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第120回 『平成最後のJBC』

2018.12.25
 11月4日、17回目のJBCが行われた。今回の開催地は京都競馬場。JBC初となる中央競馬主催のレースとして行われた。
 JBCは2001年に創設され、これまで地方競馬の競馬場の持ち回りで開催されてきた。京都での開催が決まった時は当然のようにファンの間で賛否両論の声があった。

 そもそも、JBCのホームページにある「JBCの意義」にはJBCの創設について「(以下抜粋)その生産者の危機感は主に地方競馬に向けられています。多くの地方競馬場の不振、存廃までもが議論される現状は、地方競馬を含めた総体での開催規模を基盤として成立している生産界にとってまさに憂うべき事態であり、また賞金の減額による馬の価格の低下や売れ残りは、すでに現実に生産者に打撃を与えています。
(中略)それは地方競馬の窮状打開によって日本の競馬全体の発展を図る意味合いから、地方競馬を中心に行われているダート競走においてチャンピオンデーを設けることとして計画されました。(以上抜粋)」とある。

 京都開催決定の際、地方競馬全国協会は「JBCの永続的な発展を図りたい。JRAのファンには地方競馬にもっと目を向けてほしい。連携を進めるためにも主催者の総意でJRAでの開催をお願いした」と説明している。

 額面通りに受け止めれば、JBCは、当時売り上げ不振で存廃の危機に瀕していた地方競馬の窮状を打破し、競馬全体の発展を図るためにダートのチャンピオンデーを生産者が主体となって設けた、さらに、JBCが永続的な発展をするために、もっと地方競馬に目を向けてもらうためにJRAでの開催を行った、ということになる。

 実際のところ、地方競馬で開催された17回で本場の最多入場者数は大井競馬場で行われた第1回の48,454人が最多で、未だそれを超えていない。一方で当日の売上は川崎で行われた第16回で48億7,402万2,850円。その翌年の大井で行われた第17回はスプリント、クラシックでレース売上レコードを記録したものの、当日の売上は微減であった。

 またレース単位で比較すると、第1回のクラシックは13億4,502万500円を売上げたが、第17回は18億1,236万8,300円と4億6,734万7,800円の伸びをみせているものの、内IPAT発売分が9億9,722万5,600円だったから、単純計算は出来ないが、あえて単純計算すれば主に本場、場間場外発売分(SPAT4等含む)は5億2,987万7,800円分減らしている、と思われる。

 そう考えれば、「永続的な発展をするために」という説明は納得できる。危機感、だろう。

 もうひとつの注目は、JRAでのチャンピオンデー開催である。

 ジャパンカップとジャパンカップダートの同日開催については以前触れたので割愛させていただくが、いわゆるチャンピオンデーについてJRAはあまり乗り気ではないように感じる。それはご存知の通り売上面が理由だろう。

 今回、スプリントが39億3,487万4,700円、クラシックが75億2,690万4,700円、レディスクラシックが42億6,908万9,200円。JBC3競走でトータル157億3,086万8,600円を売上げたが、この秋の菊花賞、天皇賞・秋がいずれも180億円台と好調。JBC3競走いずれも好メンバーが揃っただけに、仮に3週に分けて開催すればもっと売れただろう。

 また同日に東京競馬場で行われたアルゼンチン共和国杯は32億4,145万2,900円で対前年比55%。もろに煽りを受けた感じで、やはりファンの財布の中身には限りがあることを証明した。

 成功か失敗かは関わり方によって違うので何とも言えない。筆者もうっかりレディスクラシックの3連単を当ててしまったが、地方の開催だったらあんな好配当にはならなかっただろうから、個人的には成功である(笑)

 新元号最初のJBCは浦和競馬場で行われる。南関東で開催されれば、例年概ね3万人の入場者が見込まれる。その昔、正月開催で同規模を経験しているが、場内大盛況で身動きできなかったことを覚えている。その時に比べれば、新スタンド等で収容力も上がると思われるが、大混雑は間違いない。乗車率の指標ではないが、「肩が触れ合う程度で、新聞が楽に読める」くらいの混雑率なら「永続的な発展」に寄与するものと思われる。

 結局ファンが楽しめたかどうか、そこしかない。
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