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第52回『次のセンターは誰だ』

2013.04.11
 3月2日の中山競馬第3レース。大井競馬から中央競馬に移籍した戸崎圭太騎手が、オメガインベガスに騎乗し1着。移籍後3戦目で初勝利を挙げた。そして、今年デビューの騎手1番乗りとなった。一応新人騎手ではあるが、ご存知の通り地方競馬の騎手として今年で16年目。既にJRAのGⅠも制している。
 戸崎騎手は1998年に大井競馬場でデビュー。ミヤサンヤシマで初騎乗、初勝利を挙げている。2005年のトゥインクルレディー賞をコウエイソフィアで勝ち、重賞初勝利。2007年に内田博幸騎手に次いで南関東リーディング2位に。

 内田博幸騎手のJRA移籍後、2008年306勝、2009年387勝を挙げ、2年連続全国リーディングに輝いた。2010年は地方競馬では2位だったが、規定で中央の成績も合算されるため、最優秀勝利回数騎手賞に。2011年、2012年も戸崎騎手が受賞。名実ともに「地方競馬のエース」「不動のセンター」だ。

 「前エース」内田博幸騎手の移籍後は戸崎圭太騎手が「センターの座」を射止めた。目下、ファンや我々業者の注目は「次のセンターは誰か」ということである。1年待てばハッキリするのだが、そこまで待てない!という方のために、そんな需要があるかどうかは別として、予想してみる。

 南関東リーディングを獲得するには、まず騎乗数が重要である。毎週ほぼ月曜日から金曜日までの5日間、時には土曜や日曜開催もあるから、週6日間騎乗する週もある。さらには1日8鞍、連続6鞍までの騎乗数制限。内田博幸騎手が464勝を挙げた2005年は、なんと年間1953騎乗している。それを単純に1日8鞍で割ると、245日騎乗することになる。戸崎騎手も最近3年は2010年に1653騎乗、2011年に1486騎乗、2012年に1533騎乗している。ケガや騎乗停止で休むとひじょうに厳しく、かつ200日以上となると南関東4競馬場を万遍なく騎乗する必要がある。心身両面でのタフさが必要なのである。

 もうひとつ。成績上位の厩舎に騎乗すること。例えば内田博幸騎手は2006年に大井の蛯名末五郎厩舎に168騎乗、船橋の川島正行厩舎に158騎乗、川崎の内田勝義厩舎に73騎乗。他にも各競馬場のリーディング上位の厩舎に騎乗していた。

 戸崎圭太騎手も2012年に浦和の小久保智厩舎120、船橋の川島正行厩舎103など、やはり有力厩舎への騎乗が多かった。
 特に川島正行厩舎の依頼状況を調べると、2003年は石崎隆之騎手99(39勝)、以降2004年内田博幸騎手78(34勝)、2005年内田博幸騎手184(64勝)、2006年内田博幸騎手158(66勝)、2007年104(37勝)、2008年からは戸崎圭太105(42勝)、2009年戸崎圭太184(78勝)、2010年戸崎圭太144(43勝)、2011年戸崎圭太159(58勝)、そして2012年戸崎圭太103(30勝)と、騎手、厩舎リーディングと密接な関係にあることが分かる。

 では「次のエース」「センターの座」は誰か?

 戸崎騎手移籍後、3月1日から3月19日までの間、戸崎騎手のお手馬のべ61頭が誰の元に行ったか調べると、最多は大井の御神本訓史騎手で14騎乗、続いて川崎の山崎誠士騎手6、大井の坂井英光騎手と船橋の森泰斗騎手が5、大井の真島大輔騎手4、船橋の川島正太郎騎手3、船橋の張田京騎手と、石崎駿騎手、大井の和田譲治騎手、そして川崎の今野忠成騎手がそれぞれ2、以上45鞍で、それ以外の16鞍は1回ずつとなっている。

 参考までに3月11日から15日までの船橋開催で、川島正行厩舎は、川島正太郎騎手が3、御神本騎手が2、今野騎手が1、そして戸崎騎手本人が交流戦当日にひと鞍騎乗している。

 前述の「過去の傾向」通りなら御神本騎手がセンターの座最有力候補と言えるが、御神本騎手はケガや騎乗停止が多く、このクラスの騎手としては珍しく年間を通して騎乗した年が少ない。

 騎乗数でみれば、例えば2012年ならリーディング2位の坂井英光騎手が1444騎乗、3位の真島大輔騎手が1317騎乗、そして4位の森泰斗騎手は戸崎圭太騎手を超える1570騎乗である。他に的場文男騎手、今野忠成騎手、山崎誠士騎手が1000騎乗以上で、恐らくこの中にいるだろう。

 前田敦子後の総選挙は順当に大島優子だったが、こちらの「センター争い」はかなり面白そうだ。
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