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第13回 2015年はハートビートナイター開幕、ニューヒーローの誕生!

2015.12.25
 2015年を振り返ってみると、「1年過ぎるのがなんて早かったんだろう!」という一言に尽きます。競馬をしていると時間の経過をより早く感じると言いますが、あれ?ついこの前2歳新馬戦が始まったような気がするのに、あれはもう半年以上前?なんてことを毎年繰り返しているような・・・。
 たくさんの思い出深いレースが繰り広げられた2015年ですが、今年は南関東競馬にとって、大きな節目となる年でもありました。

 それは、船橋競馬場関係者念願のナイター開催のスタート。実施に至るまで、いろいろなことをクリアしながら、周辺住民の皆さんのご理解を得て、ファンの声援を力に、待望の'ハートビートナイター'が開幕!2015年6月15日は、船橋競馬場に新しい時間が流れ始めた記念の日となりました。

 ナイター開催でレースの時間帯も大きく変わり、それに伴って競馬場の表情に新たな魅力が生まれたようにも思います。光の中を駆けて来るドラマチックな馬の姿や、今まで最終レース終了後だったために観ることがなかった競馬場の夕暮れの美しさ・・・。レースと共に、そんな風景も競馬場の魅力として、多くの皆さんに楽しんでいただけることでしょう。

 気になる'数字'ですが、6月から12月開催までのハートビートナイター開催期間中の成績は、来場者数112%UP、売上124%UP(重賞除)125%UP(重賞含)という結果とのこと(主催者発表)。1日あたりの入場者数は前年比116%UP、売上は129%UP!まだまだ課題はありそうですが、ハートビートナイター開催での'プラス'は嬉しい結果と言えそうです。

 今後は3月まで昼間の開催を行い、2016年4月11日(月)からハートビートナイター再始動となります。4月以降は日程によっては昼間の開催になることもありますので、カレンダーなどでご確認くださいね。

 さて、ダートグレード競走ではちょっぴり寂しい気もする南関東勢ですが、ぐっと頼もしい存在となった馬がいます。その名はソルテ(大井 寺田新太厩舎 父タイムパラドックス)。12月22日に浦和競馬場で行われたゴールドカップ(SIII)を、川崎マイラーズ(SIII)、京成盃グランドマイラーズ(SIII)、サンタアニタT(SIII)、マイルグランプリ(SII)に続く重賞5連勝で制覇。南関東を代表する強豪として、2016年の活躍に大きな期待が膨らみます。

 今回のレースでは、馬場入場後、何かに驚いてしまったソルテが鞍上の吉原寛人騎手を一瞬で振り落とし、1コーナーに向かって放馬してしまうというアクシデントが発生!圧倒的な単勝人気を背負っていただけに、場内も業務エリアも一時は騒然となりました。

 しかし、そこからがソルテのすごいところ。スタンド正面から2コーナー付近の待機所まで走ると、一旦そこで止まって周囲を見回し、他馬と一緒にコースを周回。それはまるで、自分で返し馬をしているような印象さえも。4コーナーを過ぎてゴールが近付くと、ぐっとフォームを沈めてやや加速。そしてレースが終わった時のように、再び2コーナーの待機所前で立ち止まり、振り返って「ん?みんなどこ?」というような仕草を・・・。そして、なんと、自分で検量前まで戻って来たのです。賢い!

 通常、放馬というと、馬がパニックになり、ラチにぶつかったり、何周も走って疲労してしまったりということがほとんどですが、ソルテの放馬は全く違うもの。いざ走ってみれば、アクシデントをもろともしない圧勝劇で、「ソルテ強し!」の印象を強烈に焼き付けるレースとなりました。

 第13回 2015年はハートビートナイター開幕、ニューヒーローの誕生!の画像
 口取り撮影後には、ソルテに寄り添って感謝の気持ちを伝える吉原寛人騎手の姿にもなんだかしみじみ。アクシデントを乗り越えてのハッピーエンディングは、今後も語り継がれて行くことでしょう。「ソルテは本当に競馬が上手。かしわ記念(JpnI)まで負けたくない。連勝を伸ばしていきたいです」と語った吉原寛人騎手。早くも2016年が楽しみになってきました。
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