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第12回 雨中決戦とその後の煌めきシーン 川崎の牝馬重賞

2015.11.25
 川崎の重賞開催日は雨が多いような気がする・・・ふとそんなことを思いました。ハッピースプリントが勝利した2013年の全日本2歳優駿(JpnI)。クラーベセクレタの引退レースとなった昨年2月のエンプレス杯(JpnII)。今年はクラウンカップ(SIII)、戸塚記念(SII)、そして11月17日のローレル賞(SIII)、翌18日のロジータ記念(SI)などなど。気のせいなのか、データ的にもやっぱりそうなのか、雨が多いなぁと思ってしまうのです。
 雨の日の取材はいろいろと対策が必要。濡れないようにカメラにタオルを巻いたり、袋をかぶせたり。もちろんちゃんとした防水グッズを使っているカメラマンさんもいます。取材エリアは馬たちの安全確保のために、基本的に傘はNGです。そのため、雨合羽着用となりますが、この雨合羽も、動きやすく濡れにくく、さらに取材道具一式が入っているカバンを持てて、すばやく出し入れができる、というのが理想的。

 皆さんいろいろ工夫して、それぞれのお気に入りを見つけているようですが、私の場合は散々探してようやく巡り合った、ポンチョ型の前ファスナー付き雨合羽を愛用中。これに防水スプレーをかければさらにパワーアップ!雨の日に大活躍してくれています。

 以前、厩務員さんから「雨の日の朝、馬房に行くと『出たくありませーん』って馬がどんよりして、見るからにいつもよりテンションが下がってる(笑)。引かれてしぶしぶ外に出る、みたいなかんじ(笑)。雨の日に外に出るのはイヤっていう人間の気持ちと同じかも知れない(笑)。それでも調教はしっかり頑張ってるよ」と聞いたことがありました。

 牧場に勤める友人からは「雨の前、風が強くなると馬たちが放牧地を走りまわる。雨が降ると濡れたくないからじっとしてるの」と教えてもらったことも。

 そんな話を思い出すと、雨がイヤだなぁ・・・と思うのは馬も人も同じ。よし、頑張ろう!なんて思ったりして。

 さて、可憐なる乙女たちの'晴れ舞台'、ローレル賞(SIII)とロジータ記念(SI)もさきほど書いたように雨の中での決戦となりました。

 まず、17日に行われた2歳重賞ローレル賞(SIII)を制したのは、北海道から参戦したモダンウーマン(父サウスヴィグラス 角川秀樹厩舎)。このレースを最後に、川崎の佐々木仁厩舎に転入とのことで、勝利へエスコートした阿部龍騎手の「僕が乗るのはたぶんこれが最後だから、勝ちたいという思いが強かったです。今までありがとうという気持ちです」という言葉と、口取り撮影後、モダンウーマンを見つめる担当厩務員さんのしみじみとした表情がとても印象的でした。'送り出した'皆さんの元へ、南関東での活躍のニュースがたくさん届きますように。

 ローレル賞のレースの時間帯は小雨程度でしたが、翌日の3歳重賞ロジータ記念(SI)はしっかりとした雨脚に。このレースを制したのは人気に応えたララベル(大井 荒山勝徳厩舎)でした。4馬身差の圧勝で重賞4勝目。管理する荒山勝徳調教師によると、今後はオーナーサイドと相談の上、斤量を見ながらレースを選んでいきたいとのこと。南関東のみならず、幅広い活躍に期待が膨らみます。

 第12回 雨中決戦とその後の煌めきシーン 川崎の牝馬重賞の画像

 そのララベルと真島大輔騎手の恒例の?癒しシーンも人気です。雨の中、不良馬場の長丁場2100メートルを走った後の撮影でもおとなしくポーズを決めている姿は、女王に相応しい落ち着きも感じさせました。口取り撮影を終えた後、その女王にほほを寄せる真島騎手。それを見守る厩務員さんの優しい眼差し。それらは結婚式のワンシーンを思わせ、雨さえもキラキラと降り注ぐライスシャワーに見えてくる気がするほど、とても素敵なシーンでした。あたふたしないでいる女子は、雨さえも味方にして自らを美しく見せるのですね。

 さあ、いよいよ今年も残すところあと1ヶ月。南関東4場でも1年を締めくくるイベントが各場で行われます。2015年を最後までめいっぱい楽しんでいきましょう!
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