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第9回 北の大地からパワーをもらう。夏の旅に行って来ました

2015.08.25
 猛暑の東京を離れ、涼しい北海道に行ってきました。大人になると時間が過ぎるのが早い、特に競馬をやっていると'速い'と耳にすることも少なくありませんが、馬産地に行くとさらにそれを強く感じることもしばしば。
 ついこの前まで、お母さん馬のお腹の下からこそぉっとコチラを伺っていたおチビちゃんが、すっかり立派になって今日のメインレースに出走!とか、2歳新馬でデビューした頃のかわいい姿が昨日の事のようなのに、母となりこの春2番仔が誕生、なんて、ブラッドスポーツと言われる競馬ならではの楽しみを感じながら、それを皆さんと分かち合えるのもステキなことだなと思います。

 北海道へは仕事とリフレッシュ放牧を兼ねて出かけるのが常ですが、行く前には天気予報とにらめっこしながら取材計画を考え、アポイントを取っていきます。それと並行して、日々の作業と旅行中に締切りやアップ日を迎える媒体の仕上げや仕込み作業も実行。この2倍3倍にぎゅぎゅっと濃縮された労力が、やがて馬産地での伸び伸びとした放牧時間に繋がると思えば踏ん張りどころ。今年も北の大地で思いました。「ありがとう、1週間前のワタシ」・・・。

 とはいえ、北海道入りしても、出馬表を更新したり、伺った話を忘れないようにまとめたり、写真を整理したり、アップ予定の記事を確認したりと、いろいろな作業があったりもします。でも、馬産地で撮って来たばかりの写真を眺めるのは、普段の競馬場での仕事とはまた違う味わいがあって楽しい!!!やっぱり馬や競馬っていいなと思う瞬間です。

 今回の旅では新千歳空港に夕方到着し、ノーザンファームや社台ファームでお馴染みの安平にあるお宿でまず1泊というスケジュール。このお宿、オーナーさんの話ぶりからも地元愛が伝わるとても素敵な所でした。その土地や自分が携わっていることに愛情があるからこそ伝わるものがある・・・そう感じさせる何かがあるような。どの業界もきっとそうで、競馬も同じかも知れませんね。

 実はこのお宿、家庭的なおもてなしはもちろん、安平や厚真など、地元産の食材を使った丁寧なお料理が絶品。よくよく思い起こせば、馬にとって良い環境は、良い土地に生える上質な牧草や、過ごしやすい気候が大切。日本の競馬界をリードする名門牧場がある土地は、その他の農業にも向いている豊かな土地だということを改めて知る良いきっかけになりました。安平産の農作物は、一般的なお店ではあまりお目にかかれないようなので、ますますあのお料理が恋しい・・・。

 農作物といえば、北海道の豊郷で生産牧場をしている友人が、自宅で栽培したグリーンアスパラを分けてくれたことがありました。それがとっても柔らかくて、味わい豊か!自分史上ナンバーワンアスパラかも知れません。あれ以来北海道産のアスパラの大ファン。先日も新冠の温泉で、地元産のとっても新鮮なグリーンアスパラが格安(東京比)で売られているのを見つけて「明日帰るのならお買い上げしたい!!」と無念の思いを噛みしめたものです。

 馬産地ではそこで作られている野菜も魅力的。静内で栽培している「太陽の瞳」というミニトマトも味が濃くてとっても美味しいです。

 馬産地の魅力を広く深く感じた今年の北海道の旅でしたが、何よりも心に残ったこと。それは、生産牧場のこれからを担う若い世代の成長でした。少し前まで高校生だったのに、今ではすっかり実家の牧場をリードする、若いけれどとても頼もしい存在になっている姿からは、一言では言い表せない、何か眩しい煌めきにも似たパワーをもらったように思います。

 第9回 北の大地からパワーをもらう。夏の旅に行って来ましたの画像

 あの風景を思い出しながら、ここで頑張って行こう。そんな気持ちにさせてくれる、北の大地がもたらす豊かな恵みと、頼もしく成長した人馬の姿に、すっかり心が満たされた夏の旅でした。
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