南関フリーウェイ
第23回 荒尾から南関東へ。西村栄喜騎手 南関東重賞初制覇
2016.10.25
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「こんなに祝福の輪が広がっているのは珍しい光景だね」。誰からともなくそんな声が聞こえたのは10月19日、埼玉新聞栄冠賞(SIII)直後のこと。この日、タイムズアロー(川島正一厩舎)を勝利に導いたのは、このレースが待望の南関東重賞初制覇となった西村栄喜騎手でした。
西村騎手は2011年の荒尾競馬廃止に伴って南関東へと移籍。現在は船橋の波多野健厩舎に所属しています。荒尾では多くの勝ち星を重ねていた西村騎手でしたが、南関東移籍後は騎乗数が少なくなり、思い悩んだ日々もあったそう。昨年は5勝、今年はここまで6勝をあげています。
レースでの騎乗数はけして多くはありませんが、厩舎関係者からの信頼も厚く、現在は約20頭の調教を手掛けているとのこと。これは船橋の騎手の中でもかなり多い数字で「依頼されるのは嬉しいことですね。周囲の皆さんに感謝していますよ」と話していました。
縁の下の力持ちとして支えている馬には、NARグランプリ2014で年度代表馬となったサミットストーン(船橋 矢野義幸厩舎)も名を連ねています。今回勝利へと導いたタイムズアローもそのクセを知り尽くす内の1頭。実戦でコンビを組むのはかしわ記念(JpnI)以来2度目でしたが、見事勝利へとエスコートしました。
「馬の気分を大切に、折り合いをつけられるよう、逃げずに落ち着いて行こうと思っていました。良いスタートがきれて、行き過ぎる感じだったので少し控えました。前に行く馬は行かせて、自分のペースを守っていこうと思っていました。ソラを使わず、気分良く走ってくれましたね。前は自分勝手にカーっとなってしまう面がありましたが、馬が素直になって人の言うことを聞くようになってきました。レースで騎乗していた真島大輔騎手もカッとならないように教えながら乗っていたのではと思います」。
ゴール板を過ぎた後、大きくガッツポーズした西村騎手。「ガッツポーズはみんなに『頑張ったぞ!』と伝えるような気持ちでした。我慢して追い出して、早目には行かないと決めていたのですが、馬もそんな気持ちに応えて素直に走ってくれました。攻め馬からやっていることなどを思い出しましたよ」。
そんな西村騎手を待っていたのは、騎手仲間や厩舎関係者、マスコミ陣など、所属を超えての祝福の嵐でした。馬場から戻る時には、同じ移籍組であり、自身も南関東での重賞制覇まで苦労を重ねた森泰斗騎手がコブシを合わせて祝福。さらに、そのすぐ後には浦和の見澤騎手も笑顔で祝福。検量室前では多くの関係者が「良かったね!」と言葉を交わし合い、華やいだ雰囲気いっぱい。出迎えた矢野義幸調教師や山下貴之調教師が西村騎手と握手し、その背中に手を添えている姿もあたたかさを感じさせるものでした。ハグして祝福した吉原寛人騎手など、祝福の波はその後も絶えずに・・・。
「タイムズアローは気難しくて、自分の競馬ができなかった時は手入れもさせない馬。今回はおとなしく手入れさせてくれたよ。気分良く走ったんだろうね。勝てて西村騎手も喜んでたなぁ。いやぁ、良かったよ!」と担当で笠松の元騎手・松崎正志厩務員。管理する川島正一調教師は「気難しいタイムズアローを良く乗りこなしたね。日ごろ調教をつけている賜物。本当に良く乗ってくれたよ」と笑顔で語りました。
「荒尾から移籍しても、頑張っていればいつか良いこともあると思っていました。それが今日の結果で返って来たのは嬉しいです。熊本にある実家も震災や噴火で被害を受けてしまいました。自分も新天地で頑張っているので熊本の皆さんも頑張って欲しいと思います」と西村騎手。10月の浦和開催終了時点で、大きな節目となる1000勝まであと31勝となっています。
何かが動き始めたような印象もあった'南関東重賞初制覇'。新天地で咲いた花・西村栄喜騎手へもご声援くださいね!
西村騎手は2011年の荒尾競馬廃止に伴って南関東へと移籍。現在は船橋の波多野健厩舎に所属しています。荒尾では多くの勝ち星を重ねていた西村騎手でしたが、南関東移籍後は騎乗数が少なくなり、思い悩んだ日々もあったそう。昨年は5勝、今年はここまで6勝をあげています。
レースでの騎乗数はけして多くはありませんが、厩舎関係者からの信頼も厚く、現在は約20頭の調教を手掛けているとのこと。これは船橋の騎手の中でもかなり多い数字で「依頼されるのは嬉しいことですね。周囲の皆さんに感謝していますよ」と話していました。
縁の下の力持ちとして支えている馬には、NARグランプリ2014で年度代表馬となったサミットストーン(船橋 矢野義幸厩舎)も名を連ねています。今回勝利へと導いたタイムズアローもそのクセを知り尽くす内の1頭。実戦でコンビを組むのはかしわ記念(JpnI)以来2度目でしたが、見事勝利へとエスコートしました。
「馬の気分を大切に、折り合いをつけられるよう、逃げずに落ち着いて行こうと思っていました。良いスタートがきれて、行き過ぎる感じだったので少し控えました。前に行く馬は行かせて、自分のペースを守っていこうと思っていました。ソラを使わず、気分良く走ってくれましたね。前は自分勝手にカーっとなってしまう面がありましたが、馬が素直になって人の言うことを聞くようになってきました。レースで騎乗していた真島大輔騎手もカッとならないように教えながら乗っていたのではと思います」。
ゴール板を過ぎた後、大きくガッツポーズした西村騎手。「ガッツポーズはみんなに『頑張ったぞ!』と伝えるような気持ちでした。我慢して追い出して、早目には行かないと決めていたのですが、馬もそんな気持ちに応えて素直に走ってくれました。攻め馬からやっていることなどを思い出しましたよ」。
そんな西村騎手を待っていたのは、騎手仲間や厩舎関係者、マスコミ陣など、所属を超えての祝福の嵐でした。馬場から戻る時には、同じ移籍組であり、自身も南関東での重賞制覇まで苦労を重ねた森泰斗騎手がコブシを合わせて祝福。さらに、そのすぐ後には浦和の見澤騎手も笑顔で祝福。検量室前では多くの関係者が「良かったね!」と言葉を交わし合い、華やいだ雰囲気いっぱい。出迎えた矢野義幸調教師や山下貴之調教師が西村騎手と握手し、その背中に手を添えている姿もあたたかさを感じさせるものでした。ハグして祝福した吉原寛人騎手など、祝福の波はその後も絶えずに・・・。
「タイムズアローは気難しくて、自分の競馬ができなかった時は手入れもさせない馬。今回はおとなしく手入れさせてくれたよ。気分良く走ったんだろうね。勝てて西村騎手も喜んでたなぁ。いやぁ、良かったよ!」と担当で笠松の元騎手・松崎正志厩務員。管理する川島正一調教師は「気難しいタイムズアローを良く乗りこなしたね。日ごろ調教をつけている賜物。本当に良く乗ってくれたよ」と笑顔で語りました。
「荒尾から移籍しても、頑張っていればいつか良いこともあると思っていました。それが今日の結果で返って来たのは嬉しいです。熊本にある実家も震災や噴火で被害を受けてしまいました。自分も新天地で頑張っているので熊本の皆さんも頑張って欲しいと思います」と西村騎手。10月の浦和開催終了時点で、大きな節目となる1000勝まであと31勝となっています。
何かが動き始めたような印象もあった'南関東重賞初制覇'。新天地で咲いた花・西村栄喜騎手へもご声援くださいね!