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第172回 ダノンデサイル陣営に見るプロフェッショナル~限りある時間での変化と成長~

2024.07.18

 2024年の上半期の競馬も終わりましたが、今年は、厩舎&騎手共にG1初制覇も見られ、悲願のG1制覇に涙する姿や陣営の抱き合う姿に、レース後に受ける感動も多くあったように思います。


 またその一方で、ベテランの采配と技に大きなインパクトを受けたのが、日本ダービーでの横山典弘騎手でした。


 皐月賞を取り消した上での日本ダービー制覇。通常という言葉が正しいのかどうか分かりませんが、これまでの感覚からいうと、このローテでの勝利は、なかなか考えづらいものがあり、レース後、私も含め、驚きの声が多く聞こえました。


 しかしその驚きが、自身の浅はかさから生まれているような申し訳ない気持ちとなったのが、横山典弘騎手の勝利騎手インタビューでの、「皐月賞での自分の決断が間違っていなかったのだなぁ」という言葉。


 これは想像ですが、常に馬との対話を心がける横山騎手だからこそ、皐月賞での回避の判断が、本当に正しかったのか?そうではなかったのか?と、日々、自問自答されていたのではないでしょうか。


 と同時に、回避後、気持ち的にも体的にも、一からの作りとなる作業を経て掴んだ勝利は、ダノンデサイルに携わるプロフェッショナル同士が歩んだからこそ成しえたものだと感じ、安田翔伍厩舎と横山騎手との日々の深さが感じとれ、これぞホースマンの歩みと思えるものでした。


 そしてダービーが終わってから知ったのですが、ダノンデサイルの担当者は、あのテイエムオペラオーの原口厩務員。


 改めて、真のホースマンたちが集結してのダービー制覇だと再認識するものでした。


 それにしても早いもので、今年も半年以上が過ぎましたが、私にとっての上半期は、とにかく目まぐるしく、移動&仕事&子育て&原稿に追われる日々でした。


 また仕事の後は、お酒を呑まずには心が落ち着かない状態ともなり、飲酒の量が増えたこともあったのか、ダービー以降、体の調子がイマイチで、宝塚記念を終えた深夜から、めまいに襲われ寝込んでしまいました。


 しかも西園翔太厩舎で持ち乗り助手をする旦那さんは、北海道開催の前の週から函館入りをしての滞在。


 フラフラの状態でのワンオペに、不安に思っていると、10歳になる息子が、「ママ、アクエリないよね?他にいるものは?」と、動けない私の状況を察し、夕食の食材を買いに行ってくれるなど、自ら進んでサポートしてくれたのです。


 知らないうちに成長している息子の姿に、感動してしまいました。


 しかも食材の1つに卵をオーダーすると、「卵は何個入りのもの?」と、普段、見ていないようで卵のパックの違いを把握しており、その一言にも、心動かされるものがあり、またまた感動してしまいました。


 子供も馬もそうですが、過ごした時間があるからこそ得られる変化や成長、これが何ごとにも代え難い幸せなのでしょうね。


 日本ダービーと我が子に、そんなことを感じる上半期でした。


 そして下半期も、福島や新潟、門別や園田、徳山など、様々な場所に足を運ばせてもらう予定ですので、暑さとお酒の量に気をつけながら過ごしていこうと思っています。


 それでは皆さん、また来月、お逢いしましょう。ホソジュンでしたぁ。

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