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第34回 夏の取材現場

2017.09.26
 今回はこの夏の「南関フリーウェイ」の舞台裏についてお伝えしていきましょう。
 第34回 夏の取材現場の画像 ハートビートナイター開催中の船橋ケイバ。少し早めに到着して厩舎地区で取材することもあります。出走馬をチェックして、レースを控えている馬を避けて、洗い場にいる厩務員さんから話を聞いたり、業務エリアで従事員さんからプチ情報を聞いたり。雨が降っていると厩舎地区での取材はほぼ不可能なので、天候も考慮して、できることはなるべく前倒しで行うようにしています。

 取材では、馬も人(騎手)もレースのスケジュールと天気が大きなカギ。特にジョッキーから話を聞く際には'待ち伏せ'や'出待ち'をすることも多々。ひとことコメントや確認など、ちょっと話を聞きたい時には検量室や装鞍所から出て来るタイミングを待つのですが、少し長めに聞きたい時は「○レース(騎乗の合間)が終わった後、時間を取ってもらっていいですか?」と予約を入れます(私の場合)。

 近々配布される南関東競馬のフリーペーパーpocopocoでは、ジョッキーのインタビュー記事を担当していますが、それも同様の方法で取材しました。真夏の開催中のレースの合間、貴重な休憩時間を割いてもらうのはなんだか申し訳なかったので、少し休憩時間を取ってから、10分ほどインタビューを実施。「暑かったでしょう?(レースの後)何か飲んだ?」「はい、飲みました!(ニコっと笑顔)」と、とても爽やかに対応してくれました。とは言え、連続開催中の、体力の消耗が激しい真夏ということでやっぱり心配。騎手のお世話をしているスタッフの方に「○○騎手、元気なくなってないです?」と何度も確認してしまいました。pocopocoは10月半ばから競馬場や関連施設で配布予定です。ぜひそちらも併せてご覧頂ければと思います。

 現場に行った後には、原稿を書いたり写真を整理したりという作業も必要です。会社員に例えれば、外回りに出た後に、報告書を作るというイメージに近いかも知れません。記事を書く時には、間違いが無いようにデータを確認しますが、「そういえば、この馬の母馬の写真あったな」なんて探し始めることも少なくありません。そんな風に'掘り始める'と面白くなってきて、ついついいろいろ調べて「へぇー」と感動してみたり、思いがけない発見があったり・・・で、結構時間がかかってしまいます。

 見逃したシーンは、競馬場の従事員さんが教えてくれることがあります。最近聞いたものでは、馬場入り時に入れ込み過ぎて膠着していた馬が、管理している調教師さんが手綱を引くと、「今までなんだったの?」というほど大人しくなって馬場入りし、そのレースで勝利した、などという話も。そういった情報を元に、厩舎関係者からさらに深い話を聞くことができるので、人との繋がりは大切で、ありがたいことだなぁと思います。

 ちなみに、今回のケースは船橋・岡林光浩厩舎のカラオケスナック(4歳牝馬)。勝利へとエスコートしたのは、1年間コンビを組んでいる笠野雄大騎手でした。連続3回2着という惜しいレースが続いた後の待望の勝利。「苦労して乗ってくれている笠野騎手で勝てて嬉しいよね。笠野の写真、撮ってやって」と、岡林調教師もとても嬉しそうでした。

 そうそう、現場取材とは別に、先日ちょっと面白いことがありました。地元で友人たちと歩いていると、前方から犬の散歩中のご近所さんがやってきました。その時の私は、道の反対側に避けて立ち止まってお散歩ワンコとご近所さんをお見送り。その姿を見た友人は「犬、苦手なの?避けてるから・・・」と。あれ?そんなことないよ、犬は大好き、実家でも飼ってるし・・・、としばらくして、はっ!と気がつきました。そう、厩舎地区で馬が来た時の行動そのまま(笑)。人に引かれている犬=運動中の馬、と構図が似ていて、反射的にそんな行動をしてしまったのだと思います。

 今年も残すところあと3ヵ月。これからは2歳馬たちの重賞も楽しみな季節になりますね。引き続き、南関東競馬を楽しんでいきましょう。
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