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第60回 M. デムーロ騎手とルメール騎手、維新の年~言葉の壁がよりプラスへと働く環境に~

2015.03.16
 2015年は、二人の外国人騎手を迎え入れる新たな年となりましたね。
 これまで長きにわたって日本競馬を盛り上げてきたミルコ・デムーロ騎手とクリストフ・ルメール騎手が本格的に腰をすえて日本の競馬に入り込んでくることで、やはりこれまでとは違う何かしらの状況の変化が多方面に出てくることでしょう。

 過去振り返れば安藤勝己騎手が地方から中央への門戸を開き、岩田騎手・内田騎手・小牧騎手・戸崎騎手・柴山騎手・岡田騎手と6人のジョッキーが現在現役として活躍中。

 また外国人騎手の短期免許も導入され、年々騎手を取り巻く環境には大きな変化があります。それにともなってか?騎手同士の関係性も微妙に一昔前とは違った方向へと進んでいるようにも思えるのです。

 もちろんそれは地方や海外からの騎手が入ったことだけでなく、エージェント制度など様々な要因があるとは思うのですが、日本人騎手同士の仲間意識というか仲の良さがレースにおいても垣間見れてしまうケースや、厩舎と騎手との関係性に大きな溝ができたことで1頭の馬に対する認識度や思いの強さが軽減されているように感じ、個人的には杞憂するところも...。

 例えば今年最初のGⅠ・フェブラリーS。率直な感想は、「え?なんで誰もしめにいかなかったの?」という疑問でした。近走、スタートの出がユックリとなっているコパノリッキーの最大の弱点は馬群に包まれること。内枠となった時点で、その点を考慮して馬券を検討したファンもいたことでしょう。現にオーナーであるドクターコパさんの勝利後の第一声は「最初ヒヤッとした~」というものでしたし、他馬に騎乗した騎手の中には、「やっぱり勝ち馬はああいい形だと強いよね」とのコメントも。そう、言い換えれば人気馬の弱点も強みもこれまでのレース振りから理解できていたこと。それを知りながら、しかも付け入るスキがなかったわけでもないのに...。

 もちろんそれぞれに脚質や枠などがあり、全ての騎手にそのチャンスがあったとは言いませんが、レースにおける最高峰の舞台GⅠと思えないユルサを感じてしまったのは私だけでしょうか...。

 こんな事を書くと、「ヘボジョッキーだったホソエが何を言っているのだ」とお叱りをうけそうですが、下手クソでGⅠに騎乗する事など夢のまた夢だっただけに、GⅠに騎乗できるトップジョッキーたちの卓越した手綱捌きや駆け引き、そして気迫に憧れを抱いていただけに、残念な気持ちになったのです。

 もちろんこれは騎手だけの責任ではなく、乗り替わりが多い日々の中で情熱や希望、陣営との会話が失われる環境もあってのことだと思いますし、アニメ・ドラゴンボールの世界ではないのですが、新たに強い敵が出てくることによって、昨日の敵が今日の友となり、勝負に徹することのできない関係性もうまれてくるのかもしれません。またそこにエージェント制度によるチーム意識も重なり、騎手の立場は以前にも増して複雑な人間関係を背景としているのも事実。

 しかしその背景がレースにおいて垣間見れた時点で競馬ファンの心は冷めてしまいますし、益々しがらみのない外国人騎手を支持する声がよりいっそう高まるでしょう。そして何よりも個人的に懸念するのは、言葉が通じないからこそ、言葉によって騎乗馬を理解しようとする厩舎陣営とのコミュニケーションが通訳を介して自然とできる状況に、薄れつつある日本人騎手と陣営の溝を埋めていく結果となり、より差がうまれそうな気がするのです。

 皆さんはどうお感じでしょうか?

 それではまた来月、お逢いしましょう。
 ホソジュンでしたぁ。
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