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第207回 『種牡馬展示会ラッシュ』

2026.03.18

 本格的な種付シーズンを前にした、2月上旬から各スタリオンで開催される種牡馬展示会。今年は北海道内のスタリオンのみならず、JBBA九州種馬場とJBBA七戸種馬場でも開催された。


 締め切りの関係もあり、JBBA九州種馬場と、JBBA七戸種馬場の種牡馬展示会についてはここで取り上げない。ただ、北海道内で開催された種牡馬展示会は、どのスタリオンにおいても、空前絶後と言えるような盛り上がりを見せていた。


 具体例を挙げるとするなら、どの展示会でも一目で分かるほどに来場者の数が多く、スタリオン内の駐車場も早い時間から満車となっていた。また、種牡馬展示会では各スタリオンが、来場者に向けてのノベルティを配っているのだが、展示会開始前に配布が終了していたスタリオンもあったほどだった。


 毎年、どこかで悪天候に見舞われる種牡馬展示会ではあるが、今年は雪の影響もほとんどなく、好天に恵まれる日がほとんどだった。


 それが生産関係者のフットワークを軽くしたとも言えそうだが、やはり今年でいうと、話題性に溢れる新種牡馬が続々とスタッドインしたのが、この盛り上がりに寄与していた。


 その中でも注目度がひときわ高かったのが、JBBA静内種馬場で今シーズンから供用された、アメリカンファラオ(USA)である。


 米三冠馬のスタッドインだけでも、ニュース性としては抜群なのに、そこに日本での産駒成績や、先に導入されていた後継種牡馬の活躍もあいまって、更に注目度は増していた。


 自分もアメリカンファラオ導入のニュースを聞いた時には、信じられない思いがした。スタッドイン当日に取材へ行った際にも、「本物のアメリカンファラオだ!」と柄にもなく興奮をした。


 それは、種牡馬展示会で初めてアメリカンファラオを見た、生産関係者も一緒だったに違いない。このクラスの種牡馬となるとほとんどのスタリオンでは、展示の時点で既に満口となっているのが常である。


 ただ、JBBA静内種馬場では他の供用種牡馬と同様に、事前申込による配合牝馬の選定は行わず、種付日の2日前の予約受付を元にしながら、血統・年齢・繁殖成績などを総合的に勘案して配合馬を決めている。


 生産関係者がアメリカンファラオの一挙手一投足に目を凝らすのも当然であり、そして、配合相手にどの繁殖牝馬を申し込もうかと考えていたはずだ。


 今年の種牡馬展示会ではアメリカンファラオの他にも、話題性のある種牡馬が続々とスタッドインしていた。それが各スタリオンにおける種牡馬展示会の盛況にも繋がったとも言える。


 ただ、JBBA九州種馬場とJBBA七戸種馬場で開催される種牡馬展示会は、北海道内のスタリオンで行われた種牡馬展示会とは、また趣が違っている。最も大きな違いとはこの2つの種牡馬展示会は、一般ファンの入場が可能となっていることである。


 自分も種牡馬展示会の原稿を書く時には、「種牡馬展示会は生産関係者を対象としたイベントであり、一般の入場はできません」と明記するのを心がけているが、JBBA九州種馬場と、JBBA七戸種馬場の種牡馬展示会では事前にXでも発表されていたように、「一般の方も入場可能」と記されていた。


 第196回と197回のこのコラムにおいて、昨年、JBBA七戸種馬場で行われた種牡馬展示会について書かせてもらったのだが、七戸種馬場の近郊のみならず、遠くは関西からもやってきた競馬ファンの姿もあった。


 筆者が水曜日面の中日スポーツで連載をさせてもらっている「馬産地インサイ道」は、時としてYahoo!ニュースにも掲載されることがある。


 1月28日(水)の紙面で今年の種牡馬展示会の日程と、九州種馬場と七戸種馬場の種牡馬展示会は一般来場者が可能だという記事が掲載されると、コメントの中に、「九州種馬場は近所だから行ってみようかな」といった書き込みを目にした。九州や青森は古くからの馬産地ではあるものの、認知度でいうと北海道が圧倒的であり、スタリオンや牧場の近くに住んでいる方にとっても、馬は縁遠い動物との認識があるのかもしれない。


 ただ、今回はスタリオンに来場するきっかけを設けられただけでなく、そこに国内外のGⅠレースで活躍した名馬がいるという事実を、競馬に詳しくない人にも伝えられたのならば、また馬や牧場に対する意識は違ってくるのではないだろうか?


 実は今回、九州種馬場と七戸種馬場で行われる種牡馬展示会で、関係者の方に取り組んでほしいことがある。と、ここで字数が足りなくなってしまったので、次号では七戸種馬場の種牡馬展示会のレポートを交えながら、自分の考えを述べさせていただきたい。

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