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第160回 静寂さが魅力のライアン・ムーア騎手 ~感情のコントロールには正しい姿勢~

2023.07.18

 知人との何気ない会話や、ふとした瞬間の出来事が、天からのメッセージのように心に響くことってありませんか?

 先日、たまたま見ていたTVドラマで発せられた、「自分の機嫌を取るのは、自分しかいないのですよ」というフレーズが、妙に腑に落ちるというか、脳裏に刻まれ考えさせられる言葉となりました。

 確かに、自分の気持ちをコントロールするのは自分自身のマインドのみ。特に納得のいかない出来事が起こった際、私は他人に意見を求めることの多い生き方をしてきましたが、所詮、他人に意見を求めたところで、それは相談ではなく発散にしかならず、その度合いや回数によっては、大切な人から敬遠されてしまうケースも...。

 よくよく考えてみれば分かることなのですが、なぜそのような大切なことに40歳後半になるまで気づかなかったのだろう...と、恥ずかしくなってしまいました。

 また、これまでの人生を振り返ると、魅了される人というのは、いつあっても同じ空気をまとい、飄々とされている方。いわゆる心の温度が一定で感情のブレがない人だったように思います。と同時に、子供の頃、祖父母に、「人様に迷惑をかけてはいけない」と、言われ育ちましたが、自分自身の感情をコントロールできることも他人に迷惑をかけないことの1つに当てはまり、結果、それが大人になることを意味していたのかな...と、今頃になって本質を読み解けた思いにも...。とはいえ、私が目指した競馬の世界は常に勝ち負けが求められる場であり、特に騎手においては、感情の激しさが強さに繋がるといったイメージも‥‥。

 そんな中、競馬場でもトレセンでも、また食事をご一緒した際でも、何1つ変わらない雰囲気で、静寂な空気に包まれているのがライアン・ムーア騎手。

 実はこの背景には、父親からの、「紳士たるもの、感情の起伏を人様に見せてはならない」との教えがあったとのこと。本当にステキだと思えると同時に、よくよく考えてみれば、馬上で冷静であることがレースにおける最善の判断力に繋がり、勝利への確率が高まるところも。

 また犬や猫を飼ったことがある方なら経験があると思いますが、家族の中で動物が1番なつく人というのは、結局のところ穏やかな人。少し遅いかもしれませんが、これからの自分は、感情のブレが少ない人物になれるよう歩んでいきたいなと思いましたし、その為にも、辛いことや理不尽なことに遭遇した際には、自分自身が心地よく逃避できる場所や物事をリストにあげ、自分を甘やかすことも非常に大切だとも思いました。「そんなの当たり前だよ」とか「既に実践してますよ」「ホソエさん、今頃ですか?」との声も聞こえてきそうですが、私にとっては非常に大きな変化となりました。

 また感情を穏やかに保とうと努める為には、メンタルのコントロールやマインドの誤魔化しも必要ですが、実は、それを実行するにあたっては、骨と骨組みが健康であることも大切な気がしています。

 これは癖を持つ馬を取材して感じた背景や、出逢う方でステキだなと思う人に共通する点であり、その1番の物差しとなるのが、姿勢。つまり、骨が正しい位置に存在することで、内臓の場所も適確な配置となり、至っては正しく機能し、健康を保てるという流れ。ということで、最近は重力によって下がってしまった筋肉や凝り固まった脂肪を一度柔らかくし、電流を使いながら骨の位置を戻すイメージの施術やトレーニングを実行中なのですが、以前よりも疲れにくい体とメンタルになっている気がしています。

 皆さんの健康法やストレス軽減法は、どのようなものなのでしょうか?

 それでは皆さま、また来月、お逢いしましょう。ホソジュンでしたぁ。

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