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第14回 調教師補佐お二人に話を伺いました!

2016.01.26
 今月は'調教師補佐'お二人の登場です。調教師補佐というと、文字通り'調教師の補佐'なのですが、厩務員さんと同じように担当馬を持っている方、担当馬を持たず調教に乗りながら補佐の仕事に携わっている方など、所属厩舎によっていろいろだそうです。
 第14回 調教師補佐お二人に話を伺いました!の画像 まずは、船橋・齊藤敏厩舎の大津剛調教師補佐に登場していただきましょう。調教師補佐としての仕事は、齊藤敏調教師からの伝達事項を伝えたり、出走投票などの事務作業を行ったりなど、臨機応変、多岐に渡るそう。

 大津さんといえば、船橋競馬場関係者有志によって開催された写真展への参加や、ファンと共に競馬場周辺を掃除するクリーン大作戦、SNSを通じての情報発信など、ファンとの交流も大切にしていることでも知られています。もちろん、公正確保のもと、業務上で可能な範囲内ではありますが、レースから戻って来た馬の表情や、厩舎サイドならではの愛情溢れるコメントなどは、競馬をさらに楽しくしてくれる貴重な情報といえるでしょう。

 いつも笑顔で挨拶もさわやかな大津さん。社交的な性格なのかなと思っていたら、意外なお返事が返ってきました。

 「もともとは人と対するのは苦手だったんです。でも、補佐になって、それじゃいけないなということで思い切って踏み出しました。すごく勇気が必要でしたよ(笑)」

 大津さんは、現在3頭の馬を担当中です。「朝は午前2時に馬場解放なので、それより前に来て作業を始めます。厩舎によって違いますが、だいたい午前9時くらいまで作業します。次々と作業があるので、止まっている時間は無いという感じですね」。

 補佐になってさらに厩舎全体へと目が向くようになったとのこと。「今までも、所属馬が勝てば嬉しかったのですが、今はさらにその気持ちが強くなりました。ファンの皆さんと交流する機会も増え、遠方から来てくださる方がいることも知りました。改めて、応援してくださっている皆さんの気持ちに応えていきたいと思っています」。そう語ってくれた大津さんの背中の向こうでは、担当馬・サブリナラッシュ(父ワイルドラッシュ)がかわいい顔でこちらを眺めていました。

 続いては船橋・佐々木功厩舎の岩崎(品田)真樹調教師補佐。北関東競馬をご覧になっていた方には懐かしい存在なのではないでしょうか。宇都宮競馬場で騎手として競馬に携わり、廃止に伴って佐賀へ移籍。その後、家業を手伝うためにサラリーマン生活を経験し、再び馬の世界へと戻ってきました。お兄さんの品田直樹さんは競艇選手として活躍中です。岩崎さんも一旦は競艇の道を目指したそうですが、やむを得ず断念。その時手にした資格の本で、騎手を募集していることを知り、締め切りのわずか1週間前に応募して競馬の道へ。なんともドラマチックな道のりです。

 「もともと勝負の世界で生きたいと思っていました。教養センターでは庄司大輔騎手(船橋)と同期でしたよ。今は調教師のもとで事務的なことを覚えながら、アイスイモン(父スウェプトオーヴァーボード)、ハイアビリティー(父キングヘイロー)、ロードグロワール(父キングカメハメハ)の3頭を担当しています。ゆくゆくは調教師になってさらに上を目指したいですね」。

 そう話す岩崎さんは、学生時代は陸上部に所属。現在も走り続け、昨年は千葉の大会でチャンピオンの座を獲得。競馬場仲間やお子さんとも大会に臨んでいるそうで、アスリートとしても活躍中です。

 取材にお邪魔した時には新人の宇佐美厩務員が担当馬リンノメサイア(父キンシャサノキセキ)で'厩務員初勝利'をあげた直後。「(宇佐美厩務員は)とっても真面目な子なんですよ。初勝利をあげて、今、洗い場に帰って来たので写真を撮ってあげてください」と後輩を気遣う優しい一面も。

 「船橋競馬場に一人でも多くのお客様に来て欲しいですね。そのためには魅力あるレースやイベントの開催も必要だと思います。レースの魅力の他に、時代の流れに合ったものを取り入れていければ」と岩崎さん。スポーツマンらしい明るい人柄と共に、会社員経験で培った視野の広さと、競馬への熱い思いがひしひしと伝わってきました。

 レースではお二人の担当馬にもご声援くださいね!大津さん、岩崎さん、お忙しいところありがとうございました。
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