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馬ミシュラン

小山内完友 馬ミシュラン

第36回 JBCに思う

 ご存知の通り,今年の第11回JBCは2007年の第7回以来,4年ぶりに大井競馬場で行われた。久々となった経緯は皆さんご存知の通り,2007年度より転入が可能となった大井の海外既走外国産馬の制度に,国内生産界が反発したため。

 その年の第7回JBC自体も一時開催が危ぶまれ,開催されないとか,あるいは「JDF(仮称)」とかいう別なイベントが開催されるだとか,そんな噂に我々新聞屋も右へ左へと振り回されたようなことを覚えている。結局,第7回JBCは開催されることとなったが,生産者団体からの支援は打ち切られ,自力開催に...。

 その後JBCは園田,名古屋,船橋で開催。幸か不幸か?あるいは怪我の功名?大井を避けて通ったJBCは初の関西圏,2度目の中京圏,首都圏では初となる馬産地・船橋開催と,本来のコンセプトのひとつでもある「持ち回り開催」を実現させた。特に,やりたいんだかやりたくないんだか,今ひとつ態度が分からなかった船橋開催を実現させたことは,大きな収穫であったと思う。

 そして昨年,海外既走馬制度が凍結され,満を持しての大井開催となった。

 今年から新たなカテゴリー「JBCレディスクラシック」が創設された。3歳以上牝馬による,1800mのレース。それに伴い賞金も変更され,「JBCクラシック」が1着1億円→8,000万円に,「JBCスプリント」が1着8,000万円→6,000万円に,そして「JBCレディスクラシック」が1着4,000万円。クラシックとスプリントから2,000万円ずつ「拝借」する格好となった。賞金交付率はこれまでと同じ170方式。

 レース当日は天候に恵まれ,11月とは思えない暖かさ。調教スタンドの気温計は19~20度を示していた。
レース当日の場内は前回の第7回比で119.2%となる33,579名の来場者でひじょうに賑わっていた。特にL-WINGと2号スタンドの間のスペースには,盛岡競馬場でお馴染みのジャンボ焼き鳥や,水沢競馬場のホルモンなどに多くの来場者が列を作っていた。

 馬場は良馬場だったが,砂は見たところ新しく入れ替えたか新砂を増したようで,砂粒がサクサクしていて脚抜きが良さそうな感じ。そのせいか1800mで行われたJBCレディスクラシックでは,ミラクルレジェンドが,昭和55年に記録されたカツアールの1分49秒9をコンマ3更新する1分49秒6のレコードタイムで快勝。続く1200mのJBCスプリントでも,スーニ(USA)が,昭和55年にカオルダケが記録した1分10秒2をコンマ1更新する1分10秒1のレコードタイム。長年,馬柱の校正などで見慣れたこれらのレコードが更新されたことに,若干の名残惜しさも残るが,それだけのパフォーマンスをファンにみせてくれたことは喜ばしいことでもある。

 JBCクラシックも大方の予想通り,スマートファルコンとトランセンドの一騎打ち。シビルウォーもなんとか食い下がったが,追い付けず。4着以下は大差というレースとなった。さすがにレコードタイムは出なかったが,期待通りのレースとなり,払い戻しの行列も久々に見ることができた。

 ただし,いい事ばかりではなかった。18時40分発走のJBCレディスクラシック終了後,18時55分にシステム障害によりSPAT4(南関東4競馬場の在宅投票)のインターネット投票が受付不能に。19時25分にJBCスプリントが発走,インターネットによる投票(携帯か?)が一部復旧したのが19時45分,パソコンのインターネット投票が復旧したのがJBCクラシック発走5分前の20時05分。完全復旧は20時19分。強制的に再起動したようだ。

 当日の構成比を見ると,レディスクラシックが30.1%に対し,スプリントは18.1%,クラシックは23.1%。比率から推測すると,約3億~5億の「売り逃し」が予想される。一部は楽天競馬に「避難」したようだが,即座に移れるファンはそう多くはなかったようだ。SPAT4が混雑するのは,大レースではよくあることだが,これはいかにも「もったいない」出来事だった。1日の売得は31億684万円。これがなければ目標に届いていた可能性は大きいし,それ以上に,地方競馬に参加してくれる(決して多くはない)ファンの期待を損なってしまったのが,ひじょうに残念だ。