ちゃんも一緒なのかも...。どちらかというと私は感情の起伏が激しく、自分の気分によって態度が変わってしまう傾向があり、生き物を扱う上で最も適していないタイプ。

 「三つ子の魂百まで」と言う言葉があるように、1歳3ヵ月となった息子の人格が形成される上でも重要な時期である現在。
 ということで2015年度の私の目標は、「日々、安定した心」。ママ業も2年目に入りますし、仕事と育児でいっぱい・いっぱいにならないよう、努めたいと思います。

 それでは皆さん今年も「ホソジュンのウマなりトーク」お付き合いのほど、よろしくお願い致します。
 ホソジュンでしたぁ。
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