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第126回 こういう状況下だからこそ良心を失わずに ~秋競馬を迎えるにあたっての春競馬~

2020.09.17
 無観客のまま終わりを告げようとしている夏競馬。そして、このコラムが皆さまのお目に触れる頃には秋の音も聞こえ始めているのでしょう。
 
 年明け以降、様々な面で生活が変わり、またコロナが長期化となったことで人々の意識にも、かなり変化がうまれている様子。

 そしてその最中に起こった栗東での厩舎の火災には、本当に胸が痛みました。またコロナの影響からか、乗車する電車が人身事故により遅延となることが多く、その中の1回は新幹線乗車中に起こり、2時間以上にわたって停車する事態も。結果、帰宅したのは翌日となったのですが、体の疲れ以上に、こういった世の中ゆえ、何とも切ない気持ちになり心の方がブルーになったのですが、その気持ちも晴れないまま、今度は息子の通う小学校に爆破予告があり、コロナによって短縮となった夏休み明け翌日が休校となる事態。

 そして8月の終わりには、息子の通う英会話スクールの先生がコロナに感染。生徒たちは、体温測定に消毒、マスクの着用が義務付けられていましたし、先生方においてはフェイスシールド、マスクの着用以外にも除菌ブロッカーを身に着け、レッスン時にはパーテーションを用いていたこともあり、保健所から、「万全の対策を取られていたので濃厚接触者とはなりませんが、念のために息子さんのPCR検査をお願いします」との要請を受け、検査も含め、3日間学校を休むことに。

 正直、それまでは、知り合いや身近な人の感染を目にしてこなかったことに、心のどこかで他人事のように感じていたコロナ。

 しかし今回のことで、そうではないと気づかされましたし、この時期は競馬界においては調教師試験を間近に控えており、受験をしている旦那さんにとっても大事な時。もし家族の誰かがコロナ感染となれば、自宅待機となり、願書の提出の際に必要な健康診断書の受診を受けられず、試験どころか、受験資格すら失う可能性も...。

 これはうちに限ったことではなく、受験をされているご家庭はどこもそうだと思うのですが、この数年は仕事と受験勉強に時間を費やす旦那さんを中心に家族がまわっており、私と息子にとっても大切な時期。

 そう感じた瞬間、コロナによって、オリンピックや甲子園、そして表面には出てこない至るところで、1人1人が積み上げてきた歩みが崩されていることに深く気づかされ、胸が締め付けられる思いに...。

 このコロナによって個人の自由が奪われ、また差別や誹謗中傷がうまれている状況は、まさに戦争と重なりますし、今回のことで改めてコロナは身近なものだと痛感。

 だからこそ良心を失うことのない自分でいること、そしてできうる感染予防対策は徹底すべきだと再認識しました。

 話は変わり、この秋競馬は牝馬・牡馬共に3冠馬の誕生に注目が集まりますね。コントレイル・デアリングタクトの両馬は共に春競馬で、強さや根性、そして賢さを披露する素晴らしい競馬だっただけに、秋の走りが楽しみでなりません。

 また春競馬においては、個人的に池添謙一騎手の騎乗内容にも魅了されるシーズンでした。特にそれを感じたのが、グランアレグリアの騎乗振り。過去、スイープトウショウやドリームジャーニー、そしてオルフェーヴルで積みあげてきた池添騎手だからこそ成し得た勝利に感じられるもの。このあたりの話は、次回に。

 それではまた来月お目にかかりましょう。

 ホソジュンでしたぁ。
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